12月14日、土曜日の午後、BFI Southbankで見ました。
今年もクリスマス映画の季節がやってきて、シアターが複数ある映画館は、必ずどこかでクリスマス映画のクラシック - 古いのから新しいのまで - を上映してくれるの。
“It's a Wonderful Life” (1946)なんて絶対絶対どこかでかかるし、TVでもやるし、それで実際に人々はシアターに家族や友人と一緒に見にいく - 自分もまたしてもなんとなく取ってしまった – のってすごい。
今年のBFIは“It's a Wonderful Life” (1946)とか↓のとか、”Meet Me in St. Louis” (1944)とか、”Carol” (2015)とか、いろいろで、たまにこれまで見たことがなかったのもあったりして、これもそんな一本。 邦題は『気まぐれ天使』だって。
監督はHenry Koster、原作はRobert Nathanの同名小説(1928)、脚本にはuncreditedでBilly WilderとCharles Brackettの名前がある。撮影はGregg Toland。 96年に“The Preacher's Wife”としてDenzel WashingtonとWhitney Houstonの主演でリメイクされている(未見... いやTVで見ていたかも)。
司教のHenry (David Niven)は地元の教会の大聖堂建築のための資金集めにひとりでいらいらきりきり苦労していて、妻のJulia (Loretta Young)と娘のDebby (Karolyn Grimes)とでっかい犬はやや放っておかれてかわいそうで、そんな彼らの前にDudley (Cary Grant)という男が現れて、Henryに向かって自分は天使である、という。
そんなの信じるか、って疑って相手にしようとしないHenryの脇で、Dudleyは簡単にJuliaやDebbyの心を掴んで魅了して、大学教授とかスポンサーになる裕福な婦人とかを虜にして寄付金を出させて…
David Nivenの度量があるんだかないんだか微妙な - 結果としてそこらにいるただの善人になってしまう巧さと、なんといってもCary Grantのとてつもなく怪しい、けどチャーミングで、どう取ればよいのかわからない謎の笑顔が宙を回りだして止まらなくなる天使 – 悪魔ではないし怪人でもないし、やっぱり天使としか言いようがない彼の存在が際立っていて、このお話しがクリスマスに起こることについて、なんの疑いもなくなってしまう、それ自体が魔法のような。
Gregg Tolandの、なにをどうやったらあんな絵が撮れるのか、ちょっとした「魔法」ぽいシーンもあるのだが特撮でもなんでもないように落ち着いて見える、リアル魔法使いは彼なのではないか。
終わると拍手が起こるのもクリスマス映画で、明るくなると隣のひとと目を合わせて「すばらしかったねー」って言い合ったりする。だからクリスマス映画特集って必要なんだと思った。
The Shop Around the Corner (1940)
12月14日の夕方、↑のあとに見ました。
これはもう何十回も見ているErnst Lubitschの問答無用のクラシックRom-com、と言われているしそうだと思うし。ブダペストの街角にある革製品屋でクリスマスに向かってちょっとした騒動が持ちあがり、クリスマスの日に冗談のように解消してしまう、それだけのあっという間の。
文通だけで盛りあがって互いの外面も名前も知らない、けど実は同じ職場にいるKlara Novak (Margaret Sullavan) とAlfred Kralik (James Stewart)の恋の行方と、彼らが勤めるお店のパワハラ店主Hugo Matuschek (Frank Morgan)の妻が浮気していた、というお話。途中でAlfredは文通の相手が同僚のKlaraであることを知ってしまうし、Hugoは妻の浮気の相手を知ってしまうし、情報を握ってしまった男性が話を優位に進めていってしまうとこがちょっと気に食わないのだが、これはサンタクロースが男性であることと一緒なのであろうか、とか。
これも終わると拍手が。デートで見たとしたら、あのふたりはあの後どうなったのか、そのまま延々話しこんでしまいたくなるやつ。
12.21.2024
[film] The Bishop's Wife (1947)
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