10.26.2026

[film] September 30, 1955 (1977)

10月21日、水曜日の晩、菊川のStrangerで見ました。

監督はJames Bridges、撮影はGordon Willis、音楽は『エデンの東』 (1955)のLeonard Rosenman。邦題は『ジェームズ・ディーンにさよならを』。 

ここで始まる、これまで劇場公開されてこなかった作品を紹介する「CULT CLASSICS」のシリーズ第一弾、とのこと。

アーカンソー州の小さな映画館で大学生のJimmy J (Richard Thomas)が『エデンの東』をぼろぼろ泣きながら見ていて(映画のラストシーンも音楽もそのまま画面に映される)、終わるとひとり名残惜しそうに映画館を出て、相当にJames Dean (JD)が好きなんだろうな、というのがわかる。翌日 – 1955年9月30日の昼間、フットボールの練習中にラジオからJDが自動車事故で亡くなった、というニュースを耳にした彼は、そんなバカな!って全てを放って走りだし、ラジオ局に向かってアナウンサーがニュースを読むのを聞いても本当らしいので錯乱して、同じくJDを芯から愛するBillie Jean (Lisa Blount)と電話で話して、恋人のCharlotte (Deborah Benson)やルームメイトたちを誘って、川辺で呑もう! ってデリでアルコールを万引きして吞みながらJDがいかに偉大かを話して、泥でオスカー像を作ったり、夜に降霊式をやろう、ってBillie Jeanも誘うことにする。

Jimmy JはJDのことになると急に暴力的・病的・感情的になったりついていけないのだが、それが当時のふつうの体育会系の若者の挙動なのか、あの頃のJDのオーラがもたらした何かなのか、って見ていくのだが、ゴスできめてきたBillie Jeanも参加した夜の降霊式は大惨事に終わって、大火傷を負ってベッドで動けなくなったBillie Jeanに対してJimmy Jは…

大好きだったJDの死によって永遠に喪われてしまった、自分のなかで死んでしまったなにかを当時の風景のなか、自分史のなかに置いて振り返るような哀悼に満ちた青春映画、なのだと思っていたのだが、それにしては主人公の行動は軽いんだか重いんだかめちゃくちゃだし、最後なんて邪悪すぎて、ふつうのJDのファンが見たらがっくりくるだろうし、とにかく美しいと思いたいあの頃のことを、渦中にあった人々が振り返るような形のものになっていない、していないのがすごい。あの頃のことなんて思いだしたくもないのだ、ということならなんとなくわかる。

特に包帯ぐるぐるのBillie Jeanに公開されたばかりの『理由なき反抗』 (1955)を見に行ったJimmy Jが無邪気に興奮して映画のJDと同じ格好をしてバイクも買ったし、とかポスター剝がしてきたよほら、ってやるとか、ファンがファンに対していちばんやっちゃいけないようなことをするとか、でもそういうのがある(どちらかというとそんなのばっかりである)ことはわかるので、思いだしたくないなにかどこかを突かれたような気がして、それってさー、に。

上映後の遠山純正、髙橋佑弥両氏によるトークもその辺を廻っていたが、最後に遠山さんより小森のおばちゃまがこれを見たらどう思っただろうか? という問いが提起され、これ以上に衝撃だったのが、もう一人の方が小森のおばちゃまが誰かを知らないこと、なのであった…

この上映企画の第二弾は“Last Summer” (1969)になるのかー。これも後味はなかなか…


The Breakfast Club (1985)


↑のに続けて見ました。おまけが貰えてうれしかったJohn Hughes監督作品。昨年の40th Anniversaryはロンドンでも見たし、封切りの時からだと4〜5回は見ているのではないか。 だし、これからも見ていくことになるのだろう。そのたびになんかしょうもない気になってしまうのはどうしてなのか?

若者たちが互いを認めるはあるにしても、わかりあう、親友になる、そんな話ではないの。1984年3月24日の土曜日、イリノイの学校に集められて閉じこめられた傾向もなにもばらばらな5人の男女学生が、泣かせたり泣いたり笑ったり騒いだり踊ったりをする、それだけの1日で、この後にどうなるか、どうなってしまうのかはわからない。最初にくる印象としては、自分の居場所があるんだ! みたいなことよりも、嫌味を言われたり傷つけられたりの居たたまれない生々しさが常にくる。40年経っても、この他者が容赦なくぶつかってくる無礼で嫌なかんじ、だけはずっと健在で、それって↑のJimmy Jの意地の悪いのと重なる。 この作品が数十年に渡って、ずーっと見られ続けているのって、この苦み故なのではないかしら、って思った。 ここのところだけ生々しくて”Don't You (Forget About Me)”で浮かびあがるのもそこなのだよきっと、とか。 (↑のと続けて見たことでそうなった効果とかあるかも)
 

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