8月12日、火曜日の晩、CamdenのElectric Ballroomで見ました。
前座はRed Crossだったのだが、BFIで映画を見ていて、小屋に到着したら丁度終わったところだった。
彼らのライブを最後に見たのって、2017年のBrixtonのやつ、その前になると2015年の新木場? そんなバカな、って辿っているのだが、そんなもんか..(10年前.. ?)
ステージ上にはドラムスが2台あって、メンバーはBuzz Osborne、Dale Crover、Steven Shane McDonald、Coady Willisの4名、この布陣は最強 - 比べるのが適切かどうかしらんが、今のNINと同じくらいの最強具合だと思う。
9時ちょうどにステージの袖からBuzzのギターによる”The Star-Spangled Banner”が鳴り響き、そのまま新譜の”Working the Ditch”から始まって約1時間10分、最後のDaleによるありがとう、のメンバー紹介のところを除いて、ノンストップで、ひたすらぶちかましてアンコールもなしで終わる。ギターがぐぁあああーんて唸りをあげるなか、ドラムス2台が畳みかけるように襲ってきて、ベースがそれをずたずたに刻んで、ギターは地平線と天空をどこまでも広げ、最後はギターが充満させた轟音のなかにすべてが消しこまれる.. そんなかんじのを延々やっていって、でもまったく飽きることがない。
最初は一番前の端っこで見ていて、全体も見たいかも、って少し後ろに寄ったら久々にモッシュの嵐に巻きこまれて、ちょっとだけ死ぬかもと思ったが、”Honey Bucket“から最後の”Night Goat”までの破壊力というかトドメを刺すかんじときたら、これ聴いたら死んでもいいかも/いや既に死んでる、のやつだった。久々に。
Daleの地面を蹴って穴を開ける、その強さと、そこに被さるCoadyの鞭のようにしなる飛び道具の鋭さ、このふたりのドラムスがあれば後はなんもいらない(いや、いるけど)。いまのKing Crimsonの3人のなんて、あんなのDisciplineでもなんでもないわ。
物販、ポスターがすごく素敵でほしかったのだが、いまどきCash Onlyだった。ポケットには£10一枚しかなくて…
Gibby Haynes
8月15日、金曜日の晩、Ishlington Assembly Hallで見ました。
一週間の間にMelvinsとGibby Haynesの両方を見れるなんて... お盆だから?
Gibby Haynesを、というかButthole Surfersを最後に見たのは2010年の大みそか、BrooklynのMusic Hall of Williamsburg(…もうない)でのカウントダウン・ライブだった。あの時は大みそかの祝祭感なんて微塵もない不穏で禍々しい音の渦に巻かれた。どんづまりの仕事 – なので暮れも帰国できず長期滞在していた最中だったので、その毒がものすごく沁みて脳の芯から痺れたことを思いだす。
席はホールの2階の椅子があるところを取っていたのだが、少し前に2階は使えなくなったので、1階に椅子エリアを用意するのでそちらへ、という案内がきた。会場に行ってみるとステージ前のフロア右手に囲いがあって、そこの椅子に(ほぼ老人たちは)誘導・隔離される。
前座は西海岸の女性アーティストEvicshenで、機材が載ったテーブルに跨ってターンテーブル(含む手持ちの)に繋がったいろんなケーブルや端子を口にくわえたり噛んだりびゅんびゅんしたりして、その接触でばちばちびりびり音を出したり変えたりしながら、客席まで下りてきて楽しい。けど感電してお亡くなりになりませんように、ってはらはらしながら見ていた。
これが終わったところでGibby Haynesが出てきて、今晩使おうとしていた機材に問題がでたのか届かなかったのか(ちゃんと聞いてなかった)、とにかく今晩やろうとしていた曲の殆どが演奏できない状態になった。メインの機材がない状態で演奏できるのは5曲くらいで、そこで相談だが、そんなの嫌なので帰る、っていう人には返金するか、5曲でもよいならここにそのまま残るか、どっちがいい? と。挙手の結果、返金を求めたのは5人くらいだったので、そのままやることに決定する。
次に出てきたのはGibbyのライブ本編でもバックを務める予定のThunes Institute for Musical Excellenceっていう子供たち(中学~高校生くらい?)のバンド、というかバンド的な組織。Thunesというのはベース奏者のScott Thunesのことで、80年代のZappaのバンドを支えた、変態が多い(なぜだろう?)ベーシストのなかでも極めつけ元祖変態のひとで、こんなのがいたいけな子供たちを集めて(or 親をだまして)School of Rockのようなことをやっている。
それぞれにメイクしたり衣装も考えたりの子供たちが演奏するのはRockやハードコアのスタンダードで、曲ごとに楽器を抱えたメンバーがぞろぞろ入れ替わっていくので見てて飽きないし、演奏はそれなりにちゃんとしていて、パブで聴いたりするアマチュアのよりはましかも、だけど、あんな子供に”Rapture”(Blondieの)とか歌わせてよいのか、にはなる。人の曲をやるのもいいけど、まず自分の言葉を見つけたまえ、って少しおもうのだが、もうそんなのどうでもいいや。
Gibbyの機材の件があったせいか子供たちバンドの時間は長め(レパートリーはいくらでもあるようだった)、子供たちバンドと一緒のGibbyは、譜面台をめくって歌詞を見ながら演奏を始めるのだが、Jack Black(そういえばMelvinsのライブでステージ脇に立っていた)が率いるSchool of Rockよりも見た目も含めて数百倍やばそう、しかもこっちはフィクションじゃなくて実際にヨーロッパをツアーしてるし。
おもしろいのは、前座でRockのスタンダードを演奏していた時よりも演奏がガタガタしたジャンクのそれになっていったことだろうか。これはヴォーカルのお爺さんの仕様と挙動が招いたものなのか、そもそもの曲がそういうものなのか。たぶん両方あって、もちろんButthole Surfersの腐臭とか死臭とかは漂ってこないものの、実験としてはおもしろくて、改めてジャンクとは、ガレージとは、を考えさせてくれるような音になっていた気がする。
結局5曲どころか10曲くらいやってくれて、”Sweet Loaf”や”Graveyard”を聴けたからよかったことにする。
8.18.2025
[music] The Melvins
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