7.22.2025

[music] St. Vincent

7月16日、水曜日の晩、夏の恒例Somerset Houseの野外ライブシリーズで見ました。あっというまに売り切れていた。
ここの野外ライブで最後に見たのは随分昔のWarpaintだったかも。早く帰ってこないかな。

前座はGustafで、ぶちぶちと弾けたりはみ出したり不機嫌で居心地わるいかんじがよかった。Annieも大好きなバンドだ、ってライブで言っていた。

St. Vincentのライブは久しぶりで、最後に見たのは2018年(7年も前か…)にCadgan HallでThomas Bartlettのピアノ伴奏をバックにソロでしっとりと歌ったやつだったかも。

最初に見たのはDuo Exchange(だっけ?)の来日公演で、そのあとはNYでDavid Byrneと一緒の”Love This Giant”のも見たし、エジンバラでも見たし、彼女の監督したホラーショートも映画館で見たし、彼女のお姉さんがダラスでやっているタコス屋にも行ったし。 あがってきたライブの映像は見ているものの、新譜は買っていないし、今回のライブもああ行かなきゃ、ってチケットは取ったけど予習もなんもしていないわ、というのが最近。

NINのカバーをやっていた最近の映像でも顕著だったが、圧縮されて硬くて弾力のあるゴムの上にちりちりじゃりじゃりしたギターの電気が被って、そこによく通る声とシャウトが絡んで突き通す、というとても気持ちのいいやつで、気持ちよすぎるのはつい警戒して遠ざかってしまったのかもしれない。ただ夏の野外でこういうのが来るとやはりかき氷のように気持ちよく、特に2曲めの”Fear the Future”~” Los Ageless”~”Birth in Reverse”あたりまで、昔の曲がこのフォーマットになると、とにかく盛りあがる。 他方で彼女の曲で盛りあがることってそんなに期待していなくて、もっとゴスにダークに、ジャンクのぐじゃぐじゃまで行ってすべてを瓦礫の灰にしちゃってほしいのだが。曲の骨格とか構成はしっかりしているので、多少手を加えたって壊れないし、それでファンが離れることはないと思うし。

勢いでモッシュする時に、乗っかる客に向かって何度もだいじょうぶ? 背中痛めてない? 乗っかっていい? って聞いていて、乗ってもそんなにサーフしないですぐ戻っちゃうところも彼女らしかった。だからそんな気を使わなくていいって。

10月終わりのCafé Carlyleでのライブ、行きたいけどすぐ埋まっちゃうだろうな。


Skep Wax Weekender

7月16日~20日まで、Ishlingtonの近辺でイベントがあると聞いて、The OrchidsとかWould-Be-GoodsとかHeavenlyとか懐かしい名前が並んでいたので、つい見にいってしまった。

ぜんぜん知らなかったSkep WaxというのはHeavenlyのAmelia Fletcherらがオーナーのレーベルで、Sarah Recordsあたりから流れてきていると思われ、自分はSarahに夢中になるほどの若さはなかったので、たまにZEST(っていうレコード屋が渋谷にあった)で7inchを買うくらいだったが、80年代初に英国のインディペンデントレーベルに小さくない影響を受けたものとして、Sarahなどは、ほぼ最後の砦 - 抵抗のようなかんじではあった。グッズの売り場にはzineとかもちゃんと並んでいて、えらいなー、って。 あと、今回見たどのバンドも細々とではあるがずっと活動は続けていたようで、その辺もえらいなー、って。 

Would-Be-Goods, The Orchids

18日、金曜日の晩にThe Lexingtonていうパブの2階のようなところで。別の小屋と勘違いしていて着くのに時間がかかった。

客層もバンドもみんな白髪の熊みたいな老人ばっかりで微笑ましい。青白い青年ばかりだった気がしたThe Orchidsもそうで、もともと演奏が巧かったり激しかったりのバンドではなかったので、お年寄りが趣味でやっているご近所バンドのように聞こえてしまうし、”Take my hand ~”とか歌っても青年時と今とでは意味合いが全く変わってきてしまうのも微笑ましい。

この晩のトリ、Would-Be-GoodsはSarahではなくél Records/Cherry Redで、その背後にはThe Monochrome Setのメンバーもいたりしたのだが、ヴォーカルのJessicaをのぞいてメンバーは入れ替わって、ヴォーカルはHue Williams(The Pooh-Sticksのひと)とJessicaのツインで、結構ストレートで歯切れのよいIndie-popになっていて、だから”The Camera Loves Me”も”Emmanuelle Béart”もやらない。ギターが尖っててよい音だなー、と思ったらThe Dentistsのギターのひとだった。さすが歯科医。

Heavenly, Lightheaded

19日、土曜日の晩の会場は、Islington Assembly Hallという市民ホールみたいなところで、フロア(1階)とバルコニー(2階)がある。体力がないのでバルコニーで座る。

最初(順番としては二番手)のLightheadedは男2女2のグループで、ぺなぺなに薄いギターと合唱の重なり具合が絶妙で、スコットランド(グラスゴー)/イングランドローカルの伝統的なやつか.. と思って聞いていくと、途中でUSのニュージャージーから来たというのでびっくり。 となるとVelvets〜The Feeliesあたりの流れが浮かんできて、ほんの少しのSonic Youthが混じる。「ハムステッド・ヒースに行ってみたけど、イギリスは木がちがうねー」とか、よくアメリカ人が言うことをそのまま言ってたりいろいろ侮れなくて、とてもよいと思った。

トリのHeavenlyは現役バンドの勢いばりばりで、かんじとしてはBikini Killの復活を見た時のよう、と思った。
次の曲は90年代のか最近のか? で謎かけをしたりしながら流していくのだが、結果そんなに昔から変わっているようには聴こえなくて、それでよいのかも。当時からの熱心なファンが多くて、2階でもみんなほのぼのと合唱していた。35年間ずっとこれ、ってやはりすばらしいことではないか。

バンドメンバーの経歴みたらWould-Be-GoodsにもいたギターのPeter Momtchiloffはオックスフォード大学出版局で哲学の編集者をやっていたというし、キーボードのCathy Rogersもオックスフォードで神経生物学の博士号取っているし、なんかすごい。


夏のライブシリーズはBBC Promsが始まったので、しばらくはクラシックの方にうつる。

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