7月6日、日曜日の午後、CurzonのBloomsburyで見ました。
BFIのMoviedrome特集の2本の間に時間があいたので、新作を。
Deborah Levyの2016年の小説をRebecca Lenkiewiczが脚色して監督して、今年のベルリン国際映画祭に出品された作品。
Sofia (Emma Mackey)と母のRose (Fiona Shaw)がスペインの海辺の町に滞在している。Roseはずっと車椅子生活でSofiaが介護して面倒を見ていて、Roseの治療のためにDr Gomez (Vincent Perez)のところに通っている。 Roseは我儘で身勝手な、所謂「毒親」のようで、彼女から少しでも離れていたくてSofiaは日中、ビーチでうだうだ転がっていて、ずっと浮かない顔をして、どこにも行けない。
そんなある日、馬に跨ったIngrid (Vicky Krieps)が夢のなかのように現れて話しかけてきて、その謎めいたかんじに惹かれて親しくなっていくのと、母とふたりでずっといると滅入るばかりなので、ギリシャにいる父を訪ねてみたりするものの何がどう動くわけでもなく、そのうち母は高額な治療費のことで医師に噛みついたり…
夏のバカンスの日差しのなか、ゆるやかに吹き溜まってSofiaの視界を塞いでいく不満と不安と、そんなのお構いなしにグチや文句を言いたい放題、癇癪を起してばかりのRose、Sofiaを底から救いだしてくれるかと思えたIngridも、彼女なりの問題を抱えていたり、真夏のHot Milkのようにぜんぜん欲しくないものばかりが勝手に溢れかえってSofiaのまわりをゆっくり回転して止まらなくなっていく様をサスペンスフルに描いていて、なにがどうなるのかの緊張感はなかなかなのだが、あの終わり方はどうなのか、は少し(原作を確認してみようかな)。
Fiona Shawの弱さをカバーしようとするが故の凝り固まった頑迷さ、これと対照的なVicky Kriepsのタコのような柔らかさの間で殆ど喋らずに太陽の下ですり減っていくSofiaの焦燥感はものすごく伝わってきて、自分だったらどうなったか、どうしただろうか、等を考えたりする。こういうのってあるんだろうなー、とか。
Jurassic World: Rebirth (2025)
7月6日、日曜日の晩、Picturehouse Centralの一番大きいスクリーンで見ました。
”Sweet Smell of Success” (1957)の後、もう3本見て疲れていたのだが、この前の週末に公開になったこの作品は、早く見ないとこの週公開の”Superman”に埋もれてしまう懸念があって、この週は他にもいろいろあって忙しくなりそうなので、この日の4本目として見た(イタリア西部劇 → 現代毒親 → ノワール → 恐竜)。 恐竜さん踏みつぶして、っていうくらいつかれた。
脚本に最初の頃のJurassic Park (1993)を書いたDavid Koeppを持ってきて、もはや”Park”だろうが”World”だろうが何本あって何がどうなってきたのだか、誰も気にしていないし、最初にあんなことをしてしまった以上恐竜は増え続けるしかないのだし、物語世界にとっては追い風のような地球温暖化問題も出てきてくれたので、大手を振って怪獣映画にしちゃえばいいんだ、って呼ばれたのがGareth Edwardsで、Gareth Edwardsだから無理してみた、くらい。
冒頭、恐竜の遺伝子でなにやらやっている施設でスニッカーズの袋の切れ端から大惨事が起こって恐竜が逃げだして、それから数年後、製薬会社の悪そうな幹部Rupert Friendが、治療薬開発のために3種類の恐竜のDNAサンプルを採取すべく、軍のScarlett JohanssonとかMahershala Aliに頼んで調査・捕獲隊が組織されて現地に向かうのだが、途中で漂流していた家族を拾って、島に着いたらやっぱりうじゃうじゃ… の展開になる。
これは恐竜映画であって怪獣映画ではない、というのが言い訳になるのか、ああいう絶海の孤島で恐竜がどんなふうに現れて寄ってくるのか、どんなふうに人を襲うのか、過去のでわかっちゃっているのであんましぞくぞくしなかったかも。ありえない場所からありえないふうにめりめりめりって現れないと、あれじゃサファリパークやテーマパークのアトラクションと同じよね。
あと、あの家族&安っぽいガキは必要だったのか。ストーリーに膨らみは出た(…出てないと思うけど)のかも知れないが、見たいのは怪獣(いや、恐竜)であって家族ドラマじゃないし、同様にミリタリーアクションもそんな見たくないし。Black Widowみたいにやってくれたらよかったのにそれもないし。
あと、最後に出てきたあの恐竜、遺伝子操作されているからか知らんが、ナリはどう見ても怪獣だよね。それでよいんだけど、そこだけ? ってなったり。
7.18.2025
[film] Hot Milk (2025)
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