8.03.2026

[film] Capricorn One (1977)

7月20日、祝日の月曜日の昼、TOHOシネマズシャンテの、午前10時のなんたら、で見ました。

邦題は『カプリコン・1』。 作・監督はPeter Hyams。
これまで見たことはなかったが、筋はようく知っている、という年寄りも多かったのではないか。

日本での公開は1977年末で、この頃、ぜんぜん公開してくれないけど、既に世界中で大きな話題となっていた”Star Wars” (1977)の情報を求めて、その唯一の情報源である映画雑誌(『スクリーン』と『ロードショー』があって、自分は『スクリーン』派だった)を隅から隅まで何度も読みふけっていたので、この当時の洋画情報は文字で随分入っていた。なかでもこの映画は、全米公開に先がけて、って得意気に宣伝していたのだが、ばかにすんなそれならなんでSWを公開しないんだよ? って相当頭にきていたのも憶えている。配給会社への不信はこの頃からずっと、いまだにあって、文句を言ってもどうしようもない、という今の政治に対する無力感に近いものを感じた最初期、でもあったのだが、この映画にはそんな罪はないのかも、って漸く。 あと最近だと、Marguerite Durasの『陰画の手』 (1979)でも、パリの街角を映していくなか、この映画のパネルが目に入ったり。

人類初の火星有人探査ミッションである”Capricorn One”の3人の宇宙飛行士(James Brolin, Sam Waterston, O. J. Simpson)がロケット発射直前にこっそり外に連れ出されて別施設に移送されて缶詰になって、火星着陸シーンはそこに用意されたセットで特殊撮影~放映されて、でもそうして入ってきた通信の経路がおかしいことに気付いて上に報告した管制官(Robert Walden)が友人のTVジャーナリストRobert (Elliott Gould)にそれを話した直後に姿を消して、Robert自身も姿の見えない誰かに狙われるようになる。

他方で家族を人質にされて身動きの取れない3人の宇宙飛行士たちも隙をついて飛行機で脱出して、どこかの砂漠に不時着してから、追手が来ることはわかっていたので、それぞれ別方角に逃げることにするがひとりひとりヘリコプターに追われて消されていって、政府からの対外向けでは大気圏突入時の事故で全員死亡、ということにされて、全米が悲しみに暮れる葬儀の最中に…

70年代サスペンスのひとつの典型で、世界に対する見栄張りのために政府はどんな茶番でも人殺しでも平気でやる、という権力のありようを示す格好のサンプルとして、張りぼての着陸シーンはパロディ映画で何度も反復されているのだが、こんな映画の「先行」が日本だったって、なかなか笑えないわ。

しかし、あのラストのストップモーション、これも当時は感動的だったのかもしれないが、今はパロディやられすぎてなんだか笑えてしまうやつかも。


Catchfire (1990)

7月20日の午後、↑のを見てふらふらした後、ヒューマントラストシネマ有楽町で見ました。

邦題は『ハートに火をつけて』。Jodie Fosterの新作”Vie privée” (2025)の公開にあわせての小規模限定公開(DVD上映だけど)らしい。

劇場公開時には"Alan Smithee"名義でリリースされたが、最終版のリリースにより(最初から関わっていた)Dennis Hopperの監督作となった。脚本にはD.H. Lawrenceという名前でAlex Cox(いいかげんにしろ)も関わっている。

冒頭、夜霧の奥から典型的な90年代サスペンスの音が鳴って、ネオン・アーティストのAnne (Jodie Foster)が車で帰宅途中、高速でタイヤがパンクして仕方なく歩いていたらマフィアが敵だか味方だかを射殺している現場を目撃して警察に行ったら、警察署内にその関係者がいたのでこれはやられる、と直感して逃げて、他方でマフィアは凄腕の殺し屋Milo (Dennis Hopper)を雇って彼女の殺害を命じるのだが、Anneの部屋を引っかき回しながら彼女のポラロイド写真とかを見たMiloは彼女に惚れてしまい、彼女を捕まえてからも簡単に殺せたはずなのにハートに火をつけられちゃって、なんと彼女の方もMiloを… わざとやっているとしか思えないちゃらい銃撃シーンとか80年代ぽいご都合主義の嵐が吹き荒れて、この主演ふたりの激突から想像できそうな糸をひく神経〆やゴス・ノワール沼からは程遠いお花畑展開になって、最後はほんとうに手を取り合って彼方に消えていっちゃうの。

キャストがなかなかすごくて、Dean Stockwell, Joe Pesci, John Turturro, Fred Ward, Vincent Price, カメオで出てくるのがCharlie Sheen, Catherine Keener, Toni Basil, そしてそこに立っているだけで変なオーラのBob Dylanとか…

あと、AnneのネオンアートはJenny Holzerのだって。やっぱり。

あと、↑のとの繋がりでいうと、どっちもクライマックスがヘリコプター・チェイスだった。 そういえば、ヘリコプターを使ったアクションてなくなってきているような。
 

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