7.26.2017

[film] The Slumber Party Massacre (1982)

21日、金曜日の晩、BFIで見て、そのあとにDiscussionも。

5月にPrince Charlesで”XX” (2017) の上映会を主催したThe Final Girls - ホラーフィルムとフェミニズムの交点を模索する上映企画(共謀)集団 (でいいのかな?) - がBFIでなんかやる、というので、とりあえず行ってみる。 BFIの小さいシアターだったけど、Sold outしていた。 いつもBFIが配るペーパーとは別に、例によってこまこま綺麗なカラーの手作りパンフを作って配っている。えらいねえ。

上映前のイントロでFinal Girlsのふたり(ひとりは"Greta Gerwig"て文字だけのTシャツ着)が出てきて、この作品は女性監督と女性ライターのふたりが明確にフェミニズムを意識して作ったホラーです、って。

郊外のどこにでもありそうな住宅街で、子供の頃のお人形や縫いぐるみを捨てようとしている女の子と、彼女を置いて旅行に出ようとしている両親がいて、凶悪犯が脱獄したというニュースが流れていて、そこからハイスクールの女子の部活 〜 シャワールームとそれを眺めている男子のコンビがいて、その隅で脱獄囚と思われる奴による最初の殺人が起こって..  前半はこんなふうにかっちりと定石通りに運んで、あとは夜、両親がいなくなった家で女子だけのパジャマ・パーティが始まって、酒飲んで薬やっての現場にさっきの男子組とか、そこに来ている彼女をなんとか連れ出したい男とか、隣の家で留守番をしている姉妹とか、ピザのデリバリーとか、いろいろやってきて絡みはじめるのだが、ドリルを手にした男が家に入ってひとりまたひとりと...

スラッシャーもスプラッターも基本だめな人なので、びくびくしながら見ていたのだが、これはそんなに血しぶきが飛んだり穴とか切れ目とか切り身とか見えないのでそんなに怖くなくて、客側もほうらきたやっぱりきた、とかみんなげらげら笑いながら見ているのでだいじょうぶだった。(そんなんでいいの? はあるけど)

上映後のディスカッションは、Final GirlsのふたりにBFIのClut Programmer(いいなーそれ)の男性に批評家とプロデューサーの女性ふたりが加わる。
どうしてこの映画を、というところでは、昔は田舎のレンタルとかで借りてくるホラーVHSの束のなかのひとつだったのだが、その後フェミニズムを含めていろいろ学んだりして、その上で再見してみるとものすごくいろんな発見があって、是非みんなに見てもらいたいと思ったのだ、って。 そうだよねえ。 だからおんなじ映画を繰り返し見るって、だいじなのよね。

あとはこれ、Roger Cormanプロ傘下の作品でもあって、彼の映画の必須アイテムであるところの女性の乳、尻、血、といった要素をフェミニズム観点で逆手に取って監督はどう料理したか、を親子のシーン、部活のシーン、姉妹のシーン、などからこまこまと分析していく。 いや、分析ていうほど鋭くはないしこじつけじゃね?みたいのもあるのだが、でもおもしろくて腑に落ちてすっきりするならそれでいいんだ。

でも、おもしろいの。 あの場面はオーガズムのメタファーなのよ、とか言われて、ええー… でも言われてみれば..  とか。
確実に映画を見る楽しさに新しいなにかが加わって、それは勿論、なにもだれも邪魔しない。
それを言ってデートで相手の男が引いたりしたら、あんたつまんねえ奴、って砂かけちゃっていい。

あと、ネコは何匹でていたか、そいつらぜんぶ違うやつだったか? とかをまじで議論してたり(たしか.. 3?)。

この後、同じシアターで"The Slumber Party Massacre II" (1987) も上映するから! ぜったいおもしろいから!!  て言われたがやっぱりさすがに帰ることにした。

なぜホラーとフェミニズムなのか、については、怖がらせているのは何か、地獄を見せようとしているのは誰か、それを見て(見せられて)いる側の意識はどうか、といった辺りを考えていくことになるのかしら。
日本でも読書サークルみたいなノリでやると楽しいのに。 怪談とフェミニズムとか。もうやっているかー。


BFIのCult Programmer)のひとのお知らせで、9月にStephen Kingの大特集をやる、って。 彼原作のはもちろん、彼のピックアップしたのとかStephen Kingクイズもサミットもあるよ! って。 さっき本当に案内が来たので震えている。 がんばって通ってみよう。

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