10.29.2014

[art] Egon Schiele: Portraits

到着した23日木曜日のごご、雨のなか地下鉄で86thまで行って、Neue Galerieに行ったら外に行列が出来ていたのでびっくりした。 最初はCafé Sabarskyの列かと思ったらそうじゃなくて展示のだと。 木曜の夕方近く、雨なのに。 狭いところだからかしら、とにかく並んで入った。

Egon Schieleの肖像画を中心にした展示としては米国では初だという。
1907年頃の真面目な画学生の自画像 - 当然のようにお上手 - が、1909年あたりを境にあのぎすぎすした画風に突如変貌してしまうのがおもしろい。
展示作品のなかではなんといっても、“Portrait of the Artist’s Wife, Standing (Edith Schiele in Striped Dress)” (1915) がキュートですばらしい。こんな絵もあるんだなー。

あとは「エロス」のコーナーのいつものかんじとか、人物画以外では拘留されていた頃に描いた刑務所内の風景とか。

カタログはちょっと分厚かったので諦めた。

それからMetropolitan Museumに小走りしていくつか。雨はあがっていた。
美術館の前の広場、ずーっと工事していたやつが綺麗になっていた。(あんまおもしろみはない)

Thomas Struth : Photographs
写真におけるでっかさとは、サイズとは、ていうのをでっかい写真を前に考える。

Grand Design : Pieter Coecke van Aelst and Renaissance Tapestry

布好きとして見ないわけにはいかなかった。
ルネサンス期のタペストリー作家(ていうのかしら)、Pieter Coecke van Aelstの作品を圧倒的な規模で展開している。 新国立での「貴婦人と一角獣」も見事だったが、あの時代よかちょっと後。 とにかくばかでっかいのがどかどか沢山ぶら下がっているのでそれだけで感嘆する。
構図のかっこよいのと、でっかいくせにやたら精緻なこと、そしてよく見ていると生首とか死体とか生々しいのがごろごろ描いてあって、目を逸らすことができない。 あと1時間でも見ていられる。

Cubism: The Leonard A. Lauder Collection
コレクションの元になったLeonard A. LauderていうひとはEstee Lauderの一族で、Neue Galarieを作ったRonald Lauderの兄。 なんにせよおお金もち。

Cubismて、昔からそんなに興味を惹かれる分野でもなかったのだが、Juan Grisのが纏まって展示されていて、ここだけじっくり見る。
“Pears and Grapes on a Table” (1913)とか”Still Life with Checked Tablecloth” (1915)とか。
キュビズムにおける空間と物体 - 平面云々、というよかグラフィックとしてまずかっこよくて、色鮮やかにそこにある果物たちの静かな威厳があって。

Death Becomes Her : A Century of Mourning Attire

ほんとうはこれが一番見たかったThe Costume Instituteの秋冬もの。
19世紀初から20世紀初頭頃までの欧米の喪服あれこれを展示。
照明は薄暗めで、点数はそんなにないものの喪服はほとんどまっ黒(Queen VictoriaとQueen Alexandraが着たのだけ別)だし、鎮魂歌とか葬送曲みたいのが厳かに流れていてとっても地味で、それ故に生者が死者に向かう/死者を送るときの装いについてしんみり考えさせられる内容の展示で、よかった。 なぜ黒で、なぜ静かでなければならないのか? ”Death Becomes Her”。

あと、喪服の未亡人、みたいな妄想はいったいどこから湧いてきたのか、とか不謹慎ながら。


今回、MOMAは行かなかった。”Henri Matisse: The Cut-Outs”(こないだまでTateでやっていたやつね?)とか”Robert Gober: The Heart Is Not a Metaphor”とか、見たいのはいろいろあったのだが、なんとなく。

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