10.13.2024

[film] My Old Ass (2024)

10月5日、土曜日の昼、Curzon Aldgate で見ました。
作・監督は女優でもあるカナダのMegan Park。

カナダの田舎で家族と暮らして18歳の誕生日を迎えるElliott (Maisy Stella)がいて、コーヒーショップの女の子とよい仲になったり、トロントの大学に進学するので最後の夏を仲良し3人組で過ごすべくボートで離れたところに行って - 家族はおうちでバースデイケーキと待ってるのに - 焚火を焚いてひとりが持ってきた怪しげなキノコみたいなのを煎じて飲んでみると、みんな一様に変になり、げらげら笑っているとElliottの隣に中年の女性 (Aubrey Plaza)が座っていて、聞くと39歳の自分だと言う。

そんなバカな話あるかよ、って会話していくと自分しか知らないはずの自分の身体の細かいこととか知っているし、そんな変でやくざな大人にもなっていないみたいなので話をしていくと「Chadには気をつけろ」と言い残してAubrey Plazaはどこかに消えてしまう。

しばらくすると突然本当にChad(Percy Hynes White)という青年が現れてクランベリー農家をしているElliotの家の手伝いを始めて、最初は警戒していたものの、寄れば寄るほど素敵な奴でしかなくて、でも自分はゲイだし違うんだけど、と思いつつもどうしようもなく好きになっていったり、それとは別に親が農地を売ろうとしている計画を知って、なんで何も言わずに勝手に決めるのか? って荒れたり、そんないろいろ区切りの季節に。

39歳の彼女 - My Old Assがスマホに連絡先を残しておいてくれたので試しにチャットしてみたら返してくれたので、なにかある度にそれで相談してみたりするものの埒があかなくなってきて、手に負えないのでもういい加減にでてこい! ってなる。

大人になっていくどこかの過程や岐路で相談したくなる誰かが必要になり、それが親とか他人ではなく39歳の自分というのはわかるし、中高年になった自分から愚かな選択をした/しそうなガキの自分にやめとけ、とか言いたくなるのもよくわかるので、過去を変えたら未来も変わるとか面倒なとこをすっとばしておけばcoming-of-ageものの設定としてはよいと思った。結局はキノコのせいかもだけど。

でも最後に明かされるその謎というか秘密があまりに普通のあれで、こんがらがった何かでもないし伏線回収とかどうでもよいこと以前にこんなんでよいの? にはなったかも。で、明確に示されるわけではないが結局は今のままでよし、に落ちたってこと.. でよいの?

野山でデートするElliotとChadのふたりも素敵なのだが、ふたりのElliottのやりとりがとても自然でよい感じでおもしろいのでずっとかけ合い漫才みたいにやっていてもよかったのに。

あと古くさいかもだけど「大人になる」っていうこと、とか「大人」のありようについて - 便利帳みたいにドラえもんみたいに使うだけじゃなくて - もう少し考察みたいのがあってもよかったのではないか。Elliotの世代はそもそもそういう連中、なので難しいのかもだけど。

Aubrey Plazaがふだんのぶっきらぼう風情はそのままにあんなナチュラルに(≒毒のない)年長ぽい「女性」を演じているのが新鮮で、それを正面から平熱で受けとめてしらっとしているMaisy Stellaもよいの。

仮に自分が39歳だったとして、そいつが18歳だった自分に会えたとしたらなにを言っただろうか? とか考えたり。①まず、ノストラダムスのあれは来ないし日本も沈没しないから期待せずにちゃんと勉強しとけ  ②特に英語はまじめにやっとけ かなあ。 他方で18歳のあのやろうの方はぜったいいうこと聞かなかったし話そうともしなかっただろうなー (嘆)

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