1月12日、月曜日の晩、Donmar Warehouseで見ました。
原作はJ. B. Priestley (1894-1984)の同名戯曲 (1934)で1943年にはLance Comfortによって同じタイトルで映画化されている。演出はTim Sheader。なかなかチケットが取れなかった。
舞台はクラシカルでゆったりとしたリビング、中央にソファがあり、端にはピアノがあり、鉢植えの植物だけ異様にでっかい。
1908年、ヨークシャーの中流階級家庭で、25年前の同じ日、同じ場所で結婚式をあげた3組の夫婦が仲良くみんなで銀婚式を祝おうと集まってくる。
ホストとなる家の家政婦は見るからに聞き耳たてる詮索好きで、記念写真を撮りにきた写真家はべろべろに酔っぱらっていて、中心の夫婦は一見まともふう、一組は夫ががみがみ内気な妻を怒鳴りつけていて、もう一組は逆に妻が夫を尻に敷いていて、そんなテーブルを囲む手前で、25年前に式を執りしきった神父が現れて、ごめん、君らの結婚ちゃんと手続きしてなかったかも、という。いやいやいや、それはとーんでもないことだしなんで今日のこの日にそんなこと言うわけ? なので聞かなかったことにしましょうか、にしようとしたのだが、家政婦が全員にばらしちゃったのでざわざわし始めて止まらなくなる。
まずは全員が体面体裁もあるので穏やかで、でもそのうちずっと尻に敷かれていた側のそれぞれの妻と夫が、おうおうそれってどういうことだよ~こういうことか? って立ちあがってこれまでの恨みも含めてとにかく散々やってくれたよなあー もう関係ないってことよね? っていきなり逆の態度で反乱を起こすし、夜の繁華街からやってきたそれっぽいレディーまで絡んできて…
結婚なんて紙切れ一枚のー というのが事実だとしたら、紙切れの拘束が解けたらこんなふうになる、なにやったっていいんだよね他人だし、というのを普遍性をもってわかりやすく描いていて、とにかくおもしろいったら。切れ目にどかどか流れるBeyoncéの”Single Ladies”なども違和感なく溶けこんでいて、俳優みんなすごくうまくて楽しいし。
戸籍とかマイナンバーとかがあると、こういうおもしろいことも起こらなくなるので、みんな気をつけようね、って。
The Rivals
1月13日、火曜日の晩、Orange Tree Theatreで見ました。
これもなかなかチケットが取れなかったやつで、テーマ的には結婚制度のばかばかしさを嗤う系のが連日偶然重なったかも。(月曜日のが事後、火曜日のが事前、というか)
原作はアイルランドの劇作家Richard Brinsley Sheridan(1751-1816)の同名戯曲 (1775)、これが彼の最初の作品だそう。ここから250年を記念した公演で、演出はTom Littler。舞台の床上には18世紀バースの古い地図が描かれている - 上の席だったので、この地図とGoogle Mapを重ねてみたけどよくわかんなかった。
舞台上にはマイクスタンドがあって、最初のアナウンスから大勢でセット(リビングからお風呂から食堂から)を置いたり組んだり、それを振付や場合によっては歌もダンスも込みの一連の動作として、目まぐるしくレビュー・ショーのように移し替えていく。囲み型の結構狭いシアターなのによくあそこまで、ちゃきちゃきと、って感心する。
そんな慌しい交錯のなかに浮かびあがる若い貴族のJack Absolute (Kit Young)が貧しいけど聡明なLydia (Zoe Brough)に恋をして、彼女を落とすべく、階級が下のBeverley軍曹になりすまして近寄っていく話と、もう一組、Jackの友人の“Faulty” Faulkland (James Sheldon)とJulia (Boadicea Ricketts)のうまくいっているのかいっていないのか一部壊れたような付き合いが進行して、息子の恋愛→結婚にやきもきするJackの父Sir Anthony (Robert Bathurst)とLydiaの後見人で叔母のMrs Malaprop (Patricia Hodge)の言い間違いなどが混乱に拍車をかけて、それぞれが思いこみも含めたいろんなライバルたちに翻弄されつつも、最後にはどうにかなる、というかなってしまう。そうさせたパワーってなんだったのかしら? というすっとぼけた、でも勢いにあふれたコメディ。
舞台とか回転しないかわりにセットを人力で目まぐるしく回転させていくせわしない演出で、それがこの劇のテーマ – 身分階級なんていいから、恋は自分で勝ちとれ、みたいなのにうまくはまっているようで、よかった。
それにしても、自分が知らないだけだし、考えてみればあたりまえなんだけど、いろんな劇作家がいてまだまだ知らないことだらけだなー、って。
1.20.2026
[theatre] When We Are Married
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