12月14日、日曜日の15:00の回をMenier Chocolate Factory Theatreで見ました。
前日に”The Forsyte Saga”を見てStratford-upon-Avonに泊まって、朝の一番早いやつ(たぶん)でバス・電車を乗り継いでロンドンに戻ってきたのが11時過ぎで、荷物を置いてシャワーを置いてなんとか。 なにをやっているんだろうか… ってたまになる。
原作はNoël Cowardの同名戯曲(初演は1925年)で、当初は当局の検閲に引っかかって上演が危ぶまれたそうだが、100年経ってみるとタイトル(堕天使)も含めて何が? になるところがおもしろくて、そして実際の劇もとてもおもしろかった。 演出はChristopher Luscombe。休憩1回の約2時間。
二方を客席が囲む小さなステージはアパートのリビングで、グランドピアノと大きなラジオがあり、アールデコ~ウィーン工房ふうのインテリアで、趣味も含めてとても裕福そうな家庭らしい。そこに暮らすJulia (Janie Dee)とFred Steroll (Richard Teverson)の夫婦も最初のやり取りを見る限り、特に危なそうなところはない。新聞に載っていた離婚の報道を話題にする程度。
その日はFredが友人のBill (Christopher Hollis)とゴルフに出かけるところで、JuliaもBillの妻で若い頃からの親友Jane (Alexandra Gilbreath)と一緒に午後を過ごそうとしていて、夫ふたりが出て行った後にこのリビングでのJuliaとJaneのお話しが転がって果たして”Fallen Angels”となってしまうのかどうか。
Janeが若い頃に付き合っていて、Juliaもその傍らに一緒にいたフランス人のMauriceがロンドンに来ていてふたりに会いたいらしい。この情報がふたりの日々の不満と妄想に火をつけて、タバコを吸ってお酒を飲んで酔っ払いながら、Mouriceの像は彼女たちの倦怠をすべて掃って楽園へと救いだしてくれる(or 若い頃のふたりの万能感を呼び覚ましてくれる)神のように輝きはじめる。その待ちっぷりときたら、まるで『ゴドーを待ちながら』のそれのよう。
このふたりの暴走を横で見ながら、ちょこちょこ横から突っこみを入れまくって楽しいのがスーパーメイドのSaunders (Sarah Twomey)で、フランス語ぺらぺら、ピアノもうまくて、ダンスもできて、会話の蘊蓄もいちいちすごくて、ふたりからあんた何者? とか言われつつ結果的に彼女たちの暴走は加速していって止まらない。(このメイドのパートはNoël Cowardが1958年に書き足したものだそう)
前のめりで獣のように突撃していくJaneと、ややおとなしめにあくまで理知的に動こうとするJuliaの描き分けもちゃんとしていて、それでも日々の不満がそれだけ溜まっているのか、自分たちの将来に対する不安なのか、酔っぱらってふざけんじゃねえよ!!になって管を巻いて転がっていくふたりの姿はあっぱれで、ここに共感できない人はいないのではないか。
そして終わりのほう、夫ふたりが戻ってきたところにMaurice (Graham Vick)本人が登場する。ごく普通にいつもの社交で対応する夫たちに対して、JuliaとJaneは堕天使の状態を経て、どう彼に向かっていったのか。
スクリューボールに近いコメディなので比べるのは違うのかもだけど、見てきたばかりの”The Forsyte Saga”のことを少し思った。特にPart2は1920年代のイギリスの都市部のお金持ちの話で、どちらも若い頃に燃えあがった恋が近くに現れて再びそれを燃えあがらせようとする辺りが。
12.26.2025
[theatre] Fallen Angels
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