8.19.2026

[film] Arise, My Love (1940)

8月11日、火曜日の午後、シネマヴェーラのBilly Wilder特集で、”One, Two, Three” (1961)に続けて見ました。

今回のこの特集ではMitchell Leisenの監督作を(Preston Sturges特集のときの”Easy Living” (1937)や”Remember the Night” (1940)と同じように)見ることができて、これらはちゃんと追っておきたい。 これも脚本はBilly Wilder, Charles Brackett, Jacques Théry。スペイン内戦時に捕虜となって実在したパイロットHarold Edward Dahlの話をベースにしている。 邦題は『囁きの木陰』。

アメリカ人パイロットのTom(Ray Milland)がスペインの牢獄にいて、銃殺刑されるその朝になって呼ばれるとジャーナリストAugusta "Gusto" Nash (Claudette Colbert)が妻を装って泣いていて、そこで恩赦がくだってTomは釈放されて、でもやっぱりすぐに嘘がばれて追っかけられて飛行機で逃げて、どうにかパリまでたどり着く。

ジャーナリストとしての仕事でTomを助けたGustoだったが、TomはGustoに惚れちゃって、でもGustoは仕事優先で、彼女のジャーナリストとしての、Tomのパイロットとしての血と使命感が、戦時下のふたりをヨーロッパのあちこちでくっつけては引き離し、タイトルの”Arise, My Love”はフランスの森の奥で、バンビとかに囲まれながら囁く愛の誓いで、もうぜんぶやめよう! ってふたり一緒に船に乗って逃げるところでドイツの潜水艦にやられて引き離されると、結局Gustoは従軍記者に戻り、Tomはイギリス空軍に行って、パリ陥落で再会するのだが、アメリカが危ないから、って戻ることにするの。

戦時下だから許されるものでもないと思うが、朝ドラみたいに(←見たことないくせに)流れが目まぐるしく変わって、会ってははぐれてを繰り返すなかで、愛はどんなふうに可能となるのかを延々(こちらに向かって)問うて試していくドラマで、戦意昂揚の裏返しバージョンのように見えなくもないのだが、Claudette Colbertの一瞬燃えあがるけどすぐ冷める、の繰り返しがたまんない人にはたまんないのかも。 ここまで引き離されてばっかりだとそういう運命なのかもさよなら、ってならないのかしら。


Hold Back the Dawn (1941)

8月12日、水曜日の晩、シネマヴェーラのWilder特集で見ました。
これも監督はMitchell Leisenで、Ketti Fringsの同名小説(1940)をCharles BrackettとBilly Wilder他が脚色している。 邦題は『国境の南』。

やつれて小汚い身なりのGeorges Iscovescu (Charles Boyer)がハリウッドのスタジオに現れてどうしてもお金が必要なので自分にこれまでに起こったことを聞いてほしい、と語り始める。(関係ないけどスタジオにVeronica Lakeがいるのが見える)

ルーマニア生まれのごろつきのGeorgesがアメリカに入国をすべくメキシコの国境の町にやってきて、でもルーマニアの割当枠だと8年くらい待つことになると聞いて絶望して、でも他に行きようがないので、同様に入国を待つ移民たちと国境のそばのEsperanza Hotelに滞在していると、かつてダンスのパートナーだったAnita (Paulette Goddard)と再会して、彼女がアメリカ人と一瞬結婚してすぐ離婚したけど市民権は残ったよ、と聞いてこれだ、ってなる。 そこに丁度子供たちを連れて遠足にきていた教師のEmmy (Olivia de Havilland)が現れたので、ちょっと彼女の車に細工をして、彼女たちご一行をホテルに足止めして、その夜更けにアプローチすると彼女はあっという間に落ちて、ふたりは結婚するの。

引率している子供たちがいたEmmyは一旦帰国して、家族たちに結婚の報告をして、車ごときらきらになってすぐに戻ってくるのだが、背後に移民局の手が伸びてきたのでGeorgesは彼女を連れて海辺の町を旅していくうちに彼女を好きになってしまう。 それを察したAnitaはそんなの許さん、てEmmyに真実を告げると、Emmyは車で飛びだして行って、ハイウェイで事故にあって、それを国境をぶち抜いてGeorgesが追いかけて…

タイトルはGerogeが浜辺でEmmyを口説くときの殺し文句 - ”We can't change our course, any more than we can hold back the dawn”からで、どこを切っても昼メロに(←見たことないくせに)なりそうな、国境跨ぎのこてこてロマンス詐欺事案で、最後まで目を離せないのだが、こんな話をGeorgesから聞かされてハリウッドがはいよ、ってお金を出すかというと出来すぎていてちょっと、になるようなー。

Charles BoyerとOlivia de Havillandがメキシコを舞台にしたアメリカの映画に出ていて、Charles Boyerはアメリカに入国したいって悶えていて、ふたり共そんな無理せずヨーロッパにいればよいのに、って…

これらMitchell Leisenの戦時下の2本、最後はどちらも(ヨーロッパから)アメリカを目指す、で終わるのね。

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