3月1日の土曜日、日帰りでパリに行ってきたのでその備忘。
一週間後には日本に行かなければならず(行きたくない)、しばらくの間、行けなくなってしまうのは悲しいから、という理由で。
ここんとこ、パリの滞在は、1泊滞在して、うまく時間を使えなかった → これなら日帰りで十分 → 日帰りだとやっぱり時間が足らなすぎ →1泊にする – のループを繰り返していて、やっぱり1カ月くらい(1週間でもいい)塩漬けになってみないとだめよね、と思い始めている。
今回は特になにがなんでも、というのはなかったのだが、こまこま見ていくとそれなりに出てくるし、なくたって本屋でも食べ物屋でもいくらでもあるし、でも引越し直後で体力あまり残ってないからー、など - こういう時はだいたいなし崩しでしょうもないことになる。 でも日帰りならいいんだ。
9:30くらいにパリ北駅について、そのままGrand Palaisの塩田千春展に行ってみる。チケットはぜんぶ売り切れていることは知っているが当日の分が出ることもある、ことも知っている。
こういうのは慣れているので、この列だろうな、というのに並んで待っていると、そのうち係員の人が来て、フランス語で何か言うのだが、それもだいたい、並んでもらっても入れる保証はありませんよ、と言っているのだ、というのもわかる。1時間くらい並んだところで何か言われて、それで列全体が崩れたので、もう本日分は終わりかー、とわかった。念のため英語で聞いてみるとやはりそうで、明日また来てね、と言われたが、明日はないんだよ。
ルーブル(だけ)は14時のチケットを取っていたので、それまで、マレ地区の方にいって本屋を見たり、MuséePicasso Parisに入って展示–“‘Degenerate’ art: Modern art on trial under the Nazis”を見たり。 いろんな画家の作品が出ていておもしろいのだが、” Modern art on trial under the Nazis”という観点だとちょっと弱いかも、というかテーマとして広すぎて難しいような。
LOUVRE COUTURE: Objets d'art, objets de mode
英語だと”LOUVRE COUTURE: Art and Fashion: Statement Piece”。 Kinoshita Groupがサポートに入っている。
ルーブル美術館初のファッション系の展示、ということで注目されているが、METやV&Aのそれとは随分違う、違うことを狙ったのだろうな、というのはわかる。
リシュリュー宮の膨大な宮廷装飾品の豊かさと分厚さを見せつけるために、現代のファッション・アートをぽつぽつと置いてみました、というかんじで、ブランドやデザイナー目当てでいくとちょっと外れるかも。ながーい宮廷・貴族文化の文脈に置いた時にモダンのクチュールがどう映えるのか、そーんなに映え映えいうならここまでやってみろ、と。
確かにこういう展示ができる美術館は限られてきてしまうかも、というのと、ルーブルのいろんな装飾品がお蔵だしのように気合入れて並べられていて、服飾よりもそっちを眺める方が楽しかったかも。
Revoir Cimabue: Aux origines de la peinture italienne
英語だと、”A New Look at Cimabue: At the Origins of Italian Painting”。
こちらの方が見たくて会場に行ったら、この展示は別にチケットがいると言われて、えー、それなら今オンラインで取ったら入れてくれる?ってスマホを出したらめんどくさそうにいいから行け、って入れてくれた。ありがとうー。
13世紀イタリアの巨匠チマブーエを再発見しよう、という企画展示。修復された”Maestà” - 『荘厳の聖母』と、2019年に台所で見つかって修復と獲得を終えた『嘲笑されるキリスト』を中心にDuccioや弟子のGiottoの『聖痕を受ける聖フランチェスコ』なども並べて、「絵画」的ななにかが地面からめりめりと立ちあがる瞬間、のようなものを沢山のキリストやマリアの目 - あの目! のなかで感じることができる。10年前だったらこういうのあんま興味なかったのだが、最近おもしろくてねえ。
カタログ、どうしようか散々悩んで、英語版がないので諦める… 5月までやっているので次来た時にたぶん買う。
そして、今週末からはNational Galleryで待望の”Siena: The Rise of Painting, 1300 ‒1350”が始まる。それでたぶん(また)簡単にイタリアに行きたくなってしまうにちがいない。
あとは、Yvon LambertとかL'INAPERÇUといった本屋でいろいろ漁っていた。引越しした直後なので当分の間は怖いものなんてなにもないの(..ちがう)。
そして最後はいつものようにLa Grande Épicerie de Parisでいろんな食べ物を買いまくり.. たかったのだが、一週間後に帰国なので最小限にせざるを得ない。引っ越して冷蔵庫も大きくなったしフリーザーまでついたのに.. って泣きながら魚屋についている食事スペースでイワシ缶とトーストを食べた。イワシ缶とトースト、F&Mのカフェにもあったのだが最強だと思う。
戻りのEurostarは - ここのとこずっと、行きも帰りもほぼ意識を失った状態で運ばれていて、昔のわくわくしたかんじが(自分のなかで)消えてしまったのが悲しい。これじゃ通勤電車と同じではないか、って。
3.06.2025
[log] Paris - Mar 01 2025
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