12月14日、土曜日の昼、Milton KeysにあるMK Galleryで見ました。
Milton KeynesはロンドンのEuston駅から電車で1時間くらい北に行ったとこにある郊外の町で、ロンドンには通勤圏だと思う。電車を降りてそこからバスで20分くらいか。
Vanessa Belle (1879-1961)はVirginia Woolfの姉で、画家で、やはり画家であるDuncan Grantのパートナーで、Bloomsbury Group - 文芸サークルの真ん中に溜まり場としてあったCharlestonの農家をリフォームしたお家は何回か行った。アートと生活、そのありようを見るのにあの家の間取りとか調度とか光の入り方、あと庭のレイアウトとか、も含めて自分にとっての理想形だったりする。冬はとても寒そうだけど。
彼女の個展は2017年にDulwich Picture Galleyでやった時のが自分にとっての出会いで、ものすごくよくてびっくりして、そこからBloomsbury Groupに関する本を探したりCharleston に行ってみたりするようになった。始めてみると研究書からフォトアルバム - 最近、”The Bloomsbury Photographs”という決定版のようなのがでた - から料理本から、結構いろいろ出ていることを知るし、小規模の展示も結構あちこちであったり。
Dulwichでの個展は絵画のみだったが、今回のは絵画の他に家具(でっかいリス2匹が踊っているテーブル!)とか屏風とか陶器とか装丁本まで、生活全般をデザインしようとした - その野心で丸めこむというより絶妙なバランスを持ちこんで調和をもたらしてしまうセンスのよさに改めてびっくりする。誰もが思い浮かべるであろうマティスなんかよりもずっと足のついた(光に頼ったりしない)一貫した色使いや輪郭の柔らかな丸み、トーンがあると思うし、ずっと見ていて飽きないし。今回の展示では、最晩年の、死を意識し始めたであろう頃の作品の宗教的とも言える落ち着きが印象深かった。
彼女が表紙のデザイン(木版画)を手がけてVirginia Woolfと夫のLeonard Woolfがやっていた出版社Hogarth Pressから出されたVirginia Woolfの本たち、状態のよい初版だと軽く£2000〜3000する(そうでないやつで£400〜800くらい。自分の持っているのもこの辺)のであるが、いつの日かきっと。車とか買うよりはぜんぜん安いから。
Dora Carrington - Beyond Bloomsbury
12月22日、日曜日の昼、ChichesterにあるPallant House Galleryで見ました。ChichesterはロンドンのVictoria駅から南西に下って2時間くらいのところにあって、なーんでまたこんなところで? なのだが往復4時間ならパリよりは近いし、しょうがないな、になる(東京からポーラ美術館に行って1時間いて帰ってくるかんじ?)。朝8:32発のが始発で。
Dora Carrington (1893-1933)のことは、割と最近に彼女の弟のNoel Carringtonの書いた”Carrington”ていう古本を手にしたり、へーと思っていると評伝本が(古本屋に)落ちていたりして、いろいろ重なったりがある - この展示もそうかも。
長く一緒にいたLytton Stracheyも含めて彼女の家族もまた文芸の人々で、Emma ThompsonがDoraを演じた映画”Carrington” (1995)も見ていないのだが、彼女の落書きのような - なんでもそこらじゅうに描いていってしまうスケッチはなかなか味があっておもしろいの。
展示は若い頃に書いた大きめの油彩もあったり、割と有名なLytton Stracheyの横顔、E.M.Forsterの肖像画などもあるのだが、やはり面白いのは - 悪いけど - 日常を描いた落書きみたいなスケッチの方 - 猫にひどい格好をさせられているLytton Stracheyとか。それをもって”Beyond Bloomsbury”とはあんま言えない気がするのだが、それでもいいじゃん、になってしまうのだった。
帰り際にお土産でも、と、このGalleryのShopに寄ってみたら本のコーナーが、古書も含めて異様に充実していることに気付く。 師走に散財するわけにはいかないし、戻る電車の時刻が近づいていたので身をひっぺがして戻ったのだがあのままいたら危なかった..
12.28.2024
[art] Vanessa Belle - A World of Form and Colour
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