10.11.2024

[music] Fairground Attraction

10月5日、土曜日の晩、”A Face in the Crowd”を見た後、歩いていってRoyal Festival Hallで見ました。

6月の日本公演はクアトロなどだったようだが、こっちではRoyal Festival Hall(NHKホールかな)で、上の方まで結構埋まっている。客席は当然シニアばっかしで、静かなカップルか同窓会か、のような人たち。お酒を手にしているけどお行儀よい。

前座は、Scott Matthews。ギター1本と歌でNick Drake直系 ~Rufus辺りにも通じる深くしっとりくる歌を聴かせる。秋のかんじ。
 
最後に彼らを見たのは1989年の初来日のクアトロで、当時の待望だったこともありものすごくよくて楽しくて、みんなでゆっさゆさ揺れてスイングしながら聴いて踊りながら帰って、こんなに素敵に楽しんでしまってよいのか?って首を傾げたりしつつ、とにかくよかったの。これの翌年にThe Sundaysがやはりクアトロに来て、すっかりつまんなくなっていた(個人の体感差あります)当時の英国シーンにこれからはもうこういうのだけでよいかも、とかしみじみしていたらグランジのどぶ波がー(以下略)という記憶。

最初の”The First of a Million Kisses” (1988)のジャケットはElliott Erwittによるキスの写真で、これは
Tracey Thornのソロ7inch - “Plain Sailing” (1982)のジャケットのキス - これはRobert Doisneauだった - に続く素敵なやつで - そうやって写真の方に広がっていくのもあったり。
 
でもこの後はというと、EddiがLiberty Horsesと一緒にRough Tradeから7inch出した頃とか、Mark E. NevinがMorrisseyと「おじさん殺せ」をやっていた頃までは追っていたんだけどなー。Eddiは高い声がちょっと不安定になるところもあったが豊かに広がるようだったし、Markは変わらず鳴りを意識させないようなうまさがあるし。

ステージ上のバンドは6人(も)いて、1曲めはみんなあれ本物だわよ、歌ってるわよ、みたいにざわざわしてて(なんかわかる)、2曲めで“A Smile in a Whisper”が静かに寄せてくるとようやくわーってなる。“Words are unable to speak of love ~ Like a smile in a whisper does”、これと”Perfect”の” It's got to be perfect ~”を頭のなかで鳴らしながら、岡崎京子的に夜の街を突っ走る、という80年代末の風景が走馬燈でまわりだしてくらくらする。

彼らもそういうのは承知しているのだろう、35年ぶりのー、とか35年前にはロンドンのあの辺でさー というのをEddi Readerは何度も繰り返し語ってこちらの何かを煽ったり火をつけたりするのだったが、とにかくあの時あんなふうにいたけど、いまもここにこうしてあるんだよ! というのをJudy Garlandの”Get Happy”のようなスタンダードを突っ込んだりしつつ撒き散らし、柔らかいヴィブラフォンの音に包まれたブランコのような回転木馬のようなぐるぐる繰り返される戯れ - FairgroundのAttraction! - のなかで彼女の愛はずっと誘うように歌われてきて今もほらね、って。35年前に遊んだ遊園地で、同じメリーゴーランドががたがたになってるのに迎えてくれたらじーんとするでしょ。彼らの曲って、元々そういう奴らだったんだ、って改めて気づいたり。

そういうのに気づいてきた真ん中くらいの”Find My Love”は、最初のうちみんな独り言を呟くように歌っていたのが最後は大合唱の大波になったり、アンコールの最初の”Allelujah”で、”Alleluiah, Here I am!”と大きく両手を広げてくれたりすると、もうそれだけで… 最近そんなのばかりで、ほんといやだわ。

久々に”Perfect”のPVを見返したらIslington TunnelとかがあるCanalで撮ってるのなー。当時はどこの田舎だとか思っていたが割とすぐそこなのだった。


LFF、当日のチケットが取れなくてしんでる。現地まで行って並べば入れるであろうことはわかっているのだがそこまでの元気もでない。やだやだ。

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