5月31日、日曜日の午後、シネマヴェーラのRobert Mitchum特集で見ました。
原作はThe Saturday Evening Postに掲載されたRichard Wormserの短編小説 - “The Road to Carmichael's" (1942)、監督はDon Siegel。71分のクリスピーなトルティーヤに乗った真面目だか不真面目だかよくわからないメキシカン・ウェスタン。
ごった返すメキシコの港で米陸軍中尉のDuke Halliday (Robert Mitchum)が彼を船まで追ってきた軍の上官Vincent Blake (William Bendix)を船室で殴り倒して陸に戻ったら携えていた30万ドルの札束をJim Fiske (Patric Knowles)に奪われて、たまたま同様にJimにしてやられて頭にきているJoan Graham (Jane Greer)と一緒に車で追っかけていくことになり、更にそんな2人をふざけんな、ってぶちきれ系で沸騰したVincentが追っかけていく。
そこにメキシコ警察のGeneral Ortega (Ramon Novarro)が絡んで、これもどこまで冗談なんだかわからない玉突き追っかけずっこけ珍道中が始まり、逃げて転んで追っかけて、がぐるぐる巡って、最後は首領の本拠地(邸宅)での銃撃戦で絶体絶命、どう考えてもしぬだろ、なのに敵が考古学マニアだったおかげでどうにかなって、冗談みたいにてきとーなハッピーエンディングに落ちてしまうところがすごい。あまりに変な展開なので、よかったねえ! とかあまり言えないけど。
これの前年にRobert Mitchumはマリファナ所持で有罪判決をくらって収監されてて、これに出ることで世間から注目されて客が入るだろうからってキャスティングされた、とか、Jane Greer はRKO PicturesのオーナーだったHoward Hughesの恋人だったが別れたので彼女のキャリアを潰そうとしていた、とか、裏のストーリーも表と同様にぐしゃぐしゃだった、というあたりもおもしろいのだが、そんなの微塵も気にしていない堂々とした演出が素敵。
Crossfire (1947)
6月1日、月曜日の晩、上と同じ特集で見ました。
監督はハリウッドの赤狩りでHollywood Tenのリストに載ったEdward Dmytryk。原作は後に映画監督となるRichard Brooks が兵役期間中に書いた小説”The Brick Foxhole” (1945)。 邦題は『十字砲火』。 映画はヒットしてRKOからリリースされたB級映画なのにオスカーの作品賞、監督賞を含む5部門にノミネートされた。
冒頭、暗いホテルの一室で殴り合いの乱闘がシルエットで描かれて、翌朝に部屋で遺体となって発見されたSamuelsの殺人事件を捜査していく犯罪もの。捜査にあたる警察のFinlay警部 (Robert Young)は夜に被害者がいたホテルのバーにたむろしていた復員兵たちが怪しいと見て捜査を始める。
Finlayに近寄ってきたMontgomery軍曹 (Robert Ryan)は友人のFloyd (Steve Brodie)とバーでSamuelsを見かけたので彼の部屋に行ったら彼がMitch (George Cooper)と一緒にいるところを目撃し、しばらくしたら泥酔したMitchが出てきてどこかに消えたので、彼があやしいのはないか、という。
Mitchの友人で彼が人を殺すような奴ではないことを知っているPeter Keeley軍曹 (Robert Mitchum)が乗りだして動揺したりよく憶えていなかったりするMitchを映画館に匿って、捜査の点と線を繋いでいく。ところどころ回想が絡まったり、そこに夢だか現実だかわからないような娼婦のGinny (Gloria Grahame)とそのヒモ(Paul Kelly)が現れたり、でも最後の方は怒涛の、まごうかたなきヘイトクライムになだれ込んでしまうので、いきなりビンタされたようにしゃっきりする。いや、あそこまではっきり言われるとそれはそれで気持ちわるい(そして、Robert Ryanこわすぎ)のだが。
原作では被害者はホモセクシュアルという設定で、でも当時のヘイズ・コードは同性愛への言及不可だったので、背景が人種差別~反ユダヤ主義に変更されたという。なぜそんな代替が可能になってしまうのか、というのはあるけど。そんなふうに隠したところでぜったいいつかばれるんだし、とか。
6.08.2026
[film] The Big Steal (1949)
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