7月2日、水曜日の晩、↓の”The Swimmer”を見てから、BFI IMAXで見ました。
海パンいっちょうで、ひとりで歩いてプールを渡っていく男の話と最先端ハイテクのユニフォームを纏って世界をぶっ飛ばしていくF1レーサーの話のギャップがすごいと思ったが、主演男優でいうとBurt Lancaster→Brad Pittのオトコの映画なので、そんなに段差はないかも。
前もここに書いたかもだが、クルマもスーパーカーもF1も子供の頃から一切、他のスポーツと同様なんの興味関心も持たずに来てしまったので、これを見ようかどうしようかも含めてちょっと迷っていた。別に見なくても暮らしていけるのだが、いっぱい宣伝しているし、”Filmed for IMAX”とか言われるとなんか弱いのかも(ということに気づき)。
Sonny Hayes (Brad Pitt)はキャンピングカーで寝泊まりしながらデイトナとかで日雇いレーサーなどをして気楽に暮らしていて、ナリはぼろくても結果は出したりしていて、そんなある日、昔のレーサー仲間だったRuben (Javier Bardem)が訪ねてきて、彼のF1チームに入らないか、って英国への航空券(ファーストクラス)を置いていく。
彼は30年前のF1のサーキットで乱暴運転で大事故を起こしてからその世界からは退いてギャンブラーをしたりタクシー運転手をしたりで生きてきて、Rubenは彼のところの若手レーサーで昇り龍のJoshua Pearce (Damson Idris)の横に置いて、どんな化学反応が起こるかも含めて見ようとしているらしい。
でもPearceからは「おじいさん」呼ばわりされ、最新の技術にもうまく適応できず、最初のうちは問題ばかり起こしていて、「F1はチームプレーなんだから」って諭されたり、技術者の女性と仲良くなったり、事故を起こしたり起こされたりで険悪だったPearceとの仲も修復されていって、最後のアブダビのサーキットまでくるの。
外からやってきた得体の知れない老人が一番やばいやつで、でも最後に頼りになるのは彼だった、みたいな話は”Top Gun: Maverick” (2022)にもあったし、少子化が進むなか、シニアに求められることもいろいろ、とか昨今のうさん臭い巷の話にもきれいにはまって、やがてそれがチーム全員の結束を高めて… あたりまでくるとさすがに吐気がしてやってられない。なーんのひねりもない、気持ちわるくなるくらい外ヅラだけ綺麗にポリッシュされた男の勝負の世界のドラマで、それがブランド広告の束と「ステークホルダー」にまみれた流線形の車のボディにきらきらと映しだされると、よくできたPVみたいで、騙されるなみんなー! って叫びたくなる(そしてあっというまに轟音で消される)。
思ったのは、今ゲームでいくらでも(限りなくリアルな)疑似体験ができるようになってきている中、F1のゴージャスな体験(みんなどうして自分はパイロットだって思うのか?) ってそんなに求められなくなってきているのではないか、むしろ、オリンピックやワールドカップや万博と並んで、一部の金持ちと広告屋とやくざを儲けさせるだけの、地球にとっては有害でしかない屑イベントになっているので、そこをどうにかして業界として盛りあげたい、バブル期の夢よもう一度、になっているのではないか。だから主人公はPearceではなく、年寄りHayesの方だし、プロデューサーはJerry Bruckheimerだし、しょうもないなー、って。 (あと、若い子向けのは”Gran Turismo” (2023)でやったから?)
というかんじで全体にあんまのれなかった。パッケージ商品としてよくできているとは思った。
あと、McLaren Technology Centreが出てきた。むかしなんかの仕事で行ったなー。
7.10.2025
[film] F1 The Movie (2025)
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