5月4日、GWの月曜日の昼、シネマヴェーラのPreston Sturges特集で見ました。
原作はオーストリアのRené Fülöp-Millerによる”Triumph Over Pain” (1940)、脚色・監督はPreston Sturges。歯科・外科手術での全身麻酔のやり方を発明してあの痛みから人類を救った(諸説あり)とされるWilliam Mortonの評伝ドラマで、当初はHenry Hathawayが監督する予定で、主演はGary CooperとWalter BrennanだったがCooperが離れてその計画はなくなり、その後Preston Sturgesが手を挙げて開始するもスタジオ側といろいろあって1942年には完成していたのにリリースは44年になった、など複雑な事情を抱えているらしい。 邦題は『崇高なとき』。タイトルだけだとPaolo Sorrentinoの映画みたい。
Eben Frost (William Demarest)がWilliam Morton (Joel McCrea)の未亡人Lizzie (Betty Field)のところを訪ねて、Lizzieがかつて主人の相棒だったEbenに向かって回想する形で話が進むが、最初の方で、Mortonが自分の発見の特許を巡ってワシントンでひと悶着起こしたこと、続けて歯科医として開業したMortonが手術に伴う患者の痛みを軽減すべく大学に行ったりしながら試行錯誤していくさまと、硫酸エーテルの吸入で全身麻酔できたかも、になるも、アイデアの盗用をしたとかしないとか、利権や名声を巡るどろどろごたごたがあり、構成はやや入り組んでいるが難しくはない。
麻酔がなければ地獄の痛み、麻酔をすればすべて忘れて天国、という両極があって、それが実用に至るまでの試行錯誤の期間は天国と地獄のしゃれにならない行ったり来たりが当然あって、どたばた映画の題材としてこんなにおもしろいものはない(はず)ってSturgesは手を付けたのだと思うが、偉人(になりたい人)の評伝を描く、というのと患者たちのしゃれにならない悲喜劇を描くというのの両建ては難しかったのかもしれない。
薬を間違ってEbenが狂っておかしくなっちゃうところとか、麻酔が間にあわないからなしでやろう、になるところとか、おかしかったりきつかったり、昔はほんとに大変だったんだろうなー、ってしみじみ思ったのと、これってひとの痛みを突き放して笑っちゃえ、っていうPreston Sturgesコメディの根幹に関わるテーマなのかも、って少しだけ。
Never Say Die (1939)
5月9日、土曜日の午後、シネマヴェーラの同じ特集で見ました。 邦題は『死んでもともと』。
監督はElliott Nugent、原作はWilliam H. PostとWilliam Collier Sr.による同名戯曲(1912)で、これをPreston Sturges+2名が脚色している。当初はRaoul Walshが監督する話もあったそう。
スイスの温泉地 - Bad Gaswasser(くさいガス水)に静養にきていた富豪のJohn Kidley (Bob Hope)は彼と似た名前の犬と健診結果が取り違えられて、余命1カ月で体が縮んで死んでしまうよ、と言われてすべてがどうでもよくなり、強気の婚約者Juno (Gale Sondergaard)を突っぱね、自分と同じように婚約者から強引に言い寄られていたMickey (Martha Raye)と出会うと、軽い人助けのつもりで結婚しようよ、って結婚してしまう。Mickyにはテキサスの地元にバス運転手の婚約者Henryがいたのだが、自分はすぐ死んじゃうから、彼とは自分が死んだ後で一緒になればいいじゃん、って。
こうしてテキサスからやってきたぼんくらのHenryがくっついた変な新婚生活を送るふたりのところには当然追手がやってきて、そのうち誤診だったことも明らかになるのだが、クマだの決闘だの面倒なのが次々とやってくるので飽きない。結果はこういう、誰もなんも考えていないけど誰もが思っていそうなところにきっちり落ちる系のrom-comによくあるやつの原型のようで、とにかくぜんぶオーライ、になっておわるの。
あと、こういう山岳系の(≒ 反都会系?)rom-comって結構見た気がするのだが、どういう事情背景でできたりしたものなのだろうか。
あと、劇中で歌われる"The Tra La La and the Oom Pah Pah" – とぅらららー うーぱーぱー♪ がたまらなく楽しかった。
5.14.2026
[film] The Great Moment (1944)
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