5.03.2026

[film] The Good Fairy (1935)

4月28日、火曜日の晩、シネマヴェーラの特集 - 『哄笑と洗練 プレストン・スタージェス レトロスペクティブ』が始まっていたのに気づかなかったなんてばかばかばか、って壁に頭をぶっつけ釘を踏みつけながら見ました。

原作はハンガリーのFerenc Molnárによる(英語にしたら)同名の戯曲 - “A jó tündér” (1930)、これをブロードウェイ用に翻案した Jane Hintonの脚本 (1931)をPreston Sturgesが更に映画用に脚色してWilliam Wylerが監督している。 邦題はそのまま『『グッド・フェアリー』。

孤児院で育ったLuisa Ginglebusher (Margaret Sullavan)がいて、そこの人材育成プログラムで実社会に出て映画館の入り口で案内係をすることになった彼女は、強引にナンパされて連れていかれそうになったところをウェイターのDetlaff (Reginald Owen)に救われ、それに続けて食肉加工業の億万長者のKonrad (Frank Morgan)から言い寄られると、自分には夫がいるから、って咄嗟に逃げて、そのウソを持続させて善きことを実践する”The Good Fairy”になるのだ、って電話帳からてきとーに弁護士のMax Sporum (Herbert Marshall)の名前をピックアップして「彼が夫です」ってKonradに伝えると、彼は自分がLuisaに会う時間を作るためにMaxのところに行って彼にものすごい肩書きと待遇を与えてしまったので、やはりこれはちゃんと説明してあげた方がいいかも、と思ったLuisaはMaxのところに赴く。

ずっと貧乏だった懐が急に豊かになって舞いあがり最新の鉛筆削り器を買ったり嬉しくてたまらないMaxのところを訪ねたLuisaは意気投合して、一緒に街に出てぴかぴかの車を買ったり、ヒゲを剃らせたり、Luisaにはデパートで見つけた「本物のフォクシン」の毛皮のストールを買ってあげたり、ふたりにとって夢のような一日を過ごして、でもやっぱりKonradにちゃんと説明しなきゃ、って思ったLuisaがホテルで男性と会う、と告げるとMaxは激怒して… LuisaとDetlaffとKonradとMaxの四角関係はぐるぐる回りながらぐじゃぐじゃになっていくのだが、すべては”The Good Fairy”であろうとしたLuisaの想いから来たものであることが見えてくると…

いろんな欲望にまみれて下衆な下心しかない男たちと、善をなすGood Fairyたらんとする純な乙女心の少女がクラッシュして巻き起こるスクリュボール・コメディで”My Man Godfrey” (1936) - 『髑髏と宝石』 - を思い起こしたりもした。相手のことをよく知りもしないところから、よくもまああんな大胆なことができてしまうものだわ、とか。でもとにかく、”The Good Fairy”であれますように、という一途な思いと共に現れたGood Fairy的ななにかがすべてをぶち抜くいい加減さと出鱈目さがすべてを支配して、でもあのラストまで含めてなんだか納得させられてしまう強さがたまんないの。

もうひとつは、ぜんぜん関係ないかもなのだが、舞台がブダペストで、Margaret SullavanとFrank Morgan が出ている、ってなったらErnst Lubitschの”The Shop Around the Corner” (1940) - 『桃色の店』のことを思わずにはいられない。どちらの映画も、あなたのことを想っている相手はあなたが考えている以上に身近な、すぐそこにいるかも知れない人なのですよ、っていう。日本にどれくらいいるかわからない『桃色の店』ファンのひとは見て損はないと思うー。

William Wylerはこの翌年には”Dodsworth” (1936) - 『孔雀夫人』を撮ってしまうわけで、すごいな、しかない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。