5.28.2026

[theatre] Love and Information

5月23日、土曜日の夕方、KAAT 神奈川芸術劇場の大スタジオで見ました。

開演は17:00で、前売りが取れなくて、でも当日券が出る、とあったので早めに行ったらチケットは16:15に抽選です、って…
どういう「公平性」?を狙ったものなのか知らんけど、こういうのは見たい人がその思いの強さに応じて見たければ早くから並んでチケットを買って見る、そういうもんだと思っていた。 神奈川まで出かけて行って抽選外れたらさよなら、なんて二度と行きたくなくなる。マチネ中心の時間割とかパンフレット2500円とか、日本の演劇興行界ってものすごく「ムラ」な感じがして引いている。「関係者」はそれでよいと思って頷きあって変わることができない典型的な「ムラ」社会。

抽選開始時には沢山(50人くらい?)の人が並んでいたので、こんなの絶対外れる、と思って中華街で遊んで帰る計画を立て始めたのだが、当たってしまったので、抽選制度に対する怒りを鎮めながら会場に入る。

原作はCaryl Churchillの同名戯曲(2012)、プレミアは2012年9月にRoyal Court Theatreで、演出はJames Macdonald。その後にNY他にも行っている。

今回のKAAT版、翻訳は髙田曜子、演出は桐山知也、キャストは2チームあって、Mainチームには8人、Nextチームには10人。自分が見た回は、Mainチームの方の。 休憩なしの80分で、公演後にアフタートーク付き。

全体は7つのセクションに分かれていて、そのセクションの中には短いのから長めのまで、数分間のコントのようなエピソード小噺が入っていてそれが全部で60くらい、7つのセクションの進行順は決まっているが、その枠内のエピソードの順番は演出家が決められるようになっている。登場人物の配役も自由で、原作では100人以上の登場人物がいるが、どのキャラクターをどう束ねて(同一化して)どの俳優に重ねたり委ねたりするのかは任されていて、演出の自由度が高い。英国のプレミア時の俳優は16人だったそう。

舞台設定はシンプルで、まんなかを横切って奥からのライティングできらきらする玉すだれのようなのが複数層下がっていて、その奥は暗くて椅子が8つ横に並ぶ。セクションとエピソードのタイトルが英語(日本語)で上部に字幕で出ると、それの演者が玉すだれの奥からフロントに出てきて横一列に立って並び、各自がタブレットを読みあげていくリーディング公演形式。エピソードによっては奥の暗がりで座っている演者が加わるものもある。

セクションはそこで扱われる”Information”の中味によって登場人物がどういう行動をするのか、で大まかに分けられているようで、その下の各エピソードのタイトルは「神」とか「ピアノ」とか「セックス」とか一言でわかりやすいものが多い。「謝ることを知らない子供」とかいうのもあった。

演者各自が読みあげる内容は他の演者と会話になっているものもあれば、そうでないものもあって、ただ、そうして発する台詞の重ねあいが彼らの事情や状況を説明したり次の行動を促したり、始めから与えられているエピソードのタイトルと合わさって、こういうことを言わんとしているのか(も?)、というのがわかる - ものもあれば、状況や人物の特性がもう少し明らかにならないと(or あえてボカしていて)よくわからないものもあって - 演じている人々にもよくわからず、こういう状態の人ではないか、と当てはめたら見えた! というのもアフタートークで語られた - その辺の見えないかんじをおもしろいと思うか、わかんなくていらいらするか、がのめり込める/こめないの分かれ目になるのかも。

“Information”が状況やコンテキストによって、なんらかの意味を担ったり、意味を被せられたりしていく様子と経緯、それが時と場合によっては”Love”というなんだか柔らかいふわふわしたものに変わる、あるいは刃のように研ぎ澄まされていくさまが解体ショーのように生々しくドキュメントされていくところがおもしろかった。

ありがちな”Love and Communication”ではなく、”Love and Information”としていることのおもしろさ。”Communication”なんてはなから期待していないような。

他方で、その辺の「建て付け」のようなところがわからないと、単なるショートコントの羅列、とかリハーサルの延伸、のように見えてしまうのかも、って。

あと、情報量の多さというのも、おそらくひとつのテーマとしてあって、次から次へといろんなのが来て溢れかえって大変、というその経験もまたこの劇を構成する要素なのではないか。リーディング形式、というのが明確な意味をもってくる劇、であるような。

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