10.07.2026

[film] La venue de l'avenir (2025)

9月27日、日曜日の午後、『眺めのいい部屋』のあと、ヒューマントラストシネマ有楽町に移動して見ました。

英語題は”Colours of Time” - 邦題は『モネと時間旅行』。 客寄せだろうけど、「モネ」の名前を出すのはどうかと思うし、時間旅行をする話でもない、原題をそのまま翻訳すると「未来の到来」。 監督はCédric Klapisch。

現代のフランスの郊外の宝探しと、ベルエポック時代のル・アーブル/パリでの親探しの話が交互に行ったり来たりしていく。

現代の方では、巨大なショッピングモール建設計画の予定敷地内にある1944年から誰も中に入っていない家屋の取り壊し承認を得るために、その家を所有していたAdèle (Suzanne Lindon)の子孫たちが不動産会社によって大量に集められて説明会が開かれ、建設の邪魔になるので潰しちゃってよいでしょうか? って問うて、でもその家の中に何があるのか誰も知らないので、Adèleの直系の親族から4人の代表 - 教師のAbdelkrim (Zinedine Soualem), コンテンツ写真家Seb (Abraham Wapler), 会社の偉いひとCéline (Julia Piaton), 養蜂家のGuy (Vincent Macaigne)が選ばれて、初めて対面する4人が互いの腹のなかと家のなかを探っていく。

これと並行して、19世紀では、その同じ村のその家を出て列車と船を乗り継いでひとり母親探しにパリへと向かうAdèleの姿が描かれる。 Adèleに向けて生活費の仕送りだけはしてくれている母親を訪ねるべく公証人のところで住所を聞いて行ってみたらそこは娼館で、客の相手をしている母Odette (Sara Giraudeau)を見ていたたまれなくなって、旅の始めに出会った青年2人のモンマルトルの下宿に転がりこんで、せっかく来たのでしばらく滞在してみることにする。サラ・ベルナールなどにも会えたりするし。

現代の方では家の壁に貼ってある大量の古い写真とか油絵とかカンバス布に赤い線とか、アートっぽいものが見つかるが専門家でもないのでほぼガラクタにしか見えなくて、破棄してよいものか、になっていくのと、Adèleの方は改めてきちんと母と対面して、自分の父親は誰? と聞いてみたら、ふたりの候補がいると。 ひとりは写真家のナダール、もうひとりが画家の…

ここまで来たら、Adèleの家にあれらがどういう経緯で遺されていたのか、というのと彼女の父親はどちらなのか、を詰めていくのかと思ったら、4人が薬草 – やはりVincent Macaigne持ち込み – でナダールのアトリエで開かれた第1回印象派展のサロンにタイムスリップするとか、父親については、うーんこっちじゃない気がするとか、その程度のもので、それなら『マンマ・ミーア!』みたいな楽しいバカコメディにしちゃえばよかったのに。(最初からその程度に軽く見るべきだった?)

当たり前だけど、誰にでも親がいて祖先がいて、それらはずっと繋がっていて過去でも今でも未来に向かって開かれているのだ、というだけの話が、モネの絵とかショッピングセンターとか、結局お金とか資産の話から切り出されていくのはしょうがないのか。落ちるところが「あなたの大切な資産をお守りします」みたいな話になるのがどうにも。

結局Adèleはどっちの男と結婚したのか、とか、あの絵は結局慰謝料なんだから親族全員で分配すべきではないか(→戦争)、とかそういうぐだぐだに向かっていった方が楽しくなったのではないか。

それか、Adèleの父親(候補)がRenoirだったら、Cézanneだったら、Manetだったら、果たしてどんな絵が遺されただろうか、彼女の運命も変わったのではないか、とか。

それか、実はあの家のなかでAdèleの遺体が見つかって、それを見つけた親族も殺されて、現場に遺された絵具のタッチから犯人を捜してみよう! とか。

Vincent Macaigneがいなかったらどうなっていたことか。

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