11月27日、木曜日の晩、Curzon Bloomsbury内のドキュメンタリー上映専門のシアター - DocHouseで見ました。
Claire Keegan原作(2021)、Cillian Murphyが制作、主演した映画 - ”Small Things like These” (2024)で、そのエンディングで捧げられていたMagdalene laundriesの犠牲者たち – これ以外にも多くの映画で取りあげられている - その事件の全容をまだ存命している被害者たちと明らかにしていくのと国(アイルランド)への責任追及と謝罪を求めて奔走するJustice For Magdalene (JFM)の女性たちを追ったドキュメンタリー。 監督はAiofe Kelleher。ナレーションはImelda Staunton。
1765年にChurch of Irelandによって設立されて1994年に閉鎖されるまで数万人(少なくとも1万人)規模の女性、女児が監禁され、無給労働を強いられていたMagdalene laundriesについて、2013年、アイルランド政府は国として運営に関与していたことをようやく認めたものの、関与した女性たちへの正式な謝罪や補償を怠っていたので、女性たちが立ちあがり、Justice For Magdalene (JFM) を組織してその証拠、証跡を求めて各地で実態を調査していく。映画は生き残った被害者の女性たちの声を拾いながら、歴史学者、法学者、調査団の中心となった弁護士Maeve O’Rourkeたちの活動を追って、ボストン、国連、アイルランド、へと広がっていく。(施設で生まれた子供たちは引き離されてアメリカに里子に出されたりしていた)
実際の被害の地獄のような恐ろしさ - 脱走しても行くところがないので教会に助けを求めても、同じ教会だからって元来たところに戻されるとか - もさることながら、それ以上に、200年に渡って国による強制収容、拷問がふつうに行われていたことの恐ろしさがくるのと、その証拠を束にして提出して漸くその非を認めて謝罪したとか、国が取ってきた(こうして押されなければなにもしなかったであろう)行動の異様さのほうに目がいく。
後半は、これもものすごく気持ちわるいのだが、1993年ゴールウェイのSt Mary’s mother and baby homeで、796人の乳児と子供の遺体が棄てられていた件の真相を追っていく。このような遺棄が宗教施設で宗教の名のもとに行われていた、ということと、これも、こうして暴かれ晒されなければそのままで放置されて誰も何もしなかったであろう、というのと。
Testimonyを重ね合わせていくところから始まり、行動に駆られて連携していく女性たち、謝罪を勝ち取って祝福を受ける被害者の女性たちを静かに追って、カメラの前で前を見つめて証言していく女性たちは力強く、その勇気も含めて讃えられるべきだと思うが、それよりも、どこかにいるはずの(最大)796人の父親たちはどこで何をしていた奴らなのか、いまはどこでどうしているのか、ってそっちの方が気になる – 彼女たちの辛苦、失われた人生のことなんてまったく考えることなく、日々楽しく酔っぱらってげへげへしていたのだろう、とか想像するとうんざり。DNA鑑定して片っ端から公表しちゃえ、くらいのことは思う。
あと、国って基本碌なことをしないし止めないし、捏造だってするし、過去の政権がやったことなんて出向いて証拠ぜんぶ突きつけて要求しない限り絶対謝罪なんてしない、そういうクズ(が運用しているの)だから、とにかく信用しないこった。いまの政府がまさにそれ。
12.02.2025
[film] Testimony (2025)
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