12月17日、火曜日の晩、Barbican Theatreで見ました。
今年の初めにStratford-upon-AvonのRoyal Shakespeare theatreで上演されて評判のよかったEleanor Rhode演出によるシェイクスピアの『真夏の夜の夢』がロンドンにやってきた。
このお芝居、ロンドンでは四六時中いろんなところでいろんなバージョンのをやっているイメージがあって、どれから見たらよいのやら、でもあったのだが、最近見れるのから見ていけ、に自分のなかで方針を変えたのと、冬至も近いのでとにかく見ておこうか、と。
最初から幕は開いた状態で暗い夜?の中に蝋燭が一本、左右の木の上みたいなところに7人くらいのバンドが分かれて入っていて、上演が始まる少し前からパーカッションとかシンセが静かに鳴り始める。
舞台は現代で、貴族 - 職人 - 妖精だった気がした登場人物は、The Court – The Mechanicals – The Forestに分かれていて、The Courtでスーツを着込んだいかにも富裕層な人々が結婚の話をしている。
Hermia (Dawn Sievewright) は親の決めた結婚相手Demetrius (Nicholas Armfield) ではなく自分の好きな相手Lysander (Ryan Hutton)と駆け落ちしたくてその計画を親友Helena (Boadicea Ricketts)に話したら彼女はDemetriusが好きだったので乗ってきて、なんだかんだ4人で森の中に逃げ込むの。
森では言い争いをしている妖精たちが目覚めた時に目にした相手を一瞬で好きにさせてしまう魔薬を召使のPuck(Katherine Pearce)に探させて、その薬のかけたかけないで属性区分をぐしゃぐしゃにした恋模様が炸裂してしまうことになり、けっか妖精の女王Titania (Sirine Saba) がロバの耳の生えたBottom (Mathew Bayton)を好きになってしまったりするのだが真夏の夜だし誰にも止めることなんてできやしない。
ひと通りぐしゃぐしゃになったところで妖精の王Oberon(Andrew Richardson) がしょうがないか、って魔法を解いて全員正気に戻ってああすべては夢だったのね、になるのだが醒めても夢が露わにしてしまったなにかもあったりして、でもそれはそれでよいか、になる真夏の夜のー。
人を好きになってしまうこと → 夢を見ること → 夢から醒めること → やっぱり人を好きになること → 結婚、人だろうがロバだろうが妖精だろうが、これらの懲りない循環のどこに焦点を置くのかで芝居のトーンは変わってくると思うのだが、この芝居では大量の風船のような提灯がぶわぶわ降ったり浮いたり、すべての通路がここに繋がっているような夢のなかが圧巻、というかすべてで、そこに没入して芝居の世界に浸れるかどうか。
で、この芝居については、登場人物がいっぱいで誰が誰やら - あまり妖精や魔物たちがそれらしい風体をしていないのはよいかんじ - になりそうになりつつも、夢のどこかで絶えず(変な)人々が行ったり来たり騒いでいるのを見るのが楽しくて、これなら英語わかんなくても、子供でも楽しめるかも。みんなが夢から醒めたあとで上演される芝居の強烈にタガが外れて狂ってしまった世界、いま思い出してもおかしい。
あと、当たり前だけど俳優がみんな魅力的で巧いよねえ- 特にPuckとBottom。我々をああいう劇の – 夢の向こうの世界に引っ張りこむのって、最後はやはり演技の力だと思うのだが、全員がすばらしいと思った。
外に出たらとても寒くて、夢が醒めるのもあっという間だったが、それはそれでー。
クリスマスの日はバスも電車も止まって殆どのお店が閉じてしまうので、30分くらい歩いてSt. Paulの聖堂に行ってお祈りしてきた。 帰りにサザークの聖堂(猫がいるの)にも寄ってみたのだが閉まっていた。
明日から1泊でウィーンに行ってきま。
12.25.2024
[theatre] A Midsummer Night’s Dream
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