7月16日、木曜日の晩、シネマヴェーラのAnthony Mann特集で見ました。
邦題は『秘密指令』。めちゃくちゃおもしろいフランス革命ノワール。Walter Wangerのプロダクションで、撮影はJohn Alton。
冒頭のタイトルでは”The Black Book”と出て、エンディングのタイトルで”The End of “Reign of Terror””って出るの。
フランス革命直後の混乱期、独裁 - 恐怖政治の準備を進めるMaximilien Robespierre (Richard Basehart)はDantonとか政敵を片っ端からギロチンに送りまくっていて、これに対抗する反乱軍の愛国者Charles D'Aubigny (Robert Cummings)のグループは地下に潜って暗闘を繰り広げている。
CharlesはRobespierreがパリに召喚したストラスブールの検察官デュヴァルをホテルで殺害して彼になりすましてRobespierreに近づくと、彼はこれから処刑する予定の市民の名前が記された”Black Book”が盗まれた、全権を与えるので探しだしてほしい、とCharlesに依頼する。”Black Book”の存在が市民に知れてしまうと独裁者として君臨することは難しくなるし、逆に反乱軍はこの本を手に入れて国民公会までにその内容を暴くことができれば、Robespierreによる恐怖政治 - “Reign of Terror”を止めることができる。
こうしてCharlesはかつての恋人Madelon (Arlene Dahl)の助けを借りながら魔法のBlack Bookを探そうとパン屋の奥とか地下を這いずりまわり、そこに絡んでくる爬虫類の策士Fouché (Arnold Moss)、捕らえられてしまう同志François Barras (Richard Hart)、いつでもどこでも、誰ひとり信じることができないなか、迫ってくる期限と包囲網のはらはらが最後のギロチン台に向かっていって…
フランス革命ものとか、ノワールとかジャンルなんてどうでもいい、とにかく革命の同志になって手に汗握るってこれよね、になるからー。
The Far Country (1954)
7月18日、土曜日の午後、シネマヴェーラで見ました。
邦題は『遠い国』、アラスカを舞台にしたテクニカラーの西部劇。アラスカで撮っているわけではないと(ぜんぜん寒そうじゃないし)。
19世紀の終わりのアメリカ、Jeff Webster (James Stewart)と相棒のBen (Walter Brennan)はゴールドラッシュの噂を聞いて牛たちを連れ、面倒な連中を吹っきったりしながら旅をしている途中、絞首刑の執行を邪魔したので地元の傲慢な自称判事Gannon (John McIntire)に目を付けられて、家畜を没収されたり脅されたり、GannonのパートナーのRonda (Ruth Roman)とか勝気な少女Renee (Corinne Calvet)に助けられたりしながら、どこに行っても騙されたり盗られたりの無頼の土地を渡っていくの。
困難を乗り越えていくなか、避けられない暴力の応酬から堪忍袋が膨れていくよくありそうな辺境開拓民たちのお話しなのだが、これは今の世であればJeffとBenのブロマンスとして仕上げられたのだろうな、というくらい彼らふたりの繋がりの濃さと切なさが際立って、最後の方、夜闇の中、遠くから響いてくる鈴の音がたまんない効果をもたらすの。
Thunder Bay (1953)
7月21日、火曜日の晩、シネマヴェーラで見ました。
邦題は『雷鳴の湾』。これもテクニカラーで、↑と同じような海底油田採掘をフィールドにした変則アドヴェンチャー西部劇 - 流れ者、よそ者がその土地起源の何かに手を出そうとして現地の者の抵抗にあったり対立したりしてざわざわしてどうにかなる/する、というドラマ。 そしてこれもJames Stewartが主演。
終戦後、海軍あがりの技術者(には見えない)Steve Martin (James Stewart)とJohnny Gambi (Dan Duryea)がエビの獲れるルイジアナの湾沿いに現れて、絶対油田が出るから、って近くの海の試掘をすべく地元漁師にとりあって石油会社のMac (Jay C. Flippen)からの合意も取り付けて、やり始めるのだが、人が集まれば騒ぎが起きてきな臭くなるし、漁師は漁場を荒らされるし、地場の船乗りは許嫁を取られてやけになっちゃうし、最後にはやっぱり台風がやってきて…
酒場で与太者共を網で一網打尽にするところとか、嵐の海のぐじゃぐじゃとかおもしろい見所はあるものの、外からやってきた開拓者が当然のように現地の人の反発を招いて、やりあいながらも最後は相手を丸めこんで自分のやりたいことをやり遂げるのって、今の視点で見るとアメリカのエゴ(開拓精神とか呼ばれる)のゴリ押しで、このやり方で世界中のリソースを都合よく自分のものにしてきたんだろうなー、って割とうんざりする。昨今は特に。 ふつうになんで? ってなることが多すぎ。
James Stewartの一見強面ではない柔そうな佇まいも、そういう辺りで活きるのだろうなー、とか。
7.29.2026
[film] Reign of Terror (1949)
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