8.12.2025

[film] Freakier Friday (2025)

8月8日、金曜日の晩、CurzonのVictoriaで見ました。

20:15開始の回で、オールナイトのPromsに行く前にこんなの見たら疲れて寝てしまうのではないか、という声もあったのだが、この映画を公開初日の金曜日に見ないでどうする? という別の声に負けた。

“Freaky Friday” (2003)のダイレクトな続編で、沢山のキャストがそのままの役柄で彼らの22年後を演じている。監督は”Late Night” (2019) – だいすき - のNisha Ganatra。

オリジナルのは大昔にTVで見た程度、当時はいて捨てるほどあったバカ映画のひとつ、程度の認識だったのでそんなにきちんと語れるわけではないのだが、この続編を見ると、キャスト全員にとってとても大切な作品なのだ、という真剣さがわかったし、実際にとても大切なことを語ろうとしている、というのもわかって少し反省した。

母親のTess (Jamie Lee Curtis)と娘のAnna (Lindsay Lohan)が入れ替わりを経験してから22年が経って、Tessはセラピストをやりながら自分のPodcastをやったりしていて、Annaはシングルマザーとして娘のHarper (Julia Butters – “Once Upon a Time in Hollywood” (2019)でDiCaprioを説き伏せていたあの娘) を育てながら音楽プロデューサーとして動きまわっている。 

Harperは同じクラスのロンドンからきたLily (Sophia Hammons)となにかとぶつかって問題を起こし、校長室に呼ばれたAnnaとLilyのシングルファーザーであるEric (Manny Jacinto)はあっさりわかりやすく恋におちて、そこから半年後、ふたりは結婚することになるのだが、それによって義姉妹になるHarperとLilyは当然おもしろくなくて、Lilyはロンドンに戻りたいようだし、ロンドンに戻るとなるとAnnaもそれについていって、自分はおばあちゃんのTessとLAに残されてしまうかもしれないし。

Annaのバチェラーパーティでうさん臭いMadame Jen(SNLのVanessa Bayer)から占いで不吉なことを言われたTessとAnnaは過去のあれを思いだして身震いして、時間をおいてHarperとLilyも見てもらったらやっぱりどうにも不吉で怪しくて、その夜更けに地震を経験した4人が目覚めてみると… Tessの中味はLilyに、Annaの中味はHarperに、Harperの中味はAnnaに、Lilyの中味はTessになってしまったのだった。

こうして大人たちになった(の身体を手にした)子供たちは、げろげろーとか言いつつAnnaとEricの結婚を断固阻止すべく動きだし、子供たちになった大人たちは、X世代の青春を謳歌すべく暴れまくるのだが… 

入れ替わりによって巻き起こる騒動と、結婚式当日に向けた親子間の諍い、うんざり、などなどをクロスで追って、でも登場人物の人格が全部替わっているので、あ、そういうことか、っていちいち確認しつつ追っかけるのが大変ではあるものの、こういうファミリーコメディの定番のハッピーエンディングにもちろん向かっていって、その予感も含めてなんの違和感もない。クライマックスはAnnaが昔作ったラブソングを彼女がマネージメントをしている人気歌手のElla (Maitreyi Ramakrishnan)がライブ会場で歌うシーンにみんなが居合わせて、ここでなにが起こるのか(ぜんぶ定番、だけどこれこそが)。

母娘であるAnnaとHarperが互いに入れ替わるのはわかる。でもなんの関係もないTessとLilyが入れ替わるってどういうことなのか、っていうのはちょっと考えて、これこそが”Freaky”→“Freakier”たる所以なのか、と思いつつ、これを軽々嬉々と演じ切っておつりがきてしまうJamie Lee Curtisの余裕の高笑い(演技)にやられる。 ”Halloween”シリーズと同じくらい彼女がいなかったら成立しないコメディ(あっちはホラーか)。

映画を見ていると、入れ替わることで、筋肉とか神経系は元の持ち主のものが使えるじゃん、そうすると頭の回転とか計算能力とかもそうなるのか? 味覚や嗅覚は? とかどうでもいいことばかり考えてしまう。

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