7月11日、金曜日の晩、Hyde Parkで見ました。
毎年のBST (British Summer Time) Hyde Parkのコンサートシリーズ。 今年はこれだけ - 最終13日のJeff Lynne’s ELO(ELOのLast Concertとなるはずだった)はJeff Lynneの体調悪化で当日にキャンセルになってしまった。これのひとつ前のライブもキャンセルされていたのでどうかなー、だったのだがやはり無理だったか。"Mr. Blue Sky"を夏空の下でぴょんぴょん跳ねて歌いたかった。とにかくお大事に、ゆっくりと回復されますように。
Jeff Lynneは77歳。この日(11日)のライブの出演者でいうと、Van Morrisonが79歳、Yusuf/Cat Stevensが76歳、Neil Youngが79歳。 年齢のことは話題にしたくないのだが、いつ見れなく/聞けなくなってもおかしくないし、そんなことより自分だって昔の勢いでライブに通える状態ではなくなっているのよ、といったことを噛みしめつつライブに向かうが、襲いかかってくるロンドンの熱波はまったく容赦ないのだった。
Van Morrisonの開始が16:30頃。14:00に会場は開いて既にいろんな人が演奏しているのだが、ふつうに仕事のある金曜日なので、17:00に着くのがやっと。Van Morrisonはもう何回か見ているのだが、ここ数年のジャジーなアンサンブルをゆったり聞かせて最後に”Gloria”でゆるく踊らせてしめる、といういつもの。
Yusuf/Cat Stevensはがっちりしたバンド編成、あの暖かく柔らかい声で、昔のCat Stevensの歌々がしみる。TVの東京12chで何度か放映された『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』 (1971)で初めて彼の音楽に出会った時の驚きが蘇る。彼がボスニア・ヘルツェゴビナについて静かに語ったこと、それらを踏まえた最後の” If You Want to Sing Out, Sing Out”~”Wild World”はたまらなかった。もうじき本が出版されるそうで、これはこれまでさんざんあることないこと言われ書かれてきたことへの回答になっているはず、と。
Neil Youngの開始は20:20。日陰を求めて這いまわって(洒落ではなく)隅に隠れていた人々も出て来るが、まだ陽は高く、背後からものすごい西日が。
1曲目の”Ambulance Blues”(アコースティック)、2曲目の” Cowgirl in the Sand”(エレクトリック)までで約20分。
彼の最近の健康状態の話を聞くと、もうCrazy Horseと一緒にやっていた頃のようにエレクトリック・セットでぶちかますことは難しいのではないか、と思っていたところにThe Chrome Heartsをバックに据えたツアーを始めて、The Chrome Heartsのメンバーが結構若い人たちに見えた(鍵盤/オルガンのSpooner Oldhamだけは別)のでどうかなー? だったのだが、2曲目までの出音はびっくりするくらいよいの。「荒ぶる馬」から「鋼の心臓」へ。Crazy Horseのタンブルウィードがなぎ倒していく勢いも鼓膜を震わす音圧もさすがにないが、アコースティックとの対比で、エレクトリックで鳴る/鳴らすアンサンブルはこれだ、という像を囲んで全員が集中してそこに向かっているようで、Lou Reedの最後の方のバンドの音がこんなふうに鳴っていたことを思いだす。 それにしても、いつも素朴に思ってしまうのだが、Neilのあのギターは、どうしてあんなふうに鳴るのか、と。
2曲目以降、エレクトリックがしばらく続いて、アコースティックになり、全体としてはやさしく穏やかに鳴らす、届けようとしているようで、”Southern Man”~”The Needle and the Damage Done”の流れ、少し置いての” After the Gold Rush”などはたまらなかった。“Like A Hurricane”も聴きたかったよう。
アンコールの一曲目、“Throw Your Hatred Down”の終わりに、彼はギターから手を離して「汝の怒りを捨て去れ」と何度も説き聞かせるように、祈るように歌って、その後の”Rockin' in the Free World”で再びカオスの渦にクビを突っこんでいって、エンディングをえんえん引っぱり引き摺って再びあのリフに、を繰り返して、その3回目に突入しようとしたところで、時間オーバーでPAの電源を落とされていた(新人バンドか)。
もう思い残すことはなにも、になりがちなのだが、このライブはできればもっと、もう一度聴きたい、になった。この日はやさしく穏やかなモードだったが憤怒が吹きまくって”Cortez the Killer”で終わるようなやつを。
帰りの地下鉄がぐじゃぐじゃで帰宅に1時間くらいかかって、週末どうしてくれる? って言うくらいしんだ。
The Messthetics & James Brandon Lewis
7月7日、月曜日の晩、Café OTOで見ました。 Two DaysのDay One。
アンサンブルといえば、この4人もすばらしかったの。 FugaziのJoe LallyとBrendan CantyにギタリストのAnthony Pirogを加えたトリオに、ジャズのサキソフォン奏者James Brandon Lewisが加わった構成。ブルックリンのライブハウスBell House(なつかしー!)で出会って、ケミストリーを感じたので一緒にやり始めたそうで、この4人による新譜(Impulse! からのリリース)も売っていた。
前座なし、アンコールなし、1時間半びっちりで、ばきばきに硬いブロックを重ねては律儀に崩して積んでを繰り返すFugaziのリズムに、上になったり下になったり一重になったり変幻自在に絡みまくるギターとサックスの縄と網目模様がおもしろく、形態としてはたぶんジャズ、なのだろうが、そんなのどうでもいいから聴け! になるのだった。かっこいい! とか きもちいい! 以前にそのうねりに巻かれて動けなくなる。
7.16.2025
[music] Neil Young & The Chrome Hearts
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