2月14日、金曜日の晩、BFI IMAXで見ました。
3D上映もあったようだが2Dにした。でもいちおう公開初日には見る。
“The Falcon and the Winter Soldier” (2018)からのSam Wilson / Captain Americaを主人公に据えつつ、背景とかキャラクターはEdward Nortonが緑Hulkを演じた”The Incredible Hulk” (2008)を引き継いだりしている。
超人だったSteve RogersのCaptain Americaに自分は絶対なれないことを自覚しつつアメリカの危機を前にすると身体と翼が勝手に動いてしまうSam Wilson (Anthony Mackie)と、そんな彼を政治利用しようとする合衆国大統領のThaddeus Ross (Harrison Ford)と、Celestials で見つかった希少金属Adamantiumの権益を巡る争奪戦 - に日本も巻き込まれている - のごたごたがぜんぜんスマートじゃない - 単にごりごり押し合うばかりの政治サスペンスふうに描かれていく。”Captain America: The Winter Soldier” (2014)にあったクールネスは微塵もない。
みんながふつうに思っていることでしょうが、今のアメリカ合衆国は冗談ではなくHydraに乗っ取られてしまい、あの風船デブと成金バカのやりたい放題になっていて、こんな状態で彼らの手先としてCaptain Americaなんて動けるわけがなかろう、というアタマで見ていくと、Thaddeus Rossも軍人あがりの超タカ派、自分が一番の傲慢野郎で、最後にやっぱり衝突しているのでそれみろ、なのだが、今の合衆国にはSteve RogersもSam Wilsonもいない、という現実の方に頭が向いてしまう。犯罪者が最高権力を手にしたらどうなるか、が想定ではない現実として現れてしまった時、正義とは… 例えば、そんなアメリカを守る、とは?
Steve Rogersの時代、敵は明確にアメリカの外 - 二次大戦期のドイツ - にあって、そこからサノスとか更に外に広がっていった訳だが、Sam Wilsonの場合は、最初から自国内のプロパガンダ狙いも含めて敵はずっと内部にいる、という難しさ(この映画のマーケティングもそう?)を彼ひとりが抱えていて、CIAだってなくなっちゃうようだし、見ていて辛くなってくるのだが、それでも少しづつ彼の周りに集まってくるFalcon (Danny Ramirez)とかRuth (Shira Haas)とかすっかり善き人になってしまったBucky (Sebastian Stan)とかはいるので、次に期待する、しかないよね(それまでに「アメリカ」が少しでもよくなっていますように)。 でもいま一番期待してしまうのは”Thunderbolts*” (2025)の方かも
ホワイトハウスが下斜めからぐざーってぶっ壊される絵がなかなか見事で、これって、”Independence Day” (1996)で真上から攻撃を受けて粉々にされるのと対照的でおもしろいな、とか。
あと、ものすごく濃く強く黙って闘う男性中心に貫かれたドラマで、この辺の息苦しさはわざと狙ったものなのか。Thaddeus Rossが多様性を排除した結果こうなってしまったということなのか。この辺のみっしりと男くさいトーンを歓迎する層も間違いなくいそうだし、これはこれであーあ(…なーにが”Brave New World”か?)、だし。
いろいろ意見だの見解だのはあるのだろうが、わたしはCaptain America的な(”GREAT”に向かわない)正義は(特に今のアメリカには)必要だ(ずっと言い続けることも含め)と思っていて、だから本作も大事だとは思うものの、いろいろもどかしくて難しいよねえ、って。 そのためにも”Eternals” (2021)の続編がほしいし、Nick Furyは宇宙で遊んでないで降りてこい、ってなるし。
Harrison Fordって、これから先も赤Hulkで出てくるの? おじいちゃんだいじょうぶなの?(癇癪をおこしやすい爺、という点ではわかりやすいけど..)
2.24.2025
[film] Captain America: Brave New World (2025)
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