2月15日、土曜日の昼、CurzonのAldgateで見ました。
クソ彼に当たってしまったヴァレンタインの翌日に見るにはちょうどよいやつかも。
痛い系のサスペンスホラーかと思ったら違った。97分がちょうどよい。
脚本、監督はこれがデビューとなるDrew Hancock。以下、軽くネタバレしていると思う。
Iris (Sophie Thatcher)とJosh (Jack Quaid)はスーパーマーケットのオレンジ売り場で、これしかない、みたいな理想的な出会いをしてあっという間に恋人同士になって、週末に友人のレイクハウスに車で向かうところで、別荘には所有者の富豪で見るからにカタギではなさそうなSergey (Rupert Friend)、その恋人のKat (Megan Suri)、男性同士のカップルEli (Harvey Guillén)とPatrick (Lukas Gage)が集まっていて、そんな変な集団にも見えない。
翌朝、Irisが散歩しているとSergeyが寄ってきてへらへら笑いながら上に乗ってレイプしようとしたので、そこにあったナイフで首を刺して殺して、頭から血まみれになってパニックしているIrisの耳元でJoshが”Go to Sleep”っていうと彼女は白目になって停止する。ここまできて彼女はJosh(の操作するアプリ)によって動作するコンパニオン・ロボットであることが明らかにされ、冒頭のふたりの出会いのシーンも予め用意されたプログラムがIrisの脳内で再生されていただけだった、と。
椅子に縛られた状態で再起動されたIrisは隙を見てJoshのスマホを奪って森に逃げこみ、アプリを使って自分の設定を見て自分がどんな扱いのものだったかを知り、知能設定が40%だったのを100%にして復讐のために動き始める。 のだが、そんなに簡単にコトは運ばず、Eliと一緒にいたPatrickも同じコンパニオン・ロボットだったのでやや事態が面倒なことになって…
生身の人間ではなくコンパニオン・ロボットでいろいろ済ませようとする/それを誇示しようとする人が(頭だけはよい)クズ系であることは”Ex Machina” (2014)でも示されていたが、あれよりもう少し下世話にわかりやすく、こんなにもクズでゲス、のようなところ(だけ)を見せていておもしろい。そしてそのクズは他の人たちや他のロボットの間にも紛れていて、不気味で変なソサエティを作っていて、というあたりだと、こないだの”Blink Twice” (2024)とか”Don’t Worry Darling” (2022)にもあった、スタイリッシュでつるっとした(中味はありそうであんましない)サスペンスの傾向にも繋がっているのだろうか。 富豪も社交もロクなもんじゃない、という今。
そういうところから少し離れると、”After Yang”(2021)みたいな静かな世界に行ってしまう – か、”Robot Dreams” (2023)のような平和でフレンドリーなやつとか。 まあ、手元のタブレットすらきちんと操作できない人間がロボットなんかには近寄らないことよ。
更にそこから離れても、Joshみたいに女性を性処理の対象とか道具のようにしか見ない、見ようとしない男の像がロボットやAIへの対応を通してあぶり出されてくる、というおもしろさ(おもしろくない)。本当は、そんなのを通さなくたって(介さないほうのが)そこらにうじゃうじゃいるはずで、問題はそっちの方だよね。など、あーうざいねえ、とか思いながら見ていた。
Irisを演じたSophie Thatcherさんはこないだ”Heretic”(2024)でHugh Grantとも対決していた。
Joshを演じたJack QuaidはMeg RyanとDennis Quaidの息子で… ということはこいつとは昔に会ったことがある。95年くらい、Barneys New Yorkの当時地下にあった食堂(Mad 61)でランチをしていたら隣のテーブルにMeg Ryanがきて、わあぁーってなったところで彼女の連れていたガキがテーブルの下で大暴れして.. あの時の彼だったか… 大きくなりやがって。
2.26.2025
[film] Companion (2025)
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