3.22.2025

[film] Park Row (1952)

ここからは日本/東京の備忘。たぶんそのうちネタが尽きる。

平日は朝からオフィス行って仕事、夕方からはロンドンともやりとりがあるので早めに抜けることができないし、なんか体力なくてすぐ疲れてしまうので映画は週末にならざるを得なくて、要は何ひとつ大変におもしろくない日々。

シネマヴェーラ、会員のを更新しても5回くらい見ればモトが取れそうだったのでそっちにしてこの日の3回分を買う。いま手元のカードには来店回数は245回、累積:0ポイント って打ってあるのだが、ポイントでは見れないのか - ポイントってよくわかんないわ。

Park Row (1952)

3月15日、土曜日の昼、シネマヴェーラの特集『映画は戦場だ! サミュエル・フラーの映画魂』で見ました。Samuel Fullerの映画は基本ぜんぶ、映っていなくても戦争ものなので体が弱っているときに見るのはちょっとしんどいのだが、でも見る。

作・監督・プロデュース、ぜんぶSamuel Fuller。
これとか”The Bowery”(1933)とか”Crossing Delancey” (1988)とか、ローワーイーストの通りの名前が入っているとなんか見たくなってしまうのはどうしてなのか? (あの通り界隈にはなにかある、って思うから)

1886年のNYで新聞記者のPhineas Mitchell (Gene Evans)が社の方針を批判して解雇され、その隣に仲間を集めて自分たちのやり方で新しい新聞社を立ち上げよう、って奮闘する。そこに横から口や手を挟んできて目障りな隣の旧来型新聞社のCharity Hackett (Mary Welch)との熾烈な戦いを通してジャーナリズムとは、を叩きつける。それを演説とか長台詞とか涙で訴えるのではなく、せかせかしたアクションと過去の先達の紹介の対比で一気に見せて、例えば新聞社を作る、っていうのがどんなかんじのものなのか、がバンドをくんでいくみたいなわくわくする痛快さの中で描かれていてかっこいいー しかないの。


Pickup on South Street (1953)

前に見たことあるやつだった。マンハッタンの犯罪、みたいな特集があると”The Naked City” (1948)と並んで必ず入ってくる一本。 邦題が『拾った女』って… 女を拾う話でも、女が拾う話でもないよ。

NYのラッシュ時の地下鉄で、スリのSkip (Richard Widmark) がCandy (Jean Peters)の鞄から財布をスったらそこに彼女が運搬を頼まれた極秘情報入りのマイクロフィルムが入っていて、警察と送付元の両方とCandyがそれぞれにSkipを追い始めるのと、自分が盗ったブツの価値を知ったSkipも動き始めて…

土地の闇をぜんぶ掌握しているかのような情報屋のMoe (Thelma Ritter)の存在感が彼らを交錯させ、かき混ぜ、それでもすべては元に戻っていくようなー。

Skipが住んでいる河の上の小屋、洗濯とかどうしているのだろう、っていつも。

コミュニストから国を守れ、っていう当時のお題目はあるものの、それをスリに言わせているのでじゅうぶんに軽くて怪しそうで、J. Edgar Hooverのお気には召さなかったらしい。


Margin for Error (1943)

この日の三本目、邦題は『演説の夜』。なにを見ても楽しくなってくる。

監督はOtto Preminger(出演も)で、原作はClare Boothe Luceによる同名戯曲 (1939)、脚色にLillie HaywardとクレジットなしでSamuel Fuller。

NYのユダヤ人の警官Moe (Milton Berle)がドイツ領事館の領事Karl Baumer (Otto Preminger)の公邸での警護を命じられて、あんなナチ野郎の護衛なんてまっぴら御免、って嫌がるのだが、説得されて任務につくと、Karl Baumerは秘書のMax (Carl Esmond)にも妻のSophiaにもめちゃくちゃ忌み嫌われていて、その事情も尤もで、他方でデモによるナチスへの抗議が渦を巻くNYではヒトラーのラジオ演説の晩に破壊工作が計画されていて…

邸内で息詰まる攻防が.. と思ったら領事は割とあっさり盛られて刺されて撃たれて死んじゃって、いなくなったのはよいけど後始末と爆破計画の阻止をどうする? の方でじたばたしていくのがほんのりおかしい。

この辺、どことなくルビッチの”To Be or Not to Be” (1942)にもある、ナチスなんてちーっとも怖くなんかないもん! が少しあるかも。こっちの方がやや堅くて真面目だけど。

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