8月11日、日曜日の夕方、Curzon Aldgateで見ました。
M Night Shyamalanの新作。彼の新しいのは随分と長いこと見ていなくて、でもそこにそんなに深い理由はない。いつもあんまがんばって見なくていいかー、くらいで済ましてしまっていた。
以下、ネタバレしていると思うが、今回、犯人はすぐわかっちゃうと思うのでー。 いやわかりたくないのだ!の人は読まないほうが。
よきパパっぽいCooper (Josh Hartnett)が娘のRiley (Ariel Donoghue)を連れて彼女のお気に入りの歌手Lady Raven (Saleka Shyamalan)のアリーナ(Tanaka Arenaだって)でのコンサートにやってくる。 ノリノリでずーっと楽しくてたまらなそうな娘に対して、パパにはあくまで義務で連れてきたっぽい真面目さが漂っていて、それもあるのかセキュリティのやや過剰にみえる厳重感が気になるようで、席についてライブが始まってからも盛りあがりについていけるかいけないかの線上であんまし落ちついていない。歌も音楽もどうでもよくて娘さえ楽しんでくれるのであればー、と。
付近にいる中年男がセキュリティに囲まれたり肩を叩かれてどこかに連れていかれる姿を何度か見るうちに、この会場で明らかに何かが起ころうとしていることを察知したCooperは物販売り場の人のよさそうな男と仲良くなって、会場関係者間の合言葉を聞きだしたり、関係者窓口に出入りできるセキュリティパスをくすねたり、その手口の鮮やかさから彼はなんかのプロでアリーナで起こりそうなテロなり事件なりに備えるか立ち向かおうとしているかに見える、のだが、M Night Shyamalanであるしそんな簡単なわけねーじゃん、と思ったのに実はそんな複雑でもなかったかも…
要はこのコンサート会場全体が凶悪犯ほいほいのトラップになっていて、その戒厳令状態 - 中年男性は会場から外に出すな - をどう突破するのか、がテーマなのだが、持っていき方がなんか雑で乱暴で、ライブの最中に何度も頻繁に抜け出して通路や物販のところに行くし、出たところではライブの最中なのに人々でひしめいているし(落ち着きのないアメリカのライブでもライブ中は場外にあそこまで人いっぱいいないと思う)、やがては歌手のLady Ravenまで巻き込んであんなふうに使ってしまうとはー - 大スターなのにあんな手薄でよいものなの?など。
ライブが始まってから会場内で捕まえようとするのではなく、入り口のチケットのQRを読み込む段階でそれなりの絞り込みはできる + その場で確認していった方が確実だと思うし、チケットを買ってそこに来なかったとしてそれも特定の材料になると思うしー。
後半はその輪郭が明らかになった犯人側 - 通称”Butcher”との知恵比べみたいな駆け引きに移っていくのだが、ここは意外性というより明らかに警察側の手落ちで転がっていく(ようにしか見えない)ので、あらあらびっくり! よりも、なにやってんの… ? の方が先に来てしまう。逆サイドからのも含めて「トラップ」が必要なのはこの後半部のほうだったのではないか。
先日Taylor Swiftの会場に爆破予告があってキャンセルになったし、過去にはテロも起こっているし、熱狂を引きおこすコンサートイベントは歓喜の奇跡みたいのも含めて何が起こってもおかしくないの坩堝なので、そこをうまく使えばいくらでもおもしろくできそうなのにー。 宇宙人でも地底人でも呼んでくればよいのに。それかこの晩のコンサート会場の客にはすべてある共通項があった、とか…
単なる親バカ噺でもあるのだが、主人公たちの他に監督とその娘もどっちも出演しているのでよかったねえ.. でよいのか。
あと、Lady Ravenの曲が弱すぎて、引きこまれない。これでよくアリーナまで行けたなと思うし、これじゃパパは途中で抜けたくなっちゃうわけだ、とか。
8.23.2024
[film] Trap (2024)
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