ほぼ一ヶ月前、9月2日、水曜日の晩にCriterion Channelで見ました。
ここで“Two by Dorothy Arzner” っていうのがかかっていて、そのうちの1本。 Dorothy Arznerは1927年から43年まで、ハリウッドのスタジオシステムのなかで活躍していた唯一の女性監督で、これは彼女のお気に入りだったという。 邦題は『我等は楽しく地獄へ行く』。その通りかもだけど、「地獄へ道連れ」とかでもいいかも。 あと、UKではタイトルに”Hell”を使えなかったので”Merrily We Go to ____”だったそうな。
シカゴのお金持ちのお嬢様ぽいJoan (Sylvia Sydney)がパーティで楽しく酔っ払っているJerry (Fredric March)と出会って、話したらなんか楽しいので付きあうようになり、Jerryはライターで劇の脚本も書いたりしているようなのだが基本は遊び人でアル中で酒ばっかり飲んでて幸せそうで、Joanの父は反対するのだが、彼女は彼のプロポーズを受け入れる。のだが婚約パーティの時にもJerryはへべれけで姿を現さなくてしょうもなくて、でもJoanはめげないの。
そのうちJerryの書いた芝居が売れたというのでふたりでNYに行って初演に立ち会うのだが、主演女優のClaire (Adrianne Allen)はJerryの元カノで、劇の成功もあってJerryは盛大に酔っ払ってClaireにくっついてて戻ってこなくなり、あまりにひどいので、Joanはそれならあたしも好きにやるからね、って突き放してしまう。
こうしてJoanも夜遊びの生活に浸って、人気役者のCharlie Baxter (まだ端役のCary Grant)と遊んだり、Jerryと間近ですれ違ったりもするのだが、互いにつーんとしたままで、そのうち妊娠していることがわかったJoanは父親のところに戻り、アル中が酷くなって劇作ができなくなってしまったJerryも自分はやっぱりJoanを愛していたんだ、って酒を断ってシカゴに戻るのだが、Joanの父親が再会することを許さなくて..
最後の方はメロドラマみたいになっていくのではらはらするのだが、”Merrily We Go to Hell”っていうタイトルからしてRom-comのスタイルできちんと作ってあって、とにかくSylvia SydneyとFredric Marchのふたりの相性が素敵によいのでずっと見ていたくなるかんじ。Fredric MarchがJoanに何度も“I think you're swell.“っていうのもなんかシャレてていいなー。この言い方って今もするのだろうか?
タイトルも夫婦で浮気合戦をするという内容も典型的なPre-Code時代のそれなのだが、でもふたりの関係の据え方とかラストとかは、やっぱり女性監督のそれかなあ、って。
Three on a Match (1932)
9月11日、金曜日の晩、これもCriterion Channelで見ました。 9月にここで始まった特集 - “Pre-Code Joan Blondell”からの1本。
軽いコメディかと思ったら怖いくらいにシリアスだったのでびっくり。 邦題は『歩道の三人女』?
同じ小学校に通っていた3人、Mary (Joan Blondell), Ruth (Bette Davis), Vivian (Ann Dvorak)が大きくなってから再会し、テーブルでひとつのマッチからタバコにみんなで火をつけて、軍の言い伝えって本当かしら? とか言っている。
不良で更生学校に入れられていたMaryはショーガールになっていて、真面目だったRuthは速記士になっていて、弁護士のRobert (Warren William)と結婚したVivianが一番裕福で幸せそうで、豪華客船のパーティで再会したMaryはVivianにギャンブラーのMichael (Lyle Talbot)を紹介したら、MichaelがVivianをたぶらかして2人は子供を捨てて駆け落ちしてしまう。 少し後ろめたさもあって遺されたVivianの子の面倒を見ていたMaryはRobertと仲がよくなって、他方でMichaelは博打の借金で首がまわらなくなって、Vivianはヤク漬けのぼろぼろに転落して、Robertを脅迫して金を作ろうとするが失敗して、とうとうVivianの子を誘拐して..
3人のうちのひとり - Vivianに過酷な運命がとぐろを巻いて襲ってくるホラーみたいなやつで、結末も暗いし、でもとっても見応えはあった。
ヤクザの若頭でHumphrey Bogartが出ていて、まだ若いけど歳とった頃よか凄みとかあってすごいの。
まだ気圧がひどいったら。ほんとしょうもない週末。
10.04.2020
[film] Merrily We Go to Hell (1932)
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