25日の金曜日は山に行った日で、AIさんに山にいくのは金曜日と土曜日どちらがよいか教えて、と聞いたらどっちも雨だけど金曜のがまだましかも、と言われたのでそうして、あと日帰りだとどの辺がよい? と聞いたらリギ山とユングフラウの方、と返ってきて、でもユングフラウは登山の恰好しないときついよ、と言われたので、リギ山のほうにして、帰りは湖を渡ってルツェルンを観光して帰りましょう、と。
山のふもとまで普通の電車で来て、山頂に向かう登山電車に乗り換えるのだが、そこから霧がわんわんでてきて、牛がいたよ! と思ったら雨がざーっときて、山頂(1700mくらい)にいっても2m先が見えないくらいの霧というか雲で、周囲には誰もいない。することもないので、ロープウェイの乗り場まで1時間くらい自分の足で下っていく。レイクビュー・ウォークと呼んで天気がよければ湖の眺めがすばらしいらしいのだが、とにかく人がいないしなんも見えないし。
道端にはなぜかでっかいなめくじさんがいっぱい湧いて出ていて、生きて動いているものはそれくらい。あとは霧の向こうから牛の首につけた鈴の音と、たまに牛の声が聞こえる。霧になめくじに鈴の音、突然でっかい鋤かなんかでばっさり、のホラー映画の世界だとしかおもえなかったので、小走りに近い勢いで降りていったら翌日以降、足が(休足時間を忘れたのは本当に愚かだった)。
ロープウェイで降りる時も下界は真っ白で、終点の湖のそばに来てようやく霧が晴れて、以降は嫌味のような快晴になって、山にいた時間は夢のなかだったかのようにボヤけたまま、なんとなく憮然とした状態で船に乗り換えてルツェルンに向かう。
Kunstmuseum Luzern
湖畔にJean Nouvel設計によるでっかいガラスの箱 - Lucerne Culture and Congress Centreが建っていて、美術館はそこの4階にあって、船を降りてすぐそれとわかって、5分で入れる。なーんて素敵な文化施設。
Kandinsky, Picasso, Miró et al. back in Lucerne
1935年、開館したばかりのルツェルン美術館は、”These, Antithese, Synthese”と題された展覧会を開催する。当時台頭していたナチスドイツによって「退廃的」とされていたKandinskyやKleeやMondrianといった画家たちの - 他にはMiró, Taeuber-Arp, Picasso, Braque, Giacometti, Calderなどの作品を中心に、画家たちのアトリエから直接搬入するような形で組織して展示したのだった。
そこから90年経って、展示されていた作品たち、展示レイアウトも含めて再現した時に見えてくるものは何か? 美術館や美術の社会におけるありようも変わってしまった今、当時は存命していた作家たちの、弁証法的な切羽詰まった息遣いは後退して... と思うほど簡単でもなく、作品そのもののエッジとか、それらが束になって重ねられた時に見えるものもあるのだなあ、って思った。MiróやBen Nicholsonがあんなにクールにかっこよく映えるなんて。
Sereina Steinemann
スイスで1984年に生まれたアーティストで、Luzernの出版文化賞を受賞した彼女の記念展示。
広告や玩具、ポップアートなどを可愛い絵柄でほんのり「なにこれ?」ってほっぽり投げてくる手つきが素敵だった。
この後は、まだ午後早めだったので、ルツェルンをふつうに観光した。イエズス会教会、カペル橋、瀕死のライオン像など。どれもそんなに混んでいなくてよい意味での観光気分に浸ることができたのだが足が重くなってきて…
3時過ぎにZürichに戻って、前の日に閉まっていて入れなかったCabaret Voltaire に行った。現在はギャラリーとイベントスペースとカフェをやっている。
自分にとってZürichと言えばダダ発祥の地であるこの場所で、学生の頃どれだけ行きたいと思ったことか。カウンターの端でZineとか出版物も売っていて、少しだけ買った。
残りはベルンとバーゼル。
7.29.2025
[log] Luzern - July 25 2025
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