9.27.2011

[art] John Martin : Apocalypse

NYにおります。 あいかわらず低調。

土曜日、ロンドンのさいごのあがき。 午前中だけ。

21日から始まったこれに行くのは決めていた。

http://www.tate.org.uk/britain/exhibitions/johnmartin/default.shtm

ちなみに、2009年に亡くなったSSWの彼は、John Martynですから。

19世紀初、英国ロマン派を代表する画家の英国過去最大規模の展示。
展覧会のタイトル"Apocalypse"が示すように、主に神話起源の大惨事とか破局とか天地がひっくりかえるような大事を、そのスケールのままで描き続けたへんなひと。

ロックを聴くひとには、Roger Deanの地獄版、というと解りやすいかもしれない。
ハリウッドの大惨事ものでおおー、てなるランドスケープの殆どは、この人の絵筆で19世紀に幻視されていたのよ。

でっかくて、構図がかっこよくて眺めがいい、それだけでうおおーて盛りあがれて楽しいのだが、ようく見てみると前景に描かれた人物とかはわりとへたくそで、苦労の跡がうかがえる。
勿論、いいじゃんそんなの、ちいせえよ、でよいの。
遠くでぴきーんて光る稲妻のシャープなこと。

ポンペイ、バビロン、失楽園、大洪水、と続いていくと、あんまにあんまりなかんじで、このひと普段なに考えて生きていたのかしら、と思いはじめた頃、晩年の最後の審判3部作ががんがんがん、と並ぶので、なにも言えなくなるのだった。

短い時間で見たわりには相当おなかいっぱいになった。 
カタログはあれこれ悩んで、結局やめた。

その後は、いつものように常設のOpheliaのとこに行って、相変わらずずうっと流れているねえ、と挨拶して、Lucian Freudの部屋に行ってご冥福をお祈りしたり。(彼の肖像画にフォーカスした回顧展が、2月からNational Portrait Galleryであるの)

そこを出て、いつもだと船に乗ってTate Modernの方に渡るのだがここは時間がないので、Museum of Natural Historyに行こうと思ってSouth Kensingtonに戻り地下通路を歩いていたらV&Aで今日からこの展示が始まることを知る。

"Postmodernism: Style and Subversion 1970–1990"
http://www.vam.ac.uk/content/exhibitions/postmodernism/

このテーマだと行かないわけにはいかないので、しょうがなくV&Aのほうに行った。

入ってすぐのところに横尾忠則による土方巽の舞踏のポスターがあったりしてふうん、だったが70年代から始まるのだった。 建築からインダストリアルデザインから都市風景まで、盛りだくさん、スタイルの転覆(subversion)とその変奏 - Remix その際限のない反復、ということをきちんと追っかけようとすると、ひとつひとつの領域は必然的に薄くなるよね。

ファッションだと最初に置いてあったのが、83年のVivian、そしてRei Kawakubo。異議無し。

音楽は、それなりにいっぱい。でもやっぱし薄いか。
"I want my MTV"のとこで視聴できるクリップは、Neneh Cherry, Visage, Kraftwerk "Robot", Devo "Whip it"、でした。 David Byrneのあのでっかいスーツの実物とか、Grandmaster Flashが使っていたTechnicsのターンテーブルとか。

あとはGrace Jones, Kraus Nomi, Laurie Andersonあたりは当然。
Robert Longoによる“Bizarre Love Triangle”のクリップとかも。

レコードジャケットだと、当然のようにPeter Saville, あとはXTC,  Buzzcocks, Bauhaus, Elvis Costello (Armed Forcesのオリジナル), それくらい。 まだあるだろうあれもあれもあれも。

日本人でちゃんとコーナーがあったのは大野一雄、そして倉俣 史朗。 このへんは当然。
あと、雑誌コーナーに80年頃の流行通信が展示されていた。

Postmodernismていうのはこういうものですよ、というのを紹介するのが目的なので、その内容としてはそうだろうねえ、としか言いようがないのだが、もうちょっとね、なんでこれらがPostだったのか、90~00年代はどうなっちゃったのか、なんで跡形もなくなってしまったのか、云々がもうちょっとわかるとよかったかもしれない。 よく見ればどこかにあったのかもしれないが。

展示の外にでたところで、ほんものかしらんがObserverの記者だというひとに感想を聞かせてくださいと言われたので、ものすごく適当に答えてしまった。あとでとっても反省した。

カタログもいろいろ考えてやめた。この展示にあわせた2CD+DVDのセットも売っていたが、これも悩んでやめた。

んで、ホテルに戻ってからHeathrowに向かいました。

Heathrowでは、前回と同様、Gordon RamsayのPlane Foodでチーズバーガーたべた。
今回のロンドンでは、到着翌日に近所のAubaineていうカフェで食べたEgg Benedictと最後のこれだけが、まともなお食事のぜんぶ、だった。

Terminal5のPaul Smithの古本屋(自分にとってはブティックではない)は、40分くらい、うんうん悩んでやめた。きわどいのはいっぱいあったんだけどねえ。古雑誌 - 昔のFaceとかは持っているのがほとんどだったし、今回中古レコードのコーナーができてて戦慄したのだが、これもほとんど持っているやつばかりだった。 

Jo Maloneで新しいのがでてて、嫌いじゃなかったのでかった。

機内では2本見ました。

"Paul" (2011)をやっと。
だーかーらー、ぜったいおもしろいってゆったじゃん。
なんでこんなよい映画が、なんとか映画祭とかで一回しか上映されないんだよ。
配給会社の目はくさってるよ。 ちゃんと見てみろよ。 でした。

それから"Win Win" (2011)を。

これも見たかったやつ。    NJのちいさな街で、ちいさな弁護士事務所をやってて、いろんなことに疲れているPaul Giamattiがクライアントの孫を拾って、他にやりようがないので、おうちに置いて面倒をみてあげるの。 その男の子もどこか壊れててぜんぜん笑わなくて、でもレスリングがすごいことがわかって、弁護士がコーチをしている学校に入れて、試合をさせていって、だんだん明るくなっていくの。 でもその男の子のあばずれの母親とかが現れて…と。

すんごい傑作ではないのだが、男の子の寂しそうなかんじがいかった。

弁護士の奥さん(Amy Ryan)が男の子と話しをしてて、彼の背中のTatooの話しになったとこで、自分が昔足首に彫ったちいさなTatooを見せて、これBon Joviなの、だってあたしはJersey Girlだもん、ていうところがなんかよかった。

エンドロールで流れるThe Nationalがすごくよくて、あーこのバンドの場所はこういうところにあるんだなあ、とおもった。

あとは"Bridemaid"をはんぶんくらいまで。

着いたら湿気がすごくてうんざり。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。