8月17日、土曜日の昼、BFI IMAXで見ました。
こういうのは金曜日の初日の晩に見るべきかも、と思いつつ、怖くて眠れなくなる可能性があったので土曜日の昼の回にする。 晩には”Hello Dolly”のチケットを取ったので怖いのはたぶん消えてくれる。
というくらいなので”Alien” (1979) も“Aliens” (1986)も映画館できちんと見ていない。なので今回のは”1”と”2”の間、とか言われてもわからない。("Prometheus”との繋がりはわかった) 最近のSNSで「xxを見ていない(本数も)くせにyyについて語るな」みたいな言い合いを見たが、ほんと日本の映画批評界って偉ぶりたい男中心に歪んでいて気持ちわるいねえ。
監督は”Don't Breathe” (2016)のFede Álvarez。
地球外のどこかの星のコロニーの採鉱現場で契約に縛られてほぼ奴隷としてどん底で生きているRain (Cailee Spaeny)とおどおどしてぱっとしないアンドロイド弟のAndy (David Jonsson)がいて、雇い主に次の契約を勝手に更新されてやる気も行き場も失い、元BFのTyler(Archie Renaux)に誘われて、廃船になって漂っている宇宙船から冷凍室を回収する旅に出ることにする。Tyler以外のメンバーは、彼の妹で妊娠しているKayと、あと恋人同士ぽいふたり、Andyまで入れると6人で、行ってみると廃船どころじゃないでっかい宇宙ステーションだったのだが、それでも貰うものは貰ってとんずらしちまえ、と。
ここから先は何かを頂戴するためにでっかい幽霊屋敷に入りこんだ若者たちのサバイバル・ホラーなって、誰から先にやられていくのかはなんとなくわかるし、敵がどんなやつかもわかっているので、いきなり食い破ってびっくり、以外のそんなに新たな面白みはないのかも、と思って見ていくのだが、思っていたよりもおもしろかったかも。
将来の希望を一切持てないまま自棄になっていた不良の若者たちに「生きろ!」みたいな臭いことを言わせたりドラマの方に向かわせようとしないで、ゴミ溜めから別のゴミ置き場のようなところに移っただけ、そこで自分たちを襲ってくる何かがうようよしているのがわかった時、彼らはそこに何を見てどう動こうとするのか。腐食金属と廃墟の暗がりを覆う粘液とか水とか、重力はあったりなかったり、敵は温度を感じて飛びかかってくるので冷たいまま、暖かさなんて許されない環境のなかでの食うか食われるか。 ”Alien”も“Aliens”も結構ちゃんとした宇宙飛行士たちがいたと思うのだが、今回のは湿気と粘り気たっぷりの、何が出てくるのかわからない、どっちみち明日のない廃墟/スラム街での生々しいドラマになっている。
あとは、弱っちく壊れかけのAndyを強くするのに、船内で朽ちていたアンドロイドのチップをAndyの頭にロードしたら見違えるようにシャープな動きを見せるようになったのだが、肝心なところで組織のミッションを優先する、とか言って助けてくれないのがなかなかしょうもなくて笑った。 だからAIなんてさー。
これまでのだと噛みついて寄生して殖えるしかない下等生物が人間さまに楯突くんじゃないよなめんな、だったのが、自分たちだって下層で見えない暗がりに吹き溜まるしかない存在で、でもここまで来たらやられないように戦うしかないのだ、という開き直ったシンプルなやり合い(通じあわないただの戦争)になっているのはこれでよいのか/どうなのか、とか。
主演のCailee Spaenyは、こないだの”Priscilla”のPriscilla役でも”Civil War”でも割とアメリカどまんなかを突っ切っていく役だったが、今回は人類をまたいでいくやつで、大変そうだけどかっこよい。
8.27.2024
[film] Alien: Romulus (2024)
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