12.04.2013

[music] Neutral Milk Hotel

30日の午後、Hostess Club Weekenderで恵比寿に行った。
午前は、Record Store DayのBlack Fridayでぜんぜん期待せずに新宿に行った。
まったく期待はしていなくても買わなければいけないのはあって、散財したら重くてどうしようになってしまったが、ライブは行かねばならないのだった。

着いたのは3:30くらいでDeloreanの終りのほう。
でろーりあん。 かわいいかんじ。

初日のSebadoh - Okkervile River - Neutral Mild Hotelていう並びはほんと素敵で、チケットもすぐ買ったのだが、メルボルンにいたとき、ホテルの近所のホール(The Forum)で11/15,16の2日間、Neutral Milk Hotel - Superchunk - M.Ward ていうのが出ていて、この並びでもよかったなあ、とか。

前回Sebadohを見たのは2011年の11月のWilliamsburgだった。
そのときは23時に始まってだらだらだらだら1時半過ぎまで、でも音はじゅうぶんやかましく押しまくり吹きまくりでびっくりで、今回のもおなじモードだったかも。
1時間の制約がなければ、喋りも入れて3時間くらいはやりそうな勢いだった。
彼らに90年代の、くされた壊れもの - Lo-Fi - のイメージを期待しておくのは、もうとっくに誤りなの。

Okkervil Riverを初めて見たのは、2010年5月、Webster HallでRoky Ericksonのバックバンドとしてだった。
目線が終始どこかを彷徨っている樽のような御大の横にぴったりと寄り添い、尽くしている姿、それをどっしりと支える実直な音の硬さが印象的だった。  バンド単体の音はどうか。

Sebadohなんかとは別の意味で地面を這いつくばって揺らすマイナーな音、地下の音。 Roky Ericksonの昔から鳴りつづけているアメリカの音が炸裂する。
それは炸裂、としかいいようのない痛快なものでだれもが一緒にバウンドしたくなる分厚い音の奔流、そんな出だしの痛快なこと気持ちよいこと。
どかどか力強いドラムスはCursiveのCully Symingtonさん。ベースもギターも鍵盤も、そこを軸に吹き荒れるというよりはぶあつい壁とかぶっとい幹とかをつくる。

長髪髭面メガネ、というとっても60s - 70s学園紛争ぽいヴォーカルWill Sheffの扮装を含めて、どこからこんな音が、なのだが有無を言わせぬ強さに溢れている。
特に終盤、Willのソロのエモまるだしの絶唱から時間がないからって大急ぎでどんぶり飯をかっこむ勢いで突っ走った数曲のなりふり構わず感はすばらしいものがあった。  Roky Ericksonのときにはこんなに狂うひとだとは思わなかった。
REMがなくなっても、Sonic Youthがなくなっても、Okkavile RiverとWilcoがいればこの辺の音はだいじょうぶかも、とおもった。

最初のSebadohは後ろのほうで見てて、次のOkkervile Riverは真ん中より少し前のほうに出て、NMHのときには向かって右の前の前くらいまで行った。
休憩時間、普通は座ると思ったのに外国の方々はみんなまじめに立って待っていた。 そういうもんよね。めったに見れない珍獣だもんね。

Jeff Mungumのソロを見たのは、2012年の1月のBAMの3daysのまんなかだった。 ATPのキュレーターとして「復活」はしていたものの、まだまだ伝説扱いだったから、このときもそれなりの騒ぎにはなって、その理由がようくわかる規格外のライブだった。

幕が開いたらちょうど右側にいたJeff Mungumさんだったのでうれしかった … けど、なんといういでたち、なんというバンドだろう。
Jeffはだんだらのセーターみたいのに髭ぼうぼう(Jim O'RourkeかPaddy McAloonか)、反対側の奥にはホルンとかチューバの、それ自体が管楽器としかいいようのない太鼓腹の、サンタクロースのふたり、ドラムスはとっても胡散臭く、まんなかのJulian Kosterだけ青い毛糸帽でにこにこきょろきょろ楽しそうだが、バンド全体に漂う怪しいオーラがたまんなくおかしい。

ライブの構成は"In the Aeroplane Over the Sea"を1曲目から追うかんじで、寄りみちをしたりしながら、最後もそのおわりに寄りそう。

Jeffのソロのライブとは当然のように、ぜんぜんちがった。 あのときはサイドにJulianもいたしNMHの曲も同じようにやっていたのだが、こんどのはもろNMHとしか言いようがないものだった。
ヴォーカルはリミッターかけているのでは、と思うくらいバンドの音のエッジに沿ってとんがって伸び、そうはいっても最初のうちはほんとにがたがたで、公民館でやってる市民バンドか、みたいなかんじなのだが、だんだんに驚異、としかいいようのない魔法のカーテンかじゅうたんか、みたいのがおりてくる。 それは街頭のチャルメラの音色が撚り合わさって宇宙の調べに繋がっていくような、音響的になにかすごいことをやっているとはぜんぜん思えないのに、そんなふうに聞こえる。
あの音楽ノコのぽわわわぴにょーん、とかいう音にやられてしまうのか。

で、そういうアンサンブルの魔法のほかに、やはりJeffの声、それはそれでとてつもなく、そういう意味でのピークは終盤の"Oh Comely"あたりだったかも。
それと、最後の最後に音楽ノコと一緒に宙にふんわりと浮かんだ"Engine"と。
じゃらじゃらと鳴りつづける砂のギターの上に雨のように降ってくる、鐘のように割ってはいってくるJeffの声。 その声とギターのつくるダンゴが、バンドが吹き鳴らす音とおなじでっかさなのがすごいの。

で、最後はDee Dee Dee … でおわるの。

たまに演奏に入っていたあの女性はJuana Molinaさんだよね?

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