9月20日、日曜日から月曜日の朝にかけて、スコットランドのグラスゴーに行った。
いちおうSaint Etienneのファイナル・ツアーに合わせてThe Pastelsを見る、という目的なのだがそれだけではない。
これまで自分が聴いてきた音楽のうまれた土地に向かって旅をする、というのを地味にずっとやっていて、なのでNYとロンドンで暮らせたのをよいことに90年代にはアイルランドに行って、ジャマイカに行って、リオに行ってサルバドールに行ってブエノスアイレスに行って、ヨーロッパ各地各国は音楽というよりそれぞれが楽器のようだわ、って思って、でもイギリスの地方都市はぜんぜん行けてなくて、マンチェスターもシェフィールドもリバプールもまだ。これから。
ただグラスゴーの音、というのに明確なローカル色や土地の特徴があるかというとそんなでもない気がしていて、いつも思い浮かべるのはスコットランドのハイランド・カウのもしゃもしゃの輪郭とか、Postcard Records (The Glasgow School)の太鼓を叩く猫の絵だったり、視覚的にこんなかんじの、って思ったり。
最初は朝早くに電車で行こうと思っていたのだが、この日曜の午前は北方に電車が走っていないようで仕方なく飛行機にした。10時くらいにGatwickから飛び立って昼くらいに着く便で、空港からはバスであっという間。
そんなに観光している時間もないので、とりあえず大聖堂に行って、その向こうの高台にかっこよく見えたThe Glasgow Necropolis(お墓)を散策する - William Millerのお墓などがあった。
そのまま歩いて聖地のひとつ、The PastelsのMonorail Musicに向かう。入り口にカフェ/食堂があって、奥にレコード屋。Jack WhiteのThird Man Recordsのポップアップが入っていていつもと違ったかも知れないが、地元のよいレコード屋の典型のようなとこだった(今回は買わず)。 食堂ではMac & Cheeseをたべた。おいしい。
日曜の午後のグラスゴーの街中は、通り沿いに開け放たれたパブから酔っぱらったようなバンドの演奏とかそれと一緒に歌う酔っ払いの歌声とかところどころわんわん響いてきて、日曜からご機嫌だねえ、なのだが、それがお祭りではなく常態化している殺伐とした様がよくて、あと、たまたまではあるが、デリで盗みをして逃げようと走りだした青年のところにパトカーが現れて追っかける、という映画みたいなシーンまで目撃した日曜の午後。
もうひとつの聖地は、Postcard Records “The Glasgow School” - のオフィスがあった場所、だったのだが、ふつうの住宅街のなかにあるだけ、のようだったので諦める。
そしてもうひとつの聖地が、この晩のライブがあるヴェニュー、Barrowland Ballroomで、きらきらのネオンサインが華やかなんだかもの哀しいのか微妙な大看板のついたワンダーランド風のライブハウスで、NYの”Roseland”や”Bowery”と同様、Ballroomがつく小屋には伝説がおりてくることになっている。こんなところでThe Smithsの”Meat is Murder”のツアーにぶつかったら即死だろうなー。 今後のスケジュールには、Friends Againの告知などが貼ってあって二度見したり。
こうして20:00からThe Pastelsのライブを見る。バンドはホーンも含む6人編成で、ゆったり茫洋に、”Check My Heart”とかJamの”Something’s Gone”とか、思っていた通りの不穏なパステルたちでたまんなかった。たぶん10年後も同じタッチで画布に擦りつけているにちがいない、と。
Saint Etienneはキーボード2人が後ろの高台、まんなかにSarah Cracknell、ドラムスはRideのLoz Colbert、ギター/ベースがひとり、バックヴォーカルはThe Dolly MixtureのDebsey Wykesで、物販に彼女の本”Teenage Daydream: We Are the Girls Who Play in a Band”のペーパーバック(サイン入り)があったので買ってしまった。出版された時のおまけ&サイン入りハードカバーも持っているのに。
Saint Etienneのライブはたぶんはじめてで、背後のスクリーンのヴィジュアル – たぶん20年くらい前のカラフルなかんじ - がどれも素敵で、デジタルの音のみっしり度合いもそんな最新のバチバチくるやつではなくて年寄りにやさしく、みんな気持ちよさそうに踊っていて、特に終わりのほうの”Only Love Can Break Your Heart”から先は温度が上がって、みんなが笑顔ではねていて楽しかった。 「またフェスとかで再結成はするかもねー」って軽く言っていたので、またやることでしょう。
帰りはホテルまでバスにしたのだが、地図が示したのと違うルートを走っていると思ったら故障していたらしく、途中でバスごと別のに移るように指示されて、ああこのままどこかに… って暗く(どうでもよく)なったが大丈夫だった。
翌朝、8:55発のフライトで戻るべく空港に行ったら、管制トラブルとかで飛ばないまま待たされる。一時はWebでロンドン到着16:00以降とか表示されて、これじゃこの日の予定ぜんぶ消えるので、祈る思いで町に戻って電車で向かう検討も始めたのだが、1時間半の遅延で済んだ – それでも映画1本分なのでじゅうぶん痛い – のはよかったかも。
また行きたいなー。
9.28.2026
[log] Glasgow - Sept. 20
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