8.28.2024

[theatre] Hello Dolly

8月18日、土曜日の晩、London Palladiumで見ました。

こういうミュージカル(例えばレ・ミゼラブルとかファントムとかライオンとかママミアとか)って、これまであまり.. どころかぜんぜん見てこなかったのだが、これはとても評判がよいのと歌って踊るImelda Stauntonさんを見てみたかったので。

原作はThornton Wilderの”The Merchant of Yonkers” (1938) – ただ起源はこれのずっと前1835年まで遡れるそう - そして1954年に”The Matchmaker”と改題。音楽はJerry Herman、演出はDominic Cooke。

Dolly Gallagher Levi (Imelda Staunton)はNYに暮らす未亡人で、お節介な仲介人というか縁結び屋でそのためならなんでも - みたいな稼業をずっとやっていて、NYという街がいかにそういうのに適したソサエティであるか、が流れていく街と湧いてくる人々の描写とともに冒頭に活写されて、それだけでうおおーってなる。ミュージカルすごい(単純)。

Dollyは堅物のお店オーナーで郊外のそこそこ金持ちであるHorace Vandergelder (Andy Nyman)からの依頼を受けて再婚相手を探しているのだが、自分の仕事のこともあり、金とコネにまみれたHoraceが自分にも彼にも適切なマッチングなのでは、と思うようになってて、でも彼はマンハッタンで帽子屋をやっているIrene Molloy (Jenna Russell)にプロポーズするのだと、これからマンハッタンに出かける、という。

Horaceのお店の店子で若いCornelius (Harry Hepple)とBarnaby (Tyrone Huntley)は、こんなところでくすぶっていないで都会に出てぱーっとやりたい、行こうぜ! ってHoraceが出て行った後を追うようにマンハッタンに向かって、帽子屋に入ったらそこにいたIreneと店員のMinnieと出会ってダンスをして - CorneliusとBarnabyにダンスを教えたのはDolly - みんなで14th streetのパレードを見て、そこで流れていた"Before the Parade Passes By" – よい曲! – を聴いてみんなそれぞれにパレードが行ってしまう前に! って勝手な決意をして、HoraceとIreneのお見合いの場であるはずの高級レストラン - Harmonia Gardens – にみんなが集結して、最後の修羅場.. じゃないすばらしくアクロバティックな – でも誰もがわかっていた – 大円団になだれこむの。

最初は、これは昔の映画を見てもよく思うことだが – なんでみんなそんなに無理して/意地でも結婚に向かおうとするのか、死別したのならそこで終わりにすればよいのに、狙っている相手がいるわけでもないのになんでわざわざ相手を探しだすまでして再婚したがるのか(Dollyは結婚生活の醍醐味は喧嘩だ、とまで言う – わかんない)、そこだけ引っかかるのだが、それはたぶん、当時はそういうものだったから、でしかなくて、結婚相手を「お友達」くらいに考えて、その点さえ乗りこえてしまれば、Dollyの仕事 –ぜったい誰かと誰かをくっつけるしそのためになんでもやる - も含めて納得がいって、みんながんばれーになるし、竜巻Dollyを起点としたちょっと変わったスクリューボール・コメディになるのだ、と思った。もちろんこんなのは誰がやってもできる芸当ではなく、Dollyじゃなきゃ無理だからー、と。 昔の邦画とかを見ても、こういうくっつけたがりのお節介おばさんは割とどこにでも顔を出してくるので、当時の社会がそういう人を介して広がったり階層も含めて維持されたりしていたのか。そんな熱と勢いを感じて、よいわるいは別として、これはこれでよいのかも。

あとはNew Yorkという都会の、なんでもありの様相 - ショッピングして、パレードに参加して、レストランでお食事して、のいろんな連なりが可能にする出会いだよねえ、と。

それにしてもImelda Stauntonさんがあんな素敵に歌える人だとは思わなかった。映画でもどこかで披露しているのかしら?

過去に舞台でDollyを演じてきたのは、Barbra Streisand (1969)、Bette Midler (2017)、 Betty Buckley (2018)  など。並べてみるとすごいかも。

あと、舞台の下のフルオーケストラのどこまでも爽快な鳴りとノリと。

こうして昼に見た”Alien: Romulus”のこわいのは宇宙の果てに消えた。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。