5.18.2026

[film] National Theatre Live: The Audience

5月10日、日曜日の午後、TOHOシネマズ日比谷で見ました。

最近のは除いて、NTLのリスト、きちんと見れていないのではないか、という疑念があって、これもそういう1本で、見れるのであればありがたく(ぜったい)見る。

2024年、2回目のロンドン生活が始まったとき、演劇はおもしろそうなので月3回は劇場に通うようにしよう、って目標を立てたのが、滞在の最後の方では月10回見ることになっていたのは、ふつうにライブで見る演劇がおもしろかったからで、日本に戻ってきた今、同じことができるか、というとちょっと自信がない。日本の商業演劇のチケットは変な席でもふつうに映画の10倍くらいの値段だし、それに見合う内容のものなのかどうか、俳優も演出家も舞台でどうなのか知らない(歌手とかタレントとして有名なのはわかる… ひともいる)ので、様子見で、しばらくは月1回くらいを目標にしておこうかなー、くらい。 どうなるかわかんないけど。

原作はPeter Morgan、演出はStephen Daldry、2013年にGielgud Theatreでプレミアされて、2015年にはブロードウェイにも行って、同年のWest Endでのリバイバル時に女王はKristin Scott Thomasが演じた、と。

1952年にエリザベス2世(Helen Mirren)が即位してから亡くなるまでの約60年間、毎週火曜日、バッキンガム宮殿の謁見室で歴代首相から女王に行われた謁見の様子を代々の首相が次々と入れ替わっていく – その(歴史の)順番はばらばらな - スタイルで綴っていく。対面相手の首相が変わるたび、女王の衣装も当然変わるし、衣装を変えるところまで見せたり、でもその辺も含めて女王様は余裕。 歴代首相は12人のうち3人を除いて網羅され、名前が示されなくても英国人であれば誰が誰、とすぐわかるようになっていると思われる。

実際にそこでどんなことが話されたのかの記録は残っていないし、立憲君主制だから女王が首相の語る政策に反対したり意見をしたりすることはできないしで、内容についてどこまで本当なのかなんて知る由もないのだが、それでも女王のこれまでの言葉や態度から、彼女だったらこういうのは嫌がったのでは、くらいのことはわかるし、女王の物腰や挙動を完コピしていそうなHelen Mirrenの振る舞いを見ていると7~8割は当たっているのではないか、くらいに思えてくる(今だったらAIに書かせることもできるかな)。

代わるがわる登場する時の首相たちは当然のようにクセものばかりで、落ち着いた女王の前では誰もが変わった愚か者のように見えてしまうのだが、そうすることで女王の聡明さと、それ故の孤独や苛立ちが透けて見えて、しかしそれが決してかわいそうな女王に見えない、というところがこの演劇の肝、というか女王の女王たる由縁なのかしら。保守だろうが革新だろうが、政治家で上にのしあがってくる奴なんてロクなもんじゃない、ということを我々は女王の目で、Audienceとしてしっかりと目の当たりにして、直言はできないものの当時の政治の断面やありようを見ることになる。(へたなことを書いたらどちら側からも叩かれるだろうし、女王の年齢や経験にあわせて喋る内容も変わっていくだろうし、ネタ作りは相当に難しかったのではないか)

首相それぞれで飽きないのだが、やはりチャーチルとサッチャーがおもしろかったかな。あんま似ていなかったけど。

これって中心にいるのがエリザベス2世でなくても、そこらにいる女性が首相に向き合うことになったとしても... という普遍性をもたせるようなところ – そもそも政治ってなんなのかについて考えさせるようなところもあって、そういう観点でもおもしろいかも、と思った。

あと、舞台を横切っていくだけのコーギー2匹がかわいかった。もっといっぱい出せばよかったのに。

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