5月4日、月曜日のお昼にシネマヴェーラのPreston Sturges特集で見ました。
邦題は『七月のクリスマス』。原作はPreston Sturges自身が書いた戯曲 - ”A Cup of Coffee” (1931) - これ初演が1988年だって.. Preston Sturgesが作・監督をした2作目。 67分あっという間。
これは00年代、確かBrooklynで、自分が一番最初くらいに見たPreston Sturgesの映画で、一瞬で好きになって、その後も数回見ている(見ているうちにそんなでもなくなってきたが、でも変わらずに好き)。
コーヒー会社Maxford House Coffeeが毎年公募しているコーヒーのキャッチフレーズコンテストで、選考の現場は結論の一等賞が出ずに紛糾していて、決まらないのでラジオでの当選者発表は延期となり、賞金の2万5千ドルが当たったら… の夢をだらだら語っていたJimmy (Dick Powell)とBetty (Ellen Drew)のカップルはがっかりするのだが、彼の考えたちっともおもしろくないコピー"If you can't sleep at night, it's not the coffee, it's the bunk"を自信たっぷりに強引にいいよね、って言わせて勝手に将来設計をしてしまうところとか、こいつだいじょうぶかよ、になる。
翌日出社しても彼の自信は揺るがずイヤなかんじがとっても鼻につくので、同じフロアの同僚男たちが悪戯であなたのコピーが当選しましたおめでとう!のフェイク電報を渡したら舞いあがって社長まで報告に行って、コーヒー会社には小切手を取りに行って、本件で疲れ切っていたコーヒー会社の社長は憑き物を払うかのように小切手を渡しちゃって、Jimmyはその足でデパートに向かい、ママが欲しがっていたソファベッドとかどかどかでっかい買い物をやりまくり – これが7月のクリスマス – たくさんのプレゼントを積みこんだ船団で自分の家に向かい、子供たちに贈り物をばらまいて、ご近所の路地一帯が飲めや歌えのお祭り状態になったところに警察がやってきて…
全体としてはとにかくありえない夏のバカ小噺、でしかないのだが、7月のクリスマスを抜けていくうち、イヤな奴だったJimmyも、会社の偉い人たちもみんなちょっとよい人になっていくような、そんな魔法の力を感じることができる1本だと思う。Sufjan Stevensのクリスマスアルバム(最初の)に入っている”Christmas in July”は、直接の関係はないみたいなのだが、どこか似たような印象 – ものすごい名作ではないけど忘れ難い - を残すの。
Remember the Night (1939)
5月8日、金曜日の晩、シネマヴェーラのPreston Sturges特集で見ました。
邦題は『想い出のクリスマス』。こちらの方がまだクリスマス映画っぽい。そしてこれは本当に、正真正銘の必見の名作ったらないの。
監督はMitchell Leisen、脚本がPreston Sturgesで、彼が他の監督のために脚本を書いた最後の作品、でもある。
Lee Leander (Barbara Stanwyck)は盗みの常習犯で、宝石を盗んでそれを質屋に入れようとしたところで簡単に逮捕されて、その裁判をNYの検事補のJack (Fred MacMurray)が担当することになるのだが、クリスマス直前で陪審員が被告に甘くなるのを避けるべく、強引に裁判を年明けに延期させる。
勝手に裁判を延期されたLeeはクリスマスを拘置所で過ごすことになったことを嘆いて、それを知ったJackは保釈金を積んであげるのだが、どっちにしても彼女の行き場はなくて、たまたま彼女が同じインディアナ州の出であることを知ったJackは自分の実家に帰る車に一緒に乗せていってあげることにする。
帰郷の道中でいろんな騒ぎが起こって、Leeの実家でとうに再婚していた実母に酷い仕打ちを受けた彼女をみたJackはそのまま自分の実家に連れて行って、そこでも楽しいながらもいろいろあって、そうしているうちにLeeを愛してしまったJackは彼女を裁判でどうにかしようとするのだが…
クリスマスにあってはならないような気まずいこと、居たたまれないことが次々と襲いかかってきて、でもクリスマスだからぜんぶ乗り切ることができる、と信じることになる/信じるしかないふたりが旅の途中で落っこちてしまった恋のお話で、どこの地点からか自分でもその理由がわからなくて困ったようにずっと潤んでしまって口数が減ってしまうBarbara Stanwyckの瞳を見ているだけでこちらも泣きそうになってきて、そんなに悲しいことが起こっているわけでもないのになんで? ってがんばって戦っていると最後に”Remember the Night”っていうタイトルがきて決壊する。 クリスマスの奇跡が起こる映画ではないの。クリスマスの、出会いの奇跡を信じろ、忘れるんじゃないってずっと先延ばししていく映画で、その先には永遠しかないの。それをクリスマスと呼ぶんだって。
5.11.2026
[film] Christmas in July (1940)
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