3.24.2025

[film] Je t'aime, je t'aime (1968)

3月16日、日曜日の昼、角川シネマ有楽町で見ました。

Alain Resnaisの映画はおおおー昔に日仏でレトロスペクティヴがあった時にひと通り見て、この映画もその際に見た記憶があるのだが、今回見てみたら記憶から落ちている気がして、そういうこともこの映画のテーマではあるのかー。 原作はJacques Sternberg。

ベルギーに暮らすClaude (Claude Rich)は自殺未遂で病院に運ばれて、退院できるようになったところでよくわからない研究施設かなにかの人たちから声を掛けられ、よくわからないまま彼らの車に乗せられて、郊外の施設に運ばれる。 もう少し用心したら、とか思うがどうでもよかったのかも。

彼らがいうには過去の時間に戻る実験をしていて、ネズミを使って1分間向こう(過去)に滞在して戻ってくるのに成功した(どうやって検証確認したのだろう?)ので、次はヒトで確かめてみたい協力してくれないか、と言われて、自分はどっちみち死のうとした人間なのでやけくそで協力することを期待されているのだろうな、と察してやってみることにする。

お話しはその科学的な建て付けとかその確かさについて突っ込んだり暴いたりするのではなく、その実験用のブースに成功済みのネズミさんと一緒に入れられて、トランスポート用のフォームマットに転がって実験台となるClaudeの姿と、その様子を別棟からモニターする - でもなんもしようとしない科学者たちを追うのと、あとはClaudeの目だか意識だかに入ってくる過去(だからどうしてそこに映っている「過去」を、「過去の記憶」ではなく「過去の時間」そのものである、と外側から言い切れるのか?)を並べていく。

まずは海の中をこちらに向かって泳いでくるClaudeがいて、浜辺には恋人のCatrin (Olga Georges-Picot)がいて、サメがいたとか他愛ない会話をしたり、その先は寝たり覚めたりを繰り返しつつ、彼女との出会いとか会話の断片、寝起き - 寝室の壁のマグリット、何度か同じイメージ、その断片が繰り返されつつ、その繰り返しのなかに彼が後悔しているのかずっと痛みとして抱えているのか、その地点、その記憶の周辺に戻って(戻されて?)いくことがわかり、Claudeもしょっちゅう現在時に戻りつつも、実験をやめるのではなく、目覚める前の地点になんとか戻ろうとする。

覚める直前の夢に戻りたいからもう一回寝る、って単に眠いから、も含めてふつうにあることだし、そんなふうにうだうだしていると、隣にいたネズミさんも過去時点に現れたりするので、これ夢じゃないんだ、とか思いつつ、でも彼は一番スイートなところではなく、一番痛切だったあの地点に吸い寄せられていって…

記憶って、それが甘くせつないものであればあるほど、そこに吸い寄せられて身の破滅を招く、ってこれまで何度も描かれてきたようなテーマをSF(ただしヌーヴェル・ヴァーグのそれ)っぽい時間旅行という設定 – 実はねちねちとストーカーのように寄っていくのと変わらない – のなかで展開して、つまり人は愛のなかで何度でも死ぬのだ、ってちょっとロマンチックなところに落ちて、それはベルギー郊外の殺風景な研究施設の穴のなかであっても変わらない。 “Je t'aime”は2回どころか、何度でも重ね塗りされて繰り返されていくのだ、と。

Alain Resnaisの記憶や時間に対する執着というか世界観って、これだけではなく何本か続けて見ていくとはっきりと見えてくるので、やはり特集で立て続けに見たいなー。

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