12.11.2024

[music] Helmet

12月10日、火曜日の晩、CamdenのElectric Ballroomで見ました。

この時期はクリスマスパーティとか忘年会が面倒なのであるが、こっちの呑み会のよいところは、みんな立って適当にわーわーやっている(or 食べたいひとは隅で適当に食べている)だけなので抜けようと思えばいくらでも抜けられることなの。

というわけで、20時半くらい - 前座が終わる頃に会場につく。こんどは転ばないように注意しつつ。
会場はやはり年寄りだらけか、年寄りに付きあわされてやや迷惑そうな若者とか。リリース当時、生まれてもいない連中がこんなのに来たって楽しいはずがあろうか。

Helmetの3rd. “Betty” (1994)の30th Anniversary Live。2019年にはバンド結成30周年のライブ(30x30x30)をIshlingtonで見ているが、それ以来。
“Betty”はリリース時のライブをNYのRoseland Ballroomで見ていて – Sick of It Allが前座だったので2周目だったのか – この後にバンドからJohn Stanierが抜けてやがてBattlesを作って .. 前作”Meantime” (1992)の成功の後、前のめりの鋭角線を刻んでいた音が面とかブロックとかマス(塊り)とかを形作るようになる少し手前、完成度云々よりもこれらの外延を探っていく手ごたえのようなものがダイレクトに感じられる。 彼らの技量をもってすれば“Meantime”の線で、House of Painと一緒にやった"Just Another Victim"だってあったのだし、あのまま大メジャーに行くこともじゅうぶんできたはずなのに、行かなかった… – これも自分にとってはとても1994年的な。

最初のセットは1曲目の"Wilma's Rainbow"からほぼ喋りも入れずに通しで。
会場の音がよいのか、バンドとしてよい状態になってきたのか(メンバーは変わらず)、30x30x30の時よりも断然よい鳴りで気持ちよいったらない。
あとはぶっとばしていないところに滑りこませてくるJazzみたいなフレーズとか遊びとか。音を消してPage Hamiltonがギターを弾く姿だけ見たらジャズの人みたいに滑らかにしなやかに見えるのではないか。

ひと通りやった後に15分休憩を入れてその後に”Betty”以外から8曲。こうやって並べられると”Betty”がいかに特異な - 美しい、と言ってよい? - 世界を作っているか、よくわかるのだった。

終わりのほうで、トランプの再選について、真剣に怒ってぼろかす言っていた(なんでよりによってあんなくそったれをふたたび? など) いいぞーもっとやれー。 その流れで、イギリスはいいよな、って。さらにバーミンガムっていう街があるだろ、そこはすばらしいバンドを生んだとこでもあってな、ってBlack Sabbathの“Symptom of the Universe”を。カバーだとぜったいかっこよくなってしまうSabbath。

アンコールは(本編でやらないのならぜんぶアンコールまわし、が露骨すぎる)”Give It” - “Unsung” - “Just Another Victim” - “In the Meantime”で、30x30x30の時にも思ったけど、これらは懐かしいとかそういうのじゃないよなー。


Cursive

11月13日、水曜日の晩、Camden Assemblyで見たのを書くの忘れていた。

会場に行く手前の車道でなかなか派手に転んで、ジーンズの膝のところが切れて、ライブ中にそこらじゅう痛いし出血してべたべたなのをううきもちわる、とか思いつつ見たのであまり集中できなかったのだが、それはもちろんバンドのせいじゃないから。

ここでは2 daysやって、初日は新譜 - ”Devourer”の全曲披露+αで、この日が通常のセットで。 それにしても会場が小さすぎて、Feverよりも、O-Nest(ってまだあるの?)よりも小さい。バンドに失礼ではないか、というくらい。なのでもともとガタイのでっかいベースとギターで両脇ぱんぱん抜け道なし、ドラムス、キーボード(&管)、チェロにTimが入るとステージがステージと呼べないくらいのモッシュになっていた。

2曲目で”The Ugly Organ” (2003)から”Butcher the Song”をやって、あのイントロだけでみんなざわざわして - 後からTimにその様子をからかわれていた – とにかく、00年代前半の音楽はNYのポストパンクと、オマハのSaddle Creekでまわっていたのだし、Tim Kasherが稀代のメロディメイカーであることはみんな知っているので、何がでてきても、わおーってなって楽しい。でもやっぱり”The Ugly Organ”からの曲が抜きんでている気がしたのと、これは昔からだけどTimが元気に声を張りあげているのを見るだけでなんかよいの。

どうでもいいけど、”The Ugly Organ”の頃のメンバーでチェロをやっていたGretta Cohnさんて、今はMalcolm Gladwellが作ったPodcastの会社のCEOなのね。

最後は、これも名曲の"Dorothy at Forty"で、でもこれももう20年前.. とか思うといろんな傷が疼くのだった。
そしてもういっこ疼いていた膝のかさぶたは3日前にとれた。

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