25日、水曜日の21:00から、BFIのIMAXで見ました。
予告を見て、7月にこの監督Taika Waititiの旧作”Boy”(2010)を見て、こいつはやってくれるにちがいない、と思ったらその期待通りだった。
でも、Avengersの地球を救うヒーローたち、の文脈で見てしまうと踏み外してたらいに頭ぶるけるかもだから、気をつけてね。 邦題、相変わらずガキ向けすぎてどうしようもねえ。
冒頭でThor (Chris Hemsworth)はでっかい火の魔神みたいのと戦ってて、そいつはRagnarokが来るのじゃとか言って角取られて消えて、そこからThorはAsgardに戻ってLoki(Tom Hiddleston)とかと会って、そこからマンハッタンのBleecker St経由で父親Odin (Anthony Hopkins)がいる北欧の崖に飛んでお別れをして、それからどっかから出てきたらしいThorの姉 - 死の神Hela (Cate Blanchett)と会ったらThorのハンマーは瞬時に簡単に粉々にされて、Lokiと共にゴミの星Sakaarに逃げる。
そこはGrandmaster (Jeff Goldblum)がお気楽に支配してて、捕えられたThorは髪の毛トラ刈りにされて格闘場で戦うことになるのだが、その相手として現れたのがHulk (Mark Ruffalo)で、友達じゃん、とか言うのだがあんま通じなくてぼこぼこ殴り合いして、でもとにかくAsgardがHelaによって滅ぼされてしまうかもしれないので、そこを抜けだして行かなきゃ、ということでみんな – Valkyrie (Tessa Thompson)とHulkとLokiとThorはそっちに向かおうとして、果たしてAsgardの運命は。
Ragnarok - 北欧神話のうんたらでいろんな神さんがうじゃうじゃ出てきてやりあう妖怪大戦争みたいなやつで、ここに神話だの伝説だの父の死だのを絡ませたらうざくなること500%なのだが、そういうのではなくて、なんかやたら強いのが出てきたので一旦逃げるけどAsgardがやばいのでやっぱり戦おうか、ていうそれだけのことを、すごくいいかげんな確信と選択とスピードでやっつける、向かってくるのは敵で、そうじゃないのは味方で、とにかく突撃するから、ていう。 そこになんの根拠も責任も計算もないの。 たぶん。
Thorは”Mighty Thor”でとにかく無敵の神様でヒーローなんだから、みたいに思いこんでいるとなんじゃこりゃ、になるのかもしれないけど、こいつにしてもLokiにしても碌なもんじゃない、ってことをよいこのみんなは押さえておいたほうがいいかも。 いつも得意にぶらぶらさせてた万能のハンマー(男根)を女鹿(Hela)に砕かれてからはおろおろしてばかりで、最後には脳裏のパパにすがるしかないファザコン野郎だって、そう思っておけばこのB級疾走感は割としっくりくるかも。
IMDbには監督のTaika Waititiが70-80年代のSFファンタジーにはまっていたと – 特にJohn Carpenter師の“Big Trouble in Little China” (1986) – 邦題だいっきらいなので書かない - の名前があって、であるとしたらほんとに素敵 – これ公開時何回も見たし、そうしてみると、いろんなしょうもないキャラが次々と湧いて出るのもわかるし、ここでのThorって、まるであの映画のKurt Russellのてきとーなノリにとっても近いやつなのではないか、とか。
あとは画面のぺらぺらごちゃごちゃ半端なB級感 - 至近距離の接近戦で互いの息とか嗚咽が耳元でぜーはー言うような、リアルにうっとおしいのじゃなくて、遠くからの電撃で一網打尽にしちゃってざまあーの痛快さ。
ノリとしては”Guardians of the Galaxy”に結構近いと思うのだが、彼らはGuardiansじゃない、神なのじゃ、と言ったところで特大のハリセンをかましてやって構わない。
ろくでなしばかりがやってくる、とこも最後はやっぱり父ちゃんがさー、のあたりも”Boy”にも通じるところがある。
しょうもねえなクソガキ共、って言ってやってぜんぜんよいの。
音楽は正しく(この使い方よね、と)Led Zepplinの"Immigrant Song"がサーフ・ミュージックのようにがんがん鳴って、Mark Mothersbaughのエレクトロがひたすら気持ちよく全体をドライブしてくれる。 Hans Zimmerのとぐろを巻いて居座って風景まで作っちゃうようなのとは別の風を吹かせている。
あと、Cate Blanchettさんはさすがだった。姉としてまた出てきてくれそうな気がする。
10.27.2017
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