9.16.2026

[film] Mirakelet i Gullspång (2023)

9月10日、木曜日の晩、シネマート新宿で見ました。

ドキュメンタリーで、英語題は”The Gullspång Miracle”、邦題は『グルスポングの奇跡』。
作・監督はMaria Fredriksson、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク合作映画。2023年のTribeca Film Festivalでプレミアされている。

ノルウェー北部に暮らす老婦人のMayがスウェーデン南部のグルスポングに暮らす妹のKariを訪ねていて、長期滞在者向けのアパートを探している場面が冒頭、彼女が見にいった家にかけてあった果物の静物画を見て、こういう絵が欲しかったのよ! ってこの場所に決めて、家主(?)のOlaugに会ったらびっくり。彼女は1988年に自殺した彼女たちの姉、Astrid – 愛称”Lita”に瓜二つで、誕生日もOlaugと同じ年の同じ日で、彼女も若い頃はLitaと呼ばれていた、と。

MayとKariが調査を進めてみると、Litaは実は双子で、更に家族に突っこんだ聞き込みをしてみると、当時ノルウェーに侵攻してきたナチスに人体実験のため誘拐される恐れがあったのでOlaugだけを家族から引き離したことがわかり、更にDNA検査をするとOlaugとLitaはMariとKariの姉妹とは異母姉妹であることがわかって、Olaugは先祖代々の家族が暮らす農場に行って、自分がこれまで知らなかった沢山の親族と会う。全員とても信心深くて、よい人たちっぽい。

ここまでは、TVにもありそうな感動再会ファミリーヒストリーとして見ていけて、大変だったんだなー、なのだが、その先、自殺だったはずのLitaの死因が警察の記録と検視報告では心不全だったこと、更にその場所が人里離れた田舎の湖畔だったことがわかる(そういう場所まで行って自殺、ならわかるけど)。敬虔なキリスト教徒である姉妹は死因が自殺でないのがわかっただけでもよかった、って安堵するのだが、かつて軍の中尉まで昇進して、あの人たちとは知的レベルが違うのよ、と自分でいうOlaugは、これは他殺だ、Litaは殺されたのだ、と主張し、Litaが亡くなった晩に彼女と車を目撃した近隣の人の証言や、Litaに3種の保険がかけられていたこと、いかにも怪しいLitaの前夫のインタビュー等も被されると、ここから先、Mayたち家族とOlaugの仲は急速に悪化していって。 とどめを刺すように2回目のDNAテストの結果として、Olaugと姉妹たち、Litaの娘とは血縁関係がある可能性は殆どない、と出て… (監督もお手あげ)。

互いが互いを憎みあうところまで来てしまったので(Mayたちは縁を切りたかったOlaugが検査結果を改竄したのだ、とまで言う)、最後はもう二度と会わないわさよならー、で終わって、表面上は元に戻るようなのだが。

他人の家族、の話だし、かわいそうなLitaを除けば誰かが嘘をついている、明らかに邪悪な人がいる、というわけでもなさそうなので、映画はそのままあっさり終わってしまう。 フィクションであれば、北欧の大家族、その底に渦を巻いた陰謀と憎悪の顛末を凍てつく湖の景色と共に描けたのだろうなー、とか夢想しつつ、そういうネタの在処が暴かれた、というか、そんなようなネタはこんなふうに表向き奇跡みたいな顔をして眠っているものなのかも、と思ったりした。

あと、ドキュメンタリーにしては全員の顔とかツブが揃いすぎている気がしたので、そのままOlaugを探偵役にしてミステリー仕立てのドラマにしちゃえばおもしろくなったのに(シャレにならず)。

あと、同じようなことが自分の身内に起こったら、結構嫌なかんじになるかも。 猫とかフグとかの話のほうがいいかも。


明日から夏休みをとって少しいなくなります。

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