10.02.2026

[film] Bob Trevino Likes It (2024)

9月14日、水曜日の晩、ヒューマントラストシネマ有楽町で見ました。

作・監督はTracie Laymon。2024年のSXSWでプレミアされて、Grand JuryとAudience Awardを受賞している。邦題は『私たちはちょうどいい。』 ... 「ボブ・トレヴィーノはいいね!をしました」でいいじゃん。なにと比べて、どう「ちょうどいい」というのか?

冒頭、Lily (Barbie Ferreira)がスマホを握りしめて、彼が間違って別の女性に向けて出したべろべろメッセージを読んでぼろぼろ泣いていて、向こうが「ごめんごめん」ていうので、「ううん、いいのよ」ってお人好しふうに言ってから「あーおわった」って更に泣く。 

障害者のDaphne (Lauren "Lolo" Spencer)と暮らしながら彼女のケアをしているLilyは父親のBob Trevino (French Stewart)と会って自分の失恋のことを言っても父親は老人ホームで自分に向かってくる女性の話ばかりしているし、癒されるべくセラピーに向かっても、子供時代のことを話したらセラピストに泣かれてしまう(くらいひどい境遇であったと)。

父親Bobのデートについていって、相手の女性を怒らせてしまってから父親は彼女を置き去りにして(この父親がぜんぶ悪いのにひどすぎ)、なんとか彼との関係を修復すべくコンタクトを取らなきゃ、とFacebookを開いて、見つけたBob Trevinoに友達申請をしたら、「承認」が来たのでほっとするが、こいつは全く別、アカの他人のBob Trevino (John Leguizamo)なのだった…

彼は隣のインディアナ州に住む建築現場のマネージャーで、仕事もちゃんとするけどちょっと気難しいので友達もいなくて、間違いに気付いた後もLilyが送ってくるどうでもいいメッセージや投稿に「いいね」をぽつぽつしてくれるようになって、やがてチャットも楽しんで、Bobの妻のJeannie (Rachel Bay Jones)も最初はフェイクに騙されているんじゃないか、と疑うのだが、彼がなんだか楽しんでいるようなので放っておく。

Daphneが詰まらせてしまったトイレでどうしようもなくなった件のヘルプでやってきたBobとLilyは初めて対面して、BobはLilyの生活能力のなさに愕然としていろいろ教えてくれたり、Bobのことを冗談で「パパ」と呼んだら動揺した背景に彼は息子を亡くしていたことがわかったり、実父のせいで犬を飼えなかった彼女を保護施設につれていってあげたり、際どいところを行くようなほんわかしたエピソードが続いて、John Leguizamoだし、最後のほうにとっておきのが、と思っていたら…

もちろんとっておき、なのかもしれないが、いきなりあんなふうになるとは思わず、ペルセウス座流星群とかスクラップブックとかLilyの詩とか小道具がいっぱいあるので、なんかずるいや、のかんじもした。昔だったら手紙とか、近年だったら”You've Got Mail” (1998)の電子メールから始まっていった何かが、”Like”のクリックひとつのやりとりから始まって、その奥というか向こうの分厚いスクラップブックに溜まっていくまで、をrom-comを回避するかのように積みあげて、あそこまで持っていくのはたいしたもんかも。あ、でもLily役のBarbie Ferreiraがよすぎるだけかも。

監督の身に実際にあった話で、ショートフィルムの企画をやさしかったBobに伝えようとしたらああなっていたことを知って、そこからいろいろあってこの映画になったのだそう。ちょっといい話、というよりはもう少しおもしろく、深い。

それにしてもひどすぎる彼女の父親、最後にソーシャルでぼこぼこにされればよいのに、と思ったのだが、それはなくてただ視界から外す、みたいな消し方もよかったかも。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。