12.20.2024

[music] Gig for Gaza

12月13日、金曜日の晩、O2 Academy Brixtonで見ました。

Paul WellerがガザのためにFundraisingのライブをやる - チケットもグッズも売り上げはすべてMAP (Medical Aid For Palestinians) and Gaza Foreverに寄付 - と聞いて、デモなどにぜんぜん行けていなかったごめんなさいもあって、発売日にチケットを取った。フロアのスタンディングは体力的にきついので2階の椅子がある方で – どこまでも後ろ向きでしょうもないのだが。

主催者側からは18:45から始まるよ、という通知があったので、早めに行ったのだが、入口のセキュリティ・チェックがものすごくて(まあそうよね)、入れたのは18:50くらい。すでに最初のLiam Baileyは始まっていた。 会場全体の雰囲気はすごくポジティブで暖かくて、彼の歌に気持ちよく揺れている。

アクトの合間にパレスチナの惨状を見てきた医師や学者のひとがスピーチしたり現地の動画やグッズを買って支援しよう、等が流れて、その始まりや終わりには度々デモのシュプレヒコールが起こる。今回出てくる個々のパフォーマーのファンというより、はっきりと今のGazaをなんとかしたい、と強く思ういろんな人たちが集まってきているような。

最初のメジャーなアクトであるKneecapが出てきて、これがよい意味で大物感とかゼロで、はじめはPAをセットしているあんちゃんかと思ったらそのまま毛糸帽を下げてDJをはじめて、そこに客席からそのまま来たのではないか、というくらい素の若者ふたりが混じって落ち着きなくおらおらがなり始める。ヒップホップのライブは久しぶりだなあ、と思って前に見たのはいつくらいかしら? と思うと、たぶんBeastie Boys... ?

俺らもベルファストっていうちょっと荒れたところから来たんだけど… っていう言葉がなんか切なくて、それとは別にとげとげ跳ねまわってどこにも収まらない - 捕まってたまるかの音が気持ちよい。 最後が映画の終わりの方で流れていた”H.O.O.D”で、これは見事にかっこよかった。 映画の”Kneecap”もぜったいおもしろいので、日本でも公開されますようにー

会場に来て最大の驚きはトリが発起人のPaul WellerではなくてPrimal Screamだった、ことかも。なんか、なにに遠慮しているの? とか。

彼のライブを最後に見たのはNYでの"Wild Wood" (1993)の時のツアーだったので、もう30年前かあー。こないだの映画”Blitz” (2024)で久々に彼を見て、なんだかよりかっこよくなった気がしたのだが、その感触をそのままそのとおりーってハン押ししてくれるような見事に締まったよい音だった。

ギターの坊や(って歳でもないはずよね、もう)は変わらずSteve Cradockで、曲によってドラムスが2人、鍵盤とサックスと。Curtis Mayfieldがやっていたような70年代のコンボ・セッションバンドのようで、彼がずっとそういうのに憧れてきたのは知っているが、ようやく中味がついてきた(なんて失礼な)というか。

“Shout to the Top”をやって、かつてのまだ見えない高みに向かってわめく、というよりそこまでの段差も見据えて訴えているし、数曲おいての“My Ever Changing Moods”も、ふわふわきょろきょろしていたあの頃の自分をどつきつつ、安着のようなところだけは回避しようとしている - あの頃になんでこんな曲をだして、今もどうしてこの曲をやるのかをぜんぶ歌いながら説明してしまう。これがPaul Wellerなんだよ。

あと、”Blitz”で、日だまりのなか、猫と一緒にピアノを弾いていたあのおじいちゃんが.. っていうのもなんかたまんなくて。

Primal Screamをバンドとして見るのはたぶん初めてで、でもBobby Gillespieだけは結構いろんなライブのゲストで歌ってたり客席にいたり、なので初めてのかんじがしない。女性ヴォーカルが2人、ベースはもうマニではないのか。眩しい純白のスーツで出てきてそれを脱いでも小綺麗でひょこひょこカッコつけてて、これならトリもしょうがないか、って。

2曲目で”Jailbird”をやって、”Loaded”をやって、”Movin' on Up”をやって、これらってもうクラシックの部類に入ると思うのだが、所謂70’sのクラシックとはぜんぜん違う枠だよねえ、とか(だからどう、ということではなく)。 最後の”Rocks”ではPaul Wellerがギターを抱えて入ってくるのだがぜんぜん楽しそうに上げて盛りたてるお祭りジャムにはならない/しないところもまた…

うん、今宵はお祭りで盛りあがって楽しんじゃえ、のノリにしなかったのはとても正しいような気がした。 Ceasefire Now! しかないからー。

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