6.24.2025

[music] LCD Soundsystem

6月19日、木曜日の晩、O2 Brixton Academy で見ました。

この日はRoyal Albert HallのYeah Yeah Yeahsもあった… と気づいた時には遅かった。NINも入れて、なんでこれらがロンドンの、この18-19日に集中するわけ? ぜんぜん行けてないけど裏ではMeltdown (Festival)も進行中だし。

彼らのライブを見るのは再結成/再起動した2016年のNYのPanorama (フェス)以来。最初に見たのは2003年のNYのBowery、The Raptureの前座で、当時のNYシーン - Yeah Yeah Yeahsもこの辺から - の狂騒のなか、何回か見ていて、なのでNIN〜LCDが続く二晩というのは自分にとってはフェスに行っているようなかんじになった(いちおう会社には行っている)。

彼らは今回このヴェニューで、6月12日から6月22日まで、間に3日間の休みを入れて、計8回のライブをやる。そんなに入るの/やるの?と思ったがぜんぶSold Outしている。

彼らはNYでも他の土地でもこのスタイルでサーカスの興行みたいに何日間も連続のライブ/パーティをやって大人気で、これが彼らのライブのスタイルとして定着している、と言ってよくて、これは2016年の再起動後のシフト、なのか、というのはちょっと確認したいところ。

DJもするJames Murphyにとっては、踊らせて、踊ってもらってなんぼ、で客の方も踊りたいからやってきて、音楽を聞く、というより約2時間のおいしい料理のコースを楽しんでお腹をいっぱいにして帰るかんじ。ステージは彼らのオープンキッチンでその上にところ狭しと並べられた機材は彼らの調理器具で、James Murphyはシェフで、お任せで定番も出すし、その日のスペシャルもあるしー。何度も通いたくなるライブにはそういうレストランみたいなところがあると思うが、LCDの場合は特にそういう食欲とか踊欲に近いようなところでの快楽を供する要素が強いと思って。

こうしてメニューはほぼ決まっているので、こんな曲をやった!とか、この曲をこんなアレンジで!とか、所謂ライブで話題になるようなことにはかすりもしない。でっかいミラーボールが回り、ストロボがばりばり、ドラムスのキックに連動したフラッシュが雷となり、ネオンのように瞬く粗めの豆電球による電光がバンドの演奏する姿を浮かびあがらせるが、全体としては歓楽街のディスコでありダンスフロアであり、新しく革新的な要素はまったくない。客層も普段着のおじいさんおばあさんがいっぱいいる。自分もだが。

一曲めの‘“You Wanted a Hit”から2階の椅子席の一番上まで(自分は後ろから2列めにいた)きれいに立ち上がって阿波踊り状態になったのはびっくりで、それはエンディングまで続いた - 疲れたひとは座るのではなく帰る。

ただ、ロンドンでいよいよ始まった年に数日あるかないかの夏日のせいか、会場内がものすごく暑くて、バーのあるロビーはひんやりしていたのでエアコンが故障していたのかもしれないが、サウナのように異様に蒸し暑く、ライブの中盤はストロボの光とこの暑さにやられて椅子の上でしんでた。そうなっても去る気になれなかったのは、どこかに気もちよく触れてくるなにかを感じていて、それをつきとめたかったのかも知れない (そんなの別にねーよ、修行かよ)。

“Home”が終わったところで電光板に”Intermission”と出たので、よろよろとロビーに出る。バーでは大きいプラスチックのコップにtap waterを注いだのを「持っていきなー」ってじゃんじゃん配っていて、ありがたく貰ったら、会場ではアンコールの”North American Scum”が始まっていて、まるで全体が最終コーナーをまわったレミングのように踊りまくっているのだった。

謎だったのはこれの2曲あとの“New York, I love You but You’re Bringing Me Down”での大合唱だろうか。NYの暮らしがどんなにしんどくしょうもなく、でも愛しいものかを(カエルが)切々と歌いあげてぶちあげる曲なのだが、ロンドンの人たち、わかんないよね?ロンドンの暮らしもいろいろあるけど、NYのとはぜんぜんちがうし。でも、わぁぁーってなんだかわめきたくなるのはわかる。

あと、“Losing My Edge”を聞けなかったのは残念であった。
 

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