3.28.2015

[film] 光陰的故事 (1982)

21日の土曜日の午前、渋谷でみました。
4人の監督による4つの短編からなるオムニバス。 英語題は”In Our Time” - こんなこともあったりあんなこともあったりして過ぎていった日々、とか。

1話『小龍頭』(監督:陶徳辰:タオ・ドゥーツェン) “Little Dragon Head”
恐竜の絵ばかり描いている恐竜好きの男の子がいて、両親は何故か弟のほうばかり可愛がって、裕福な親戚のお家にお呼ばれしていって、そこの女の子と少しだけ仲良くなるのだが、そこのおうちはアメリカに駐在に行っちゃうの。

2話『指望』(監督:楊德昌:エドワード・ヤン)”Expectation”
母、姉 - 受験前、妹 - 中学生の3人で暮らす一家がいて、妹は近所のガキの自転車の練習つきあったり、自分ちに間借りにきた大学生男子にときめいたりするが姉に取られちゃって呆然としたり、どんよりしている。 自転車に乗れるようになったガキは、自転車乗れるようになったらどこでも行けると思っていたけど、そうなってみるとどこに行ったらよいのかわからないんだ、とか言うの。

3話『跳蛙』(監督:柯一正:クー・イーチェン)”Leapfrog”
浅田彰似の大学生の男がいて、”Fatty”とか呼ばれててあんまぱっとしないのだが、留学生との対抗試合をやるんだ、て周りをたきつけて練習して、試合に勝ってやったぜ、なの。(こてこて)

4話『報上名來』(監督:張毅:チャン・イー)”Say Your Name”
アパートに越してきたばかりの若い夫婦がいて、朝、妻が新しい勤め先に出て行った後、夫は寝起きの上半身裸で階下に新聞取りに行こうとしたら鍵を部屋に置いたまま扉を閉められちゃって、外から妻の勤務先に電話したら妻は妻でオフィスに入れなくて大変で、どうする?  なの。

順番に小学生の頃 → 中学生の頃 → 大学生の頃 → 大人の頃のお話しになっていて、背景の時代は明示されていないものの 50年代 → 60年代 → 70年代 → 80年代(公開時)、と推移していって、当時の観客からすれば、誰もがああ、これあったかも、ありそうかも、と思えそうな話が出てくる。
あと、各エピソードに動物のイメージも貼り付いていて、順番に恐竜、猫、蛙、犬、なの。

作品のクオリティーみたいなとこでいうと、エドワード・ヤンの第二話が文句なしに圧倒的で、他のはTVドラマだけど、ヤンのだけは映画的な力強さのなかでとびぬけている。 一目瞭然。

大人の入り口に立っている少女の惑いと畏れと小さな期待と、やがて来てしまうその時、そして軽い失望と止まない不安と、さて。
冒頭の少女のクローズアップから、背筋を伸ばさなければいけない緊張があって、そこからどのエピソードもサイレントのようなカット割りと表情、光と影のなかに浮かびあがる。画面切り替えのフェードインとアウト、The Beatlesの”Hello, Goodbye”、でもそれらは過去のスクラップではなくて、今のお話しとしての普遍性と瑞々しさがあるの。 あと何十回だって見ることができる古典。


映画とはぜんぜん関係ないけど、木曜日にEast Villageで起こったガス爆発で、あの近所にあったPommes Fritesがクローズしてしまいました。 ベルギーフレンチフライ専門のちいさなお店。
あの近辺を散策していて突然血糖値が下がって死にそうになったとき、何度となく救ってくれた。

ほんとうにお世話になりました。 ありがとう。 またね。

http://www.pommesfritesnyc.com/

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