4.16.2011

[film] The Illusionist (2010)

3日、日曜日の午前中にLCD SoundsystemのMSGのファイナルをWebでみる。
いろいろ考えこんでしまいました。そのうちなんか書くかも。

で、その晩に六本木で見ました。 あんまし重いのはなー、とかおもって。

"Les triplettes de Belleville" (2003)のSylvain Chometの新作。
この人のアニメーションは、顔とか動きのおもしろさを楽しむかんじのやつなので、ストーリーのわくわくとか、カタルシスとか、ほんわかとか、そういうのを求めるのとは違うものなので ー。

オリジナルのスクリプトは、Jacques Tatiの遺稿で、つまり、ほんとうはタチの映画になるはずのもので、主人公の手品師のおじさんの名前はJacques Tatischeffといって、これはタチの本名でもある。

だから、タチが自身を主役に置いて撮られて撮るはずだった映画がアニメーションになった、ということが、タチだったらこれをどんなふうに撮っただろうか、ということが、常にあたまの隅にあって、あんまし落ちつかない。
そんなの気にするな、というのは、この場合には無理すぎた。

さえないどさまわりの手品師のおじさん(with うさぎ)が、アイルランドの田舎に行ったときに酒場の女の子と出会って、女の子はなんとなく後についてくる。少女が話すのはゲール語で、ふたりの間で殆ど言葉は通じない。通じないまま、通じないから追っぱらうわけにもいかず、そのままふたりはエジンバラまでやってくる。

おじさんは手品師なのであるが、最後に手品を使って奇跡だのドラマだのを起こすわけではなくて、でも、Illusionistではあるのよね、とか、そんなかんじの終り方。
それはまさにタチが映画で見せてくれるあれらと同じような - まあるいのにするするしなやかでたまにこっちを驚かせる身のこなしも含めて - なにか、ではあるのね。

でも、上から街全体を俯瞰してぐるーっとまわっていく鳥の目線とか、こまこまごちゃごちゃした絵の描きっぷりとか、たんなる好き嫌いになってしまうのかもしれないが、素敵だとおもった。

音楽は、Josef K - Orange Juice - Aztec Camera - と、ある時期、英国音楽のとある領域の裏側で、よくしなるギターを聴かせていたMalcolm Rossさん。
ふうん、てかんじ。

あと、うさぎが小さく、ちっ、とかいうとこがいいよね。

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