9.27.2013

[film] The Wolverine (2013)

戻ってきました。 溜まっていたのをなんとかしないと。

20日の金曜日の晩、六本木で見ました。

これのひとつ前の"X-Men Origins: Wolverine" (2009)の続き、ではなく、時系列でいうと"X-Men: The Last Stand" (2006)から繋がるお話しだった。
最期の戦いのあと、Jean Greyの幻影というか亡霊に悩まされている(こっちに来て、と言われている)Loganが日本に連れていかれて、長崎の原爆投下の直後に助けてあげた日本人から取引をしたいと言われる。 死にかけているその老人は戦後大企業を立ちあげて富も権力もヤクザも思いのままで、うさんくささを感じたLoganは断って、そしたら老人は死んじゃって、その葬儀に出たところで騒動に巻き込まれて、老人の孫で財産を継ぐ予定のマリコさまと一緒に東京とか長崎とか各地を逃げることになるの。

老人の家に泊まった際にLoganは体内になんかを仕込まれて、ミュータントの治癒能力を奪われて、マリコさまを嫉妬して追ってくる父(真田広之)とかマリコさまを守る忍者とかあれこれあって大変で、最後にはお城でロボット対決になるのでびっくりする。

このシリーズのテーマのひとつともいえる時代を超えて不死の身体を持ってしまったミュータントの死生観、をサムライのそれにぶつけてみる、それをストーリーとして浮きあがらせるために日本の伝統的なお家騒動と、これまた日本の伝統的な原爆問題 ~ ぜんぜん反省しない日本のバカ老人共にまで拡げてみせる。

この風呂敷の的確さとでっかさの前には日本の描写や会話が変だとか展開がトンデモだとかそんなのどうでもいいわ。
そういう国のそういう文化としてガイジンさん達はこっちを見ているんだって教えてくれているんだよ。 ありがてえじゃねえか。

殺陣とかとっくみあいとかも、ワイヤーを使わない接近戦の刺しあい殴りあいがすばらしいのと、その反対に新幹線の屋上でのびゅんびゅんした横流れの喧嘩とか、お城の手前で忍者がLoganの背中に紐つき矢をびゅんびゅん突きたててひっ捕らえられるところとか、遠くから捉えられた虫とか鳥みたいな動きがすごくて痺れる。

この映画に関しては、Wolverineの死にたい願望の克服とかそれを乗り越えた強さとかよりも、彼が向きあったじじいの業のどす黒さしょうもなさのほうがより印象に残って、これはこれでよかったのかもしれない。 いまだに原発は必要なのじゃ、ってだだを捏ね続けている老人たちはこういう連中で、こいつらを黙らせるにはWolverineを連れてこなければいけないのか、と。

James Mangold的には、"Kate & Leopold" (2001)の流れに置いてみるのもありかもしれない。 現代の生活に疲れていたMeg Ryanのところに18世紀の貴族 - Hugh Jackmanが現れたように、マリコさまのところに祖父の時代からWolverineがやってきてなにかを変えてくれたお話し、という。

あと、冒頭のロボットみたいなクマとエンディングのロボットは対になっているのよね、きっと。

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