8.07.2026

[film] Contes de juillet (2017)

7月22日、水曜日の晩、ユーロスペースのGuillaume Brac特集で見ました。

この夏の気候も湿気もあまりに酷いし、こんな状態で夏休みもくそもないし、これまでの生涯とかなんでこんな職業とかなんでこんなに積んであるんだとか、なにもかも呪って悪態つきまくりの状態のなか、Guillaume Bracの映画をちょこちょこ見たりしているとなんか落ち着く。彼の小噺映画で小爆発を繰り返す居心地の悪さと響きあう何かがあるのだろうか?(ロメールだとこうはいかない)

邦題は『7月の物語』 - 英語題だと”July Tales”、「日曜日の友だち」と「ハンネと革命記念日」の二部構成。

タイトルの“Contes” – Talesというと、Eric Rohmerの四季の物語に代表されるあれらが浮かんで、もちろん大好物なのだが、あれよりも少しだけとっつきやすいジャンクフードぽい風味がある。 Rohmerの方はちゃんとしたお茶菓子というか。

L'Amie du Dimanche - 「日曜日の友だち」

会社でちょっとしょんぼりしていたLucie (Lucie Grunstein)を同僚のMiléna (Miléna Csergo)が誘って、日曜日にふたりでウォータースポーツのできる大きなレジャーセンターに行くのだが、Milénaは声をかけてきた男性に惹かれたのか、そっちばかり向くようになったので、もういい、ってLucieはひとりで過ごしていたらフェンシングの素振り(?)をしている男性と出会って、Milénaの方は男の彼女が挟まってきて修羅場になって、帰りにふたりはまた一緒になる。

こんなこともあったね/あるよね、の典型的な、いきなり大雨に降られました、のようなだれにもどうすることのできない夏の一日。

Hanne et la fête nationale - 「ハンネと革命記念日」

7月14日、革命記念日のパリ。国際大学都市の寮に暮らす女子留学生のHanne (Hanne Mathisen Haga)は、朝、友人のAndrea (Andrea Romano)が自分の横でマスターベーションしているところに遭遇し(さいてー)ふざけんな!ってキレて、記念日のパレードに行ったところでRoman (Roman Jean-Elie)に声をかけられて、夜になって寮にHanneを迎えにきた彼にAndreaがひどいことをして – Andreaほんとろくでもない - 救急の人を呼んだりして、結局パレードに行けなくなった連中みんなで宴会になって、でも楽しく進んでいったその宴も…   で、朝になってHannaはすたすた寮を出ていくの。

パリ滞在の最後の日、革命記念日のパレードもあるし、記念に残るものになる/するはずだったのに、これもどうすることもできない – とも言い切れない微妙な力がどこかで働いてあーあ、になってしまう。

きっとみんなそれぞれパーフェクトな7月のイメージはあるのだと思うのだが、なんでこうなってしまうのか。でも反省はしないの。


L'Île au trésor (2018)

↑と同じ7月22日に見ました。 邦題は『宝島』。

ドキュメンタリーで↑の「日曜日の友だち」の舞台となったパリ近郊のセルジー゠ポントワーズにあるレジャーアイランドにやってくる人々、管理したり対応したりする窓口の人々の姿を追う。最初が未成年なのに自分たちでどうにか中に入りこみたいガキ共と係員との攻防で、こういうのも含めて、いろんな世代、いろんな民族間で毎日繰り広げられているであろう光景を次々と映しだしつつ、終わりのほうでシーズンがしょんぼり終わっていくさまも映されて、これが毎日だけでなく一年のこの時期に延々繰り広げられ、積み重ねられてきたんだろうなー、って思って、そこから改めて「日曜日の友だち」を振り返ってみる。彼女たちの間で起こったような小さな諍いが幾重にも多重に折り重なっていく現場の厚み – そこにあるそんな宝の島のこと。

懲りない人たち、というのも少し思ったのだが、ヴァケーション、ヴァカンスっていうのがそもそもそういう志向をもったろくでもないものなのよね。たぶん。


À l'abordage (2020)

7月29日、水曜日の晩に見ました。 邦題は『みんなのヴァカンス』、英語題は”All Hands on Deck”。
始まってから前に見たことあったのに気づいたが、おもしろいからいいんだ。

セーヌ川のほとりの公園で、Félix (Eric Nantchouang)はAlma (Asma Messaoudene)と出会って楽しく朝まで過ごして、Almaがヴァカンスで両親と一緒に南フランスの田舎町ディーに行くというので、そこを訪れてサプライズで驚かしてやろう、って相棒のChérif (Salif Cissé)を誘って、出発の日に相乗りアプリで車を出してきたÉdouard (Édouard Sulpice)にぶつぶつ言われつつ現地に着いたら、彼の(母親の)車が壊れて、故障が直るまでの1週間、Chérifのテントで一緒に暮らすことに。気楽でいいな。

でもAlmaに会いに行ったFélixは露骨に嫌がられて散々になるし、Chérifは赤ん坊を連れたHéléna (Ana Blagojevic)と知り合って子守りその他を任されているうちに…

それぞれのキャラクター(アグレッシブ、まったり、ぼんくら、等)をベースに、彼らがヴァカンスに行ったときに起こりそうなことが、いかにも出会いそうな人たちとの出会いや喧嘩や泣き言も含めて、ヴァカンスの陽のもとに晒されて、そこには感動も奇跡もまったくない、むしろ折角のヴァカンスなのに… なストーリーが無軌道に際限なく転がっていって、それらのブレンド具合があまりに絶妙なので、これこそが求めていたヴァカンス映画だ! …のわけないよね、って改めて看板を見てしまうことになるの。

とにかく、人生の役に立ちそうな、養分になりそうな感動的なあれとか、微塵もないのがよいんだってば!(100回でも言う)
 

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